Core i9-9900Kで5GHzをキープ! OCでも安定動作のサイコム×ASRockコラボPCがすごい

Core i9-9900Kで5GHzをキープ! OCでも安定動作のサイコム×ASRockコラボPCがすごい

 仕様を超えるクロックで動作させ、CPUをさらに高速化するのがオーバークロック(OC)。成功すればより高い性能を実現できるが、問題は失敗したときのリスクが大きいこと。動作が不安定になるくらいならまだいいが、最悪壊れてしまう危険すらある禁断の技だ。何が起こっても自己責任となるため、試してみたい気持ちがあってもなかなか手を出せない……という人も少なくないだろう。

G-Master Spear Z390 Taichi OC」は、その名のとおり、最初からOCされた状態で販売されている珍しいモデルだ。搭載しているCPUは「Core i9-9900K」と、元々高速なものなのだが、これを全コア5GHzで動作させるという、なかなか強気な設定となっているのが特長だ。しかも、ASRockとコラボしたなかば公式ともいえるモデルとなるため、OCに不安があるという人でも安心して購入できるだろう。

G-Master Spear Z390 Taichi OCに搭載されているCore i9-9900Kはベースが3.6GHz、ターボブースト時の最大が5GHzという8コア16スレッドのCPUだ。これだけみると、5GHzで動作させるのは仕様の範囲内だと考えてしまいがちだが、実は違う。このターボブースト時の最大動作クロックというのは使用コア数が少ないときの話で、全コア使用する場合は最大4.7GHzにまで落とされてしまうのだ。

 さらにいうと、この4.7GHzという速度も長続きせず、設定された時間を超えるともう一段低い動作クロックとなってしまう場合が多い。短時間ですむなら多少無理をしてでも処理速度を優先するが、長時間負荷が続くのであれば安全な範囲に落として処理を続ける、といった設定になっているのがその理由だ。ベースクロックとしては3.6GHzなので、この数値を下回らない限りは「定格」といえるのだが、なんだか釈然としない話だ。

G-Master Spear Z390 Taichi OCのすごいところは、OC設定で動作を全コア5GHzまで引き上げているだけでなく、長時間動作時でも動作クロックを低下させないようにしているため、最初から最後まで常時5GHzで動作する点だ。負荷の少ない状態でも簡単に5GHz動作となるため、単純にタスクマネージャーでCPUの状態を見ても、5GHzで動作しているのが確認できる。

 もちろん、このOC状態を維持するにはそれだけ特殊な構成が必要だ。とくに重要なCPUクーラーには、簡易水冷クーラーとなる「CORSAIR Hydro Series H100i PRO RGB」を採用。これは120mmファンを2基搭載した冷却性能の高いもので、OC動作させたCore i9を冷やすのにも十分な性能をもっている。

 実際に全コア5GHz動作がどのくらいの性能なのかをみてみよう。テストに使用したのはCPU性能をCGレンダリング性能で測ってくれる「CINEBENCH R15」。マルチスレッドに強いベンチマークとなるため、Core i9-9900Kのように多コアCPUの性能を知るのにぴったりなものとなる。実際のスコアをチェックした。

 常時5GHz動作というのもあり、スコアは2194cbと非常に高いものとなっていた。ちなみに別のマシンとなるが、Core i9-9900Kを標準状態で動作させた場合のスコアはだいたい2050cb前後。このことからも、OCでしっかりと性能が上昇しているのがわかるだろう。

高負荷でも5GHzをキープ

温度もしっかり低くおさえられている

 OCで気になるCPUの発熱を調べてみようと思ったのだが、Core i9-9900KにとってCINEBENCH R15の負荷は軽すぎて、温度が上がりきる前にテストが終わってしまう。そこで非公式とはなるものの、CINEBENCH R15の負荷を4倍に改造したというGuru3Dの「Cinebench R15 Extreme Edition」を6回連続実行し、高負荷時の動作クロックとCPUの温度を「HWiNFO」を使ってチェックしてみた。

 HWiNFOのグラフ表示機能を使って表示したのが上の図だ。上が動作クロックを表しているが、5GHz一定で動作しているというのがわかるだろう。下はCPUのパッケージ温度で、OC状態だというのに最大で約85度におさえられている。簡易水冷クーラーがしっかりと高負荷のかかったOC状態のCPUを冷却できているというのがわかる結果だ。

 OCでは安定動作させるためにCPUに加える電圧を上げたりするのだが、その分発熱が一気に大きくなる。それだけに、高クロックを維持しながらしっかりと温度も低くおさえられているというのは、安心して使える目安となる。無責任に動作クロックを上げているのではなく、ちゃんと実利用も考えられたOCになっているといえるだろう。

 ちなみに、今回テストした機材に搭載されていたビデオカードはG-Master Spear Z390 Taichi OCの標準のもので、GIGABYTEの「GV-N2060OC-6GD」となっていた。NVIDIAの最新となるGeForce RTX 20シリーズのミドルクラスモデルのGeForce RTX 2060を採用したもので、標準では動作クロックが1680MHzとなっているところ、1755MHzへとオーバークロックされたモデルとなる。CPUだけでなくGPUもOCされているわけだ。

 ミドルクラスの製品とはいえ実力は本物。RTコアやTensorコアを搭載し、期待のDXRやDLSSに対応しているのはもちろん、基本的なゲーミング性能も高い。試しに「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチ)を動かしてみたが、高品質設定でフルHD(1920×1080ドット)ならスコア7899の「快適」、2560×1440ドットにしてもスコア5575の「やや快適」、さらに4K(2840×2160ドット)でもスコア3217の「普通」になるなど、かなり高い性能となっていた。

 Core i9-9900Kを超える性能を望むなら、サーバー向けのCPUに手を出すしかないというレベルにまで来てしまっているが、OCモデルの© Kadokawa Corporation 提供G-Master Spear Z390 Taichi OCであれば、この超性能が簡単に手に入る。本来であれば自己責任となるOCも、サイコムとASRockとのコラボによって安全に使えるというのが最大の魅力。とにかく高性能がほしいという人はもちろんだが、十分な冷却性能を備えているマシンだけに、これを機会にOC設定をチャレンジしたいという人にも面白いモデルといえるだろう。

 今回はOCモデルのためおもにCPU性能部分に焦点をあててチェックしたが、次回はもう少し周辺部分も含めた使い勝手の面を中心とした点を見ていきたい。

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