「最大4割値下げ」ドコモ新料金プラン 端末代金は高額化の懸念も

「最大4割値下げ」ドコモ新料金プラン 端末代金は高額化の懸念も

 NTTドコモが15日発表した6月に導入する新料金プランは、スマートフォンの端末代金と通信料金を完全に分離するのが特徴だ。一定の条件を満たせば現行の通信料金より最大4割の値下げとなるが、端末代金は高額になる懸念もある。携帯電話各社は次世代通信規格「5G」の開始を控え、通信料金と今後の投資という難しいバランスを求められそうだ。

 これまで国内携帯電話各社は、スマホなど端末代金と通信料金を一体にしたセット販売で契約者を増やしてきた。利用者も高価な端末を割安で入手できるメリットがあった。ただ、端末代金の値引きは通信料金の収入を原資にしており、通信料金が値下げされる一方で、端末代金が上昇するケースも多いとみられる。

 15日に記者会見したNTTドコモの吉沢和弘社長は「通信料金をこれだけ下げたので、端末代金への補助は少なくなる」と明言。その一方、高性能の最新機種を定価で購入すれば利用者の負担が大きく、「お客様が求めやすい工夫をしていきたい」と述べた。具体策は後日公表する。

 端末代金を安く抑えたい人が増えることを見込み、中古スマホを販売する業界団体は品質を格付けする統一の基準作りを進め、10月から本格的に始める。ただ、中古スマホの流通量を増やす取り組みも進める必要があり、課題も残っている。

 ドコモは新プラン導入で最大4000億円の利益を還元するため、今後の減収要因になると説明している。2020年春には5Gも始まり、基地局建設などの投資が今後かさむことも見込まれ、業績の回復は急務と言える。吉沢社長は「23年度に現在の利益レベルに回復する見込みとしているが、前倒しの努力をしたい」と述べた。

 ドコモの新料金プラン発表を受け、KDDI(au)は今後の顧客の動向を見定め、必要ならば追加の料金引き下げを検討する考え。ソフトバンクも「今後、値下げするかしないかも含めて、ソフトバンクと格安スマホのワイモバイルの両ブランドで対応を検討する」とコメントしており、競争の激化が予想される。【森有正、加藤明子】

 ◇携帯電話の料金

 1985年に施行された電気通信事業法では、携帯電話の料金は認可制だった。その後の普及を踏まえて、95年の同法改正によって届け出制に変更。さらに2004年には料金に関する規制を原則廃止して、届け出制も無くした。このため、本来は携帯電話各社が決めた料金水準について、政府が見直しを指示することはできない。

 昨年までの携帯電話料金は、分割した端末代金と通話・データ通信料を合わせて毎月支払う方式が主流だった。しかし、政府や消費者から「通信料金が分かりにくい」「端末と通信の料金がセットになり、自由に好きな端末が選びにくい」といった声があり、携帯各社は端末代金と通信料金を完全分離した料金プランへの移行が加速している。

 ◇携帯電話料金の値下げを巡る動き

2018年8月

 菅義偉官房長官が携帯電話料金を「4割程度下げる余地がある」と発言

2018年9月

 野田聖子総務相(当時)が携帯電話料金などを議論する有識者会議の新設を発表

2018年10月

 総務省の有識者会議「モバイル市場の競争環境に関する研究会」が初会合

 NTTドコモが19年4~6月から携帯電話の通信料金を2~4割下げると発表

2018年11月

 有識者会議が携帯電話の端末代金と通信料金を完全分離する緊急提言案

2019年3月

 携帯電話の端末代金と通信料金を完全分離する電気通信事業法改正案を閣議決定

2019年4月

 NTTドコモが新料金プランを発表

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏

ドコモの新料金プランは本当にお得なのか? 業界に与える影響は?

