2代目「ロボホン」2月27日発売 “歩行レス”登場の狙いは?
シャープは2月27日、モバイル型ロボット「RoBoHon(ロボホン)」の第2世代モデルを発売する。VoLTE通話もできる「LTE/3Gモデル(SR-03M-Y)」、Wi-Fi(無線LAN)通信に特化した「Wi-Fiモデル(SR-04M-Y)」の他、Wi-Fiモデルから歩行機能と起き上がり機能を省いた「RoBoHon lite(ロボホンライト、SR-05M-Y)」もラインアップに加えた。希望小売価格はLTE/3Gモデルが18万円、Wi-Fiモデルが12万円、RoBoHon liteが7万9000円。全モデルともに2月18日13時からCOCORO STOREで予約を受け付けている。
なお、一部の派生モデルを除き、利用にあたっては「COCORO PLAN(ココロプラン)」(月額980円)への加入が必須となる。
(記事中の価格は全て税別)
●製品の概要
今回発表された3モデルは、モバイル通信機能とそれに付随する機能の有無、歩行・起き上がり機能の有無以外の機能については共通仕様となる。
プロセッサはQualcommの「Snapdragon 430」で、メインメモリは2GB、ストレージは16GBを備える。ディスプレイは約2.6型QVGA(240×320ピクセル)液晶で先代より大型化しているが、身長は「アクセサリーやソリューションの互換性を重視して」(関係者)据え置いている。
カメラは800万画素CMOSセンサーで、レンズを先代より広角とすることで、新機能の「お留守番」(後述)でより便利に使えるようにしている。OSはAndroid 8.1を搭載するが、ロボホンに最適化されたアプリのみ対応する(「LINE」や「radiko」など46種類を用意)。
Wi-Fiは、2.4GHz帯に加えて5GHz帯(IEEE 802.11ac/a)にも対応。電子レンジが稼働している中でも安定して通信できるようになった。Miracastを使った映像投影も可能だ。Bluetooth 4.2にも対応している。
LTE/3Gモデルは、以下の周波数帯(Band)での通信に対応する。
・FD-LTE:Band 1/3/8/19/26
・TD-LTE:Band 41
・W-CDMA:Band 1/6/8/19
LTE通信時はVoLTE通話も可能で、通常のVoLTEよりも少し高音質な「EVS-WB」コーデックにも対応する。連続通話時間はVoLTE利用時が最大400分、W-CDMA利用時が約380分。連続待ち受け時間はLTEネットワークで約220時間、W-CDMAネットワークで約230時間となっている(いずれも静止状態でのメーカー公称値)。
●派生モデル
第2世代ロボホンは先述の3モデルの他、現時点において一般ユーザーが入手できる派生モデルが2つ登場している。
ロボホン lite HEMS(シャープ)
「RoBoHon lite HEMS(ロボホンライトヘムス)」(SR-05ME-Y)は、シャープ自らが発売する派生モデルで、RoBoHon liteをベースにシャープのHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)コントローラーとの連携機能を追加したモデル。価格はオープン設定となっている。
このモデルでは、HEMSコントローラーを介して「ECHONET Lite」に準拠するエアコン、給湯器、電動窓シャッターの音声操作に対応。IoTリモコンを介してテレビ、レコーダーや照明などの音声操作も可能だ(※1)。さらに、同社の太陽光発電・蓄電池システムと連携させると、発電状況などを確認することもできる。これらの機能については、利用開始から3年間はCOCORO PLANを契約しなくても利用できる(※2)。
※1 発売時点ではリンクジャパン製の「eRemote mini」に対応。その他のロボホンでも、3月(予定)にリリースされるアプリを別途インストールすれば対応可能※2 3年経過後は、COCORO PLANに加入すると継続利用できる
ONLYROBO ロボホン プレミアム(ベネフィットジャパン)
