令和、世界各地で話題 「ルーツは中国」「コナン心配」
1日、日本の新元号決定のニュースは、元号のルーツともいえる中国のほか、元号にはなじみの薄い国々でも話題を呼んだ。
清朝を最後に、元号が使われなくなった中国。外務省の耿爽副報道局長は1日の会見で、新元号について「日本の内政については論評しない」と答えるにとどめた。
国営新華社通信などの主流メディアも淡々と報道しただけだった。
しかし、ネットでは話題に。新元号が初めて日本の国書が由来となったことが伝えられると、ネット上では「意図的に中国との関係を切り離そうとした」といった論評も出た。
「令和」の典拠となった万葉集より数百年前、張衡(ちょうこう)という文人が詠んだ「帰田賦(きでんのふ)」という詩によく似た一節があるとの指摘が広がり、「ルーツは中国のものだ」といった書き込みも。一方、「中国は残念ながら(元号の)伝統を自ら捨ててしまった」「他国のことをとやかくいう資格はない」と嘆く声もあった。
発表前、日本で新たな年号の候補として「永和」が一部で予想に上がったことから、中国では同じ名を冠した中華ファストフードチェーン「永和大王」が話題になった。北京の知的財産権調査会社によると、「令和」は河北省の個人が昨年10月から10年間、酒の商標として登録しているという。
また、日本のアニメが好きな若者の間では「名探偵コナン」が「平成のシャーロック・ホームズ」と呼ばれていることから、「コナンの時代が終わってしまう」と心配する声も出た。
台湾での注目度は高く、地元テレビは日本の官房長官会見を生中継で報じた。
中国の古典ではなく日本の「国書」を典拠とした点については、「脱中国化」などの言葉を使って紹介。台湾は普段、中国側の統一圧力や文化的な影響力にさらされているだけに、関心を集めている。
インド・ダラムサラのチベット亡命政府関係者によると、「レイワ」という音はチベット語で「希望」を意味する言葉に似ている。日常会話でもよく使われる言葉で親しみが持たれるといい、この関係者は「とても良い言葉だ」と話す。
【新元号】自民・石破氏「違和感ある。『令』の意味説明の努力を」
自民党の石破茂元幹事長は1日、新元号が「令和(れいわ)」に決定したことについて、「違和感がある。『令』の字の意味について国民が納得してもらえるよう説明する努力をしなければならない」と述べた。記者団代表による電話取材に語った。
石破氏は「令」が「命令」を連想させることを懸念したとみられる。石破氏は「新しい時代は戦争がなく、人々が対話する時代になるようにと思う」とも語った。
「令」の字形、下の部分「マ」でもOK 文化審「習慣の差」
新元号「令和」の「令」は、下の部分が片仮名の「マ」の字形で表記されることがあるが、同じ文字で、意味や由来が異なるわけではない。
官房長官が元号発表の記者会見で掲げた書は「令」で、常用漢字表も明朝体の一種を用いて「令」と表記している。一方、小学校の教科書には「マ」の形が使われている。多くがより手書きに近い字形を採用するためだ。
文化審議会国語分科会は、2016年に出した常用漢字表の字体・字形に関する指針で「それぞれが正しい形」「印刷文字と手書き文字の表し方における習慣の差」などと見解を示している。【水戸健一】
田原総一朗が解説する「令和」発表会見に自らのぞんだ安倍首相の心境
新元号の「令和」。安倍首相は会見で「一人ひとりの日本人が明日への希望と共に、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい」との願いを込めたと述べた。新元号の公表を聞いたジャーナリストの田原総一朗氏は「安倍さんは日本の主体性を出したかったんだろう」と読み解いた。
会見の模様は、首相官邸のTwitter、Facebook、Instagramの公式アカウント、YouTubeチャンネルでライブ配信され、「令和」発表の瞬間の視聴数は、Twitter約47万人、Facebook約1万人、Instagram約9.6万人、YouTube約21万人と、国民の関心の高さを示した。
首相会見に先立ち、菅義偉官房長官が新元号を発表した時は、「なんで令なの? 命令の令からとったのかな」(フリージャーナリスト)との声も漏れ聞こえた。
最初は同じ印象を受けたという田原氏。ただ、意味を知って良いと思ったという。
「初めは違和感があった。ただ、万葉集をみると、令は『新しいことを始めるのが良い』『めでたい』という意味があることもわかり、おもしろいと思った」
奈良時代に完成した日本に現存する最古の歌集「万葉集」からとったことについては「今までは、元号は中国の古典からとっていたが、初めて日本の古典からとった。これは安倍さんの意向だと思う。日本の主体性を重んじたいという意向が強い」。
当初、新元号の発表は、菅官房長官ではなく安倍首相が行うのではないかという臆測も飛び交ったが、平成への改元時と同様、官房長官が会見で示した。
前回と違うのは、安倍首相も会見を開いて談話を発表したことだ。会見で「平成の改元時と変わり、総理が自ら談話を発表した理由は?」と問われた安倍首相は、「平成の改元時には竹下(登)総理の談話が発表されている。当時は総理大臣が会見を行うことは極めてまれだったが、平成の30年を経て総理大臣が直接発信する機会も増えた。平成の時と同じように談話を発表するのであれば、私自らが会見を開いて、国民の皆さまに直接申し上げるべきだと考えた」と答えた。
田原氏は「安倍首相が新元号を発表したいという気持ちはなかったのではないか」とみる。
「竹下元首相は自分で発表したかったとされているが、安倍さんは、自身でやる気はなく、菅さんでいいと思ったでしょう。なぜなら、当時、リクルート事件で竹下内閣は危なかった。竹下さんは、(自分が発表して)存在を印象づけたかった。でも今は安倍内閣の支持率は高く、一強で自信満々だから、竹下さんみたいな思いはなかったでしょう」
その安倍一強の中、夏には参院選が控えている。「令和」での政局に、大いに注目が集まりそうだ。
(本誌 田中将介)
新元号「令和」を一発変換するには?
2019年4月1日、平成に代わる新元号が「令和」(れいわ)になると発表された。
1日午前の記者会見で菅義偉官房長官が出典は「万葉集」だと説明した。あまり聞きなれない単語だが、スマートフォンやPCの文字入力ですんなりと変換できるのだろうか。
試しに手持ちのAndroidスマートフォンのGoogle日本語入力で「れいわ」と文字入力してみると、変換候補は「零話」「0話」となり、令和は出てこない。iWnn IMEに切り替えても「例話」しか出ない。iPhoneでも「0話」「0羽」だ。
PCではどうだろうか。いま日本語入力ソフト「ATOK」でこの記事を書いているが、記事執筆前の午前11時50分ごろに「れいわ」を入力したときは「例話」「零和」しか変換できなかったが、「れい」と「わ」をそれぞれ個別に変換すると、それを学習したのかまとめて「令和」に変換できるようになった。また、Microsoft IMEは新元号発表直後の午前11時44分ごろに試したところ、既に一発変換できた。macOSでは「礼わ」「例話」「例わ」「0話」となる。
【訂正:2019年4月1日14時00分更新 ※ATOKの「れいわ」変換に関して、これまでの学習をクリアすると一発変換できなかったため、表現を変えました】
ATOKやMicrosoft IMEは「令和」を一発変換できるが、それ以外の文字入力ソフトではいまのところ「令和」を単語登録などする必要がありそうだ。
ちなみにSiriはまだ「令和」を覚えてはいないようだ。