 NTTドコモは6月1日から、新料金プランを導入する。新料金プランは、単に金額が上下しただけでなく、料金体系そのものが抜本的に変わっている。キーワードは「シンプル化」と「最大4割の値下げ」。ドコモによると、この新料金プランによって、最大4000億円の減収になるという。

 また、端末購入補助の「月々サポート」に代わる割引の仕組みも、別途導入される予定だ。こちらについては、5月に実施されるとみられる夏モデルの発表会で披露される可能性が高い。ここでは、改めて新料金プランの中身を振り返るとともに、ドコモの戦略や今後予想される業界の動きを予測していきたい。

「大容量」と「段階制」の2本立てでシンプル化、「みんなドコモ割」で家族を取り込む

 料金プランでは、ユーザーに2つの選択肢が用意された。1つが大容量プランの「ギガホ」、もう1つは段階制プランの「ギガライト」だ。大枠で2つから選ぶ仕組みは、分離プランで先行するauやソフトバンクも導入済み。auは「auフラットプラン」と「auピタットプラン」を、ソフトバンクは「ウルトラギガモンスター+」と「ミニモンスター」の2系統が、現在の主力プランだ。ドコモもここに追随したとみていい。

 ギガホは30GBで6980円(税別、以下同)。30GBを使い切ったあとの速度制限も、1Mbpsと従来よりも高速にした。ギガライトは2980円から5980円の間で変動する仕組みで、1GBまでが最低料金の2980円。以降、2GBごとに料金は1000円ずつ上がり、5GBを超えると5980円に達して、7GB超で速度が従来と同様、128Kbpsに制限される。

 基本プランとプロバイダー料金に相当するインターネット接続料、さらにデータパックを組み合わせていた現行プランと比較すると、選択肢は少なくなり、シンプルに見えるようになった。新料金プランでも、通話定額はオプションとして残っているため、実際にはもう少し複雑ではあるものの、データ容量をどの程度使うかを入口にして、通話の定額をオプション扱いにしたのは、今のスマートフォンの利用実態に即したものといえる。

 同時に、データ容量の選択肢も一気に整理している。大きな違いは、家族で分け合うシェアパックがなくなったところだ。シェアパックは家族で1つのデータ容量を分け合うことで、お得に利用できるプランだが、割り算をしなければ1人あたりの金額が分からず、家族全員でどの程度の容量が必要なのかがすぐに分かりづらい。これが複雑化を招いていた原因として、新料金プランでは個々人での契約が前提になった。

 ドコモの吉澤和弘社長は「複雑で分かりにくい、お得が実感しづらいというお客さまの声を受け、シンプルでお得な料金体系にした」と新料金プラン導入の趣旨を語る。一方で、「家族でのお得はこれまで以上に強化した」(同)という。それが、「みんなドコモ割」だ。家族や親族で2回線以上契約していると全員が500円、3回線以上だと全員が1000円割り引かれる仕組みで、これを利用すると、ギガホが5980円、ギガライトが1980円からになる。

 吉澤氏によると、ドコモは家族を丸ごと取り込むことに成功しており、「ご家族3人以上でご利用いただいている方々が、7割以上占めている」という。つまり、7割のユーザーが、新料金プランに移行するだけで1000円の割引を受けられるということだ。容量を分け合うという概念が分かりづらく、シェアパックの導入に二の足を踏んでいたユーザーでも、みんなドコモ割であれば気軽に利用できそうだ。

 また、これまではデータパックごとに割引額が異なっていた、ドコモ光とのセット割引も簡易的なものになった。ギガホとギガライトの3GB超、5GB以下より上が1000円、1GB超3GB以下が500円と、割引額を2パターンに変更。離れて暮らす親族が1世帯でも契約していれば割引を受けられる。この点に着目しても、新料金プランはシンプル化したといえる。

 家族で契約したユーザーは、一般的に、解約しづらくなる傾向が強くなる。影響が顕著だったのがシェアパックだが、みんなドコモ割はその適用範囲をさらに拡大したものといえるかもしれない。近い内容の割引はソフトバンクも導入しているものの、家族を丸ごと取り込めている割合の高さは、ドコモの強みだ。auにはみんなドコモ割に相当する制度がなく、料金面での差別化にもつながる。ただ、シンプルな半面、3人以上で1000円と条件が緩いため、単身でドコモから抜け出しやすくなっている側面もある。この割引の仕組みが解約率どう作用するかは未知数だ。

料金の値下げ幅は最大4割だが、月サポやdocomo withでお得感は変わる

 先に挙げたように、料金水準そのものも、現行プランから引き下げられている。ドコモによると、値下げ幅は「最大4割」(吉澤氏)。最大の割引率になるのは、「ボリュームゾーンである(データ利用料が)1GB(のユーザー)」(同)。ドコモのスマートフォンユーザーのうち、実に4割がここに該当するという。