「ONLYROBO ロボホン プレミアム(SR-S03BJ)」は、ベネフィットジャパンが販売するオリジナルモデル。LTE/3Gモデルをベースに、ロボホンを操作できるアプリをプリインストールしたAndroidタブレット(Wi-Fi専用)を付属。オリジナルカラーの「ブラウン」をまとい、「自宅にWi-Fi環境がない家庭への導入を想定」(関係者)してテザリングも利用できるようにした。
発売は3月2日を予定しており、販売価格は22万6800円。同社のMVNOサービス「ONLYSIM」のSIMカードとセットで購入した場合に限り、分割払い(36回または60回)での購入も受け付けている。
●新サービスも登場
第2世代の登場に伴い、新しいサービスも登場する。新サービスは第1世代を含む全てのロボホンに対応しており、アプリの追加で利用できるようになる。
お留守番(一部機能は有料)
「お留守番」は、ロボホンが人物を検知すると、指定したメールアドレスに通知を送ってくれる検知時に撮影した写真を添えて機能。
月額300円の有料プランに加入すると、スマートフォンと連携したリアルタイム映像確認も利用できる。専用アプリ(※3)をインストールしたスマホからロボホン(カメラ)の顔振りはもちろん、任意のテキストメッセージをロボホンにしゃべらせることも可能だ。
※3 発売当初はAndroid 4.3以降を搭載するAndroidスマホに対応。iOS(iPhone)対応は2019年4月予定
ヘルスケア(5月開始予定、一部機能は有料)
「ヘルスケア」は、ロボホンに自分の体重や歩数などを伝えると、それに合わせた健康アドバイスをしてくれるサービス。タニタの体組成計と連携すると、計測中にロボホンが話しかけてくれるという。提供開始は5月を予定している。
有料サービス(月額300円)に加入すると、食事アドバイス機能も利用できる。
ボクと歌お(6月開始予定、有料)
「ボクと歌お」は、その名の通りロボホンが歌ってくれるサービス。提供開始は6月を予定しており、「月額500円以下」(説明員)の有料サービスとなる。
従来のロボホンは童謡のみ歌うことができたが(童謡歌唱は引き続き無料)、このサービスを契約すると「話題の歌」「カラオケの人気曲」も歌のレパートリーに加わる。
楽曲コンテンツは、カラオケサービス「JOYSOUND(ジョイサウンド)」を運営するエクシングが提供。音声合成は、HOYAの開発した「歌声合成技術」を採用する。
ロブリック(Webブラウザベースのソフトウェア、有料)
「ロブリック」は、Webベースのロボホン用プログラミングツール。「言語」ではなくブロック状のオブジェクトを組み合わせることで、ロボホンにさまざまな動作をさせられる。表示は日本語の他、英語と中国語にも対応しているので「語学学習にも活用できる」という。
このツールは従来、法人向けに展開していたが「プログラミングの自習用に自宅でも使いたい」といった声があったことから、2月28日から一般ユーザーにもライセンスを販売することになった。販売価格は8900円で、ロボホン購入者のみアクセスできるサイトから購入できる。
なお、RoBoHon liteについては歩行や起き上がりに関する命令には対応しないので注意が必要だ。
●“歩かない”ロボホンは主に「B2B」「B2B2C」狙い
2月18日に行われた発表会では、今後のロボホンの注力分野として「家族利用」と、「教育」「観光」「接客」の3分野における法人利用(B2BやB2B2C)が挙げられた。先述の新サービスは、どちらかというと家族利用を想定したものとなる。
一方で、法人利用を鑑みたときに、従来のロボホンの価格はネックとなりうる。
ロボホンの価格が高い原因の1つとして、歩いたり起き上がったりといったギミックが挙げられる。ギミックは個人や家族には受けは良いかもしれないが、用途によっては必須であるとは限らない。特に法人利用では、ロボホンのコミュニケーション機能と“愛嬌”さえあれば十分というケースもあるだろう。
そこで登場したのがRoBoHon liteだ。RoBoHon liteは歩行・起き上がりに必要な機構を省くことで、LTE/3Gモデルの半額未満の価格を実現。法人向けのソリューションサービスも用意することで、法人が導入しやすい環境を整備した。
シャープによると、初代ロボホンの総販売台数は約1万2000台。そのうち85%がコンシューマー(個人・家族)、15%が法人が購入したものだという。
第2世代は、どこまでロボホンのすそ野を広げられるのだろうか。
