「赤ポチ」を使わないThinkPadユーザーが増えている?:電脳オルタナティヴ
モノ系ライターのナックル末吉です。筆者の記事でもよく取り上げるThinkPadですが、筆者も古くからのThinkPadファンの一人。ThinkPadと言えば、打鍵感が秀逸なキーボードが多くのユーザーの支持を得ているのは既知の通りです。
また、ポインティングデバイスの「トラックポイント」(いわゆる赤ポチ)は唯一無二の存在であり、ある意味、ThinkPadのアイデンティティーと言っても過言ではありません。しかし、このトラックポイントですが、最近のユーザーはあまり使っていないというウワサを耳にしました。そこで、レノボの中の人に、その辺りをチラっと聞いてきましたのでレポートしてみたいと思います。
(記事の本筋「赤ポチ」のお話は記事後半から)
トラックポイントの話を聞きに謎のイベントへ
トラックポイントの話をするには、少し長めの前置きにお付き合いいただかなければなりません。
ある日の夕方。そろそろ仕事を終わらせて飲みにでも行こうかと思案してたところ、レノボ・ジャパンの広報を牛耳る男、通称「UDXおじさん」からこんなメッセージが着弾します。
このUDXおじさんは、ThinkPad界隈だけでなく日本のPC関連メディアに絶大な影響力を及ぼす危険な男、もとい、鍵となる男。なので、無下には出来ません。しかも、このイベントは数週間も前に編集部から取材を依頼されていたことをすっかり失念しており、急いで会場に向かいます。
会場につくと、笑顔でUDXおじさんが出迎えてくれます。すでにイベントはスタートしており、オーディエンスもそこそこの人数がいてにわかに盛り上がっているように見えます。すると、目を疑うような光景が眼前に広がります。
正直、ThinkPadと靴の関連性がさっぱり解りません。しかし、オーダーメイドの靴のことをプレゼンテーションされている「二本真(ふたもとまこと)」さんは、ガチの靴職人で、靴のフィッティングの重要性や、人と靴の関わり、ジャストな靴を履いたときの成功体験などを語っておられました。
二本さんは、ご自身で開発された靴のフィッティングサービス、その名も「すごいフィッティング」を運営されているそうです。このサービスでは足の各部のサイズをインプットすると、靴のサイズ、ワイズ(幅)を算出してくれた上で、オススメの革靴をレコメンドしてくれるというもの。
ちなみに、革靴を自分の足にあわせてフルオーダーするとおいくら万円ぐらいかかるのかを尋ねたところ、大体30万円ぐらいとのこと。高価に感じますが、コードバンなどの高級革素材を使用したり、採寸から製作までの手間を考えると妥当な金額だと筆者は感じました。価値にみあった価格ということに尽きると思います。
で、二本さんがスゴい人だということはよくわかりました。普段、あまり聞くことのない貴重な話も聞けました。しかし、まだThinkPadと靴の関連が見えてきません。そこで、ThinkPadの故郷「大和研究所」に在籍する人物がいたので話を聞いてみました。
大和研究所の「靴好きおじさん」登場
はい、この男が今回のイベントの首謀者である岡田衛氏。通称「靴好きおじさん」。
レノボでは、ユーザーエクスペリエンスのデザインを担当されているとのこと。そこで、今回のイベントを開催した主旨を聞いてみたところ、どうやら靴好きおじさんが異業種交流会で二本氏と出会い、ユーザーが自分向けにきちんとフィッティングされた「モノ」を使うことは、素晴らしいエクスペリエンス(体験)なのは、靴もPCも大差ないということらしい。
ザックリ言うと、岡田氏が自分が好きな靴のイベントを開催したかったというね。そんな半分趣味みたいなイベントにGOサインを出してくれるなんて、どんだけ素晴らしい会社なんだレノボ。ジャパンは!
イベントには多くの靴クラスタの皆さんが参加されていました。「靴磨き好き女子」のハンドルネーム・鳥子(とりこ)さんは、代官山の紳士靴店に勤務する謎の美女。実はThinkPadユーザーらしいのですが、キーボードの打鍵感が好きで愛用しているものの、トラックポイントは使わないとのこと。
世界に誇る「赤ポチ」がヤバイことに?
IBM時代からのThinkPad好きおじさんにとっては、トラックポイントがThinkPadの最大の特徴であり、この赤ポチがあるだけで当時、高級機の代名詞でもあったThinkPadを所有しているんだという優越感を得られたものでした。
しかし、上記の鳥子さんのように、最近のユーザーはトラックポイントを使わない人が増えている様子。たしかに、ThinkPadをよく知らない人にトラックポイントを触らせると、長押ししたり深く押し込んでみたりしているのを目撃したことがあります。そんなに使いづらいモノでしょうか?
筆者的には、マウスやタッチパッドに比べて、指がホームポジションから大きく離れない最高のポインティングデバイスだと思っています。確かに、MacBookのトラックパッド(※注:タッチパッドにあらず)も、指のすべり具合や触り心地は秀逸ですが、トラックポイントは他のノートPCにはない唯一無二の存在です。特に、プログラマーやライターみたいなタイピングがメインの職業の人は、ホームポジションから指が離れない恩恵は計り知れないと思います。
その辺りを、UDXおじさんと靴好きおじさんに聞いてみました。すると、どうやらトラックポイントを使わない人が増えているのは事実らしく、靴好きおじさん的にはトラックポイントの素晴らしさを体験してもらうために、世界的なキャンペーンみたいなものを仕掛ける手はずを整えているとのこと。
そこで、UDXおじさんが「世界で初めてお渡しするノベルティになります」と言って手渡してきたのがコレ。
箱を開けてみると、メッセージカードとともにトラックポイントのゴム製キャップ「ソフトドーム」が2個入っていました
どうやら、先ほどのトラックポイントをもっと使ってねキャンペーンで配られるノベルティらしいです。で、そのノベルティを世界で初めて入手したのが筆者とのこと......。
うーん、二人のおじさんたちに上手く丸め込まれた気がしないでもないですが、お二方ともきちんと仕事をされていることだけはよく解りました。
トラックポイントはクセがあり、最初は戸惑うかも知れませんが、一度慣れると手放せなくなるポインティングデバイスだと思いますので、ThinkPadを使っている人はアグレッシブに使ってみていただけると。あ、ユーザー歴ン十年のThinkPadおじさんには釈迦に説法でしたね。お後がよろしいようで。