 ドコモが示した試算を見ると、シンプルプランでベーシックシェアパックを家族3人で利用し、プラチナステージの「ずっとドコモ割プラス」が適用され、データ利用量が1GB未満に収まっていたユーザーは、もともと3480円支払っていたのに対し、新料金プランではみんなドコモ割が適用され、1980円にまで下がる。また、単身で大容量プランの「ウルトラデータLLパック」を契約していた場合も、ギガホに変えると8480円(プラチナステージの場合)から5980円(家族3人で利用した場合)へと、約3割の料金値下げが実現する。

 ただし、ここにはカラクリもある。1つは、月々サポートやdocomo withが考慮されていない点だ。例えば、1GB未満の場合、家族3人が全員docomo withを利用していたとすると、上と同条件で、1人あたりの料金は1980円。新料金プランへの変更前後で、料金には一切変化がないうえ、使える容量がわずかに減る格好だ。ウルトラデータLLパックの契約者が、iPhone XSの月々サポート(2275円)を受けているときも、料金は6205円まで下がっているため、家族3人で利用して、何とか数百円安くなる程度。より大きな月々サポートを受けているユーザーの場合、値上げになるケースもある。

 また、料金プランをシンプル化した結果、選択できる容量が減ってしまった。そのため、例えば現行プランで20GBの「ウルトラデータLパック」を利用しているような場合、新料金プランでは容量を上げざるをえず、値下げ幅がさらに縮小してしまう。ウルトラデータLパックのユーザーがギガホに変更した場合、料金は6480円から6980円になり、事実上の値上げになる。現時点でdocomo withや月々サポートが適用されている状態だと、料金が上がる幅はさらに大きくなる。

 月々サポートは24カ月間限定の割引で、端末購入補助時に当たるものになるため、終了後に料金プランを変更すれば値下げになるケースはあるものの、docomo withはもともと「分離プラン」として導入された仕組み。分離プランから分離プランに変えても、料金はほとんど変わらないというわけだ。docomo with契約者は、新料金プランに変更しづらいことが予想される。今、どのプランを使っているかにもよるため、一概にはいえないが、必ずしもドコモの言い分通り、値下げになるとは限らない点には注意しておきたい。

端末の買い控えにつながる恐れも、販売動向は未発表の割引次第

 端末購入補助の分を料金値下げに回す分離プランの構造を考えると、2年間のトータルコストは大きく変わらない。先に挙げた試算の通り、iPhone XSの月々サポートを受けているユーザーが現行プランのままでとどまっても、新料金プランに変えても、料金水準が大きく変わらないことは、その証拠といえるだろう。ただし、これまで月々サポートは、端末購入補助として扱われてきた。それがない新料金プランでは、いわゆる“実質価格”が打ち出せなくなるため、見かけ上だが価格が上がったように捉えられかねない。

 また、分離プランは同じ端末を長く使い続ける動機づけが強くなる仕組みといえる。旧料金プランの比較にも表れていたが、月々サポートが切れると、そのぶん新料金プランが安くなるためだ。結果として、端末の買い替えサイクルが、さらに長期化する恐れも出てくる。特にdocomo withのユーザーが、値上げに反発して買い替えを控える可能性は高そうだ。これらの点を踏まえると、新料金プランが端末の買い控えにつながる恐れもある。

 端末の割高感を抑えるため、ドコモはミドルレンジモデルを強化していく方針。吉澤氏は「分離プランになった場合、端末購入補助を今までのようにたくさんかけるわけにはいかない」としながら、「販売価格が4万円以下のものも、性能はほとんど見劣りしない。デザインや使い勝手のいいもの(ミドルレンジ端末)はそのまま強化して、お買い求めやすいようにしていく」と語っている。

 さらに、ドコモは通信料金にひもづかない何らかの割引は検討しているようだ。吉澤氏によると、「フラグシップのデバイスは、正価でというとかなり負担が大きくなる。そういったデバイスに興味や愛着を持たれるお客さまもたくさんいるので、お求めやすくする工夫を考えている」という。「分離したからといって、端末の値引きはゼロということにはならない」(同)という。

 新料金プラン導入後のトータルコストがどの程度になるのかは、この割引次第という側面があり、今の段階では是か非かの評価がしづらい。その意味で、現時点では、新料金プランの全貌は明らかになっていないといえる。仮に端末の割引が月々サポートほどではないにせよ、それなりに大きくなれば、上記の不安点は解消される。それが判明する5月の発表会は、要注目といえる。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