尋ねます その「Pay」とやら 便利なの?
最近、「Pay(ペイ)」の付く決済サービスが増えています。おととい(2月13日)も、メルカリの売上金をそのまま使える決済サービス「メルペイ(Merpay)」がデビューしました。
多くの「Pay」が加盟店側の初期導入コストが少なくてすむ「コード決済」をメインに据える中、メルペイは第1弾として非接触決済(iD)を採用しました。恐らく、普段使いの利便性と加盟店開拓のバランスを取った結果、コンビニエンスストアや大手スーパーを中心に加盟店の多いiDの導入を優先したものと思われます。
しかし、メルペイを含め、はやりの「Pay」(特にコード決済)には、便利に使う上で気を付けないといけないポイントがいくつかあります。
●注意点1:アプリを起動しないと使えない(コード決済の場合)
コード決済の場合、大きく分けて2つの方法で決済を行います。
・ユーザーがアプリでコード(バーコードやQRコード)を表示→店員にスキャンしてもらう
・ユーザーがアプリで店頭のQRコードを読み取り→決済金額を入力
ポイントは「アプリで」というところ。アプリを起動しないと使えないのです。ホーム画面の分かりやすい所にアイコンを配置しておけば良いのでしょうが、ちょっと面倒です。
この点、iPhoneの「Apple Pay」やAndroidスマホの「おサイフケータイ」ならアプリの起動が不要なので便利。Apple Payは認証操作が必要ですが、Touch IDに指を置くかサイドボタンをダブルクリックするだけで、Walletアプリの起動は不要です。
サッと使うには、コード決済は若干不利です。
●注意点2:通信が必要(コード決済の場合)
先述の通り、コード決済は2通りの使い方があります。コードを自分の端末で表示する場合、セキュリティの都合から一定時間(おおむね5分おき)で更新されます。この際、データ通信が必要です。店頭のQRコードを読み取る場合も、そのコードの情報取得や、決済金額のやりとりのためにデータ通信が必要です。
何が言いたいのかというと、コード決済は自分のスマホがオフラインになると使えないのです。何らかの事情でスマホの電波が弱くなったり圏外になったりすると決済できない恐れがあります。当然、自分のスマホがバッテリー切れになった場合も決済できません。
現金や他のカードが入った財布を忘れて、いざ決済するぞとなった時に圏外(または電源が入らない)となったら、激しく焦ってしまうでしょう。
この点、Apple Payやおサイフケータイを使うサービスは、決済を処理する端末さえオンラインであればスマホが圏外でも問題なく使えます。
バッテリー切れの際も、おサイフケータイならスマホのバッテリーが完全放電していなければ決済可能です。一方、Apple Payはバッテリーが切れると非接触決済できなくなりますが、「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」であればバッテリー切れから最大5時間は「エクスプレスカード(認証なしで使える交通系カード)」として指定したSuicaで決済できます。
通信できなかったりバッテリーが切れたりした際に備えて、特にコード決済を使う場合は何らかのバックアップ手段を用意しておくことをお勧めします。
●注意点3:無人(セルフ)レジでは使えないことがある(コード決済の場合)
コード決済の「Pay」は、コンビニエンスストアなどの無人(セルフ)レジでは使えないことがあります。面倒でも、現時点において利用時は有人レジに並ぶ必要があります。
セルフレジのソフトウェアやインフラ面の問題と思われるので、そのうち対応してくれると思いますが……。
●注意点4:登録できる支払い方法が限られる
コード決済やおサイフケータイ、Apple Payを使う「Pay」サービスは、何らかの方法で残高を積み立てる「プリペイド」タイプのサービスと、実際の決済は別の支払い方法で行う「支払い連携」タイプのサービスに二分されます。プリペイドを基本とするサービスでも、残高不足時に備えて支払い連携も利用できる場合があります。
プリペイド残高の積み立て(チャージ)や支払い連携の方法としては「カード払い」と「口座振替」が主……なのですが、利用・登録できるカードや銀行が限られていることが大きな問題です。
カードでのチャージ・連携については、どの「Pay」もJCBブランドのカードに対応していません(※)。JCBブランドのカードしか持っていない場合は、別ブランドのカード(VisaカードまたはMastercard)を用意する必要があります。
例えばNTTドコモの「d払い」は支払い連携タイプで、ドコモ電話料金との合算払い(ドコモ契約者のみ)またはクレジットカード払いを選択できるのですが、JCBブランドのカードで電話料金を支払っている場合は、合算払いを選択できないという徹底ぶりです。筆者は仕方なく別途Visaカードを登録して使っています。
※ 決済を処理するカード会社が直接処理できるJCBカードに限って利用できるようにしているケースもあります(例:PayPayにおけるJCBブランドの「Yahoo!JAPANカード」、楽天PayにおけるJCBブランドの「楽天カード」)
口座振替でのチャージ・連携については対応金融機関が“決め打ち”です。例えば「Origami Pay」は14の金融機関に対応していますが、都市銀行では「みずほ銀行」と「三井住友銀行」にのみ対応しています。
当該の「Pay」で使える金融機関の口座を持っていない場合は、改めて作成する必要があるので注意が必要です。
プリペイドと支払い連携の両方に対応している「Pay」では、残高不足時の挙動にも注意が必要です。サービスによって以下の通り挙動が異なります。
・不足分を連携した支払い方法で充当(またはオートチャージ)
・全額を連携した支払い方法で充当(=残高は使わない)
・支払いを保留→支払い方法を選択する画面が表示される
自分の使う「Pay」がどれに当てはまるのか、しっかりチェックしておきましょう。
●注意点5:使えない店舗がある(非接触決済の場合)
メルペイのように、非接触決済を用いる「Pay」にも注意点があります。
非接触決済の「Pay」は、NTTドコモの「iD(アイディー)」とジェーシービーの「QUICPay+(クイックペイプラス)」を使うものに二分されますが、主に、以下の店舗(加盟店)で利用できません。
・自動販売機
・ガソリンスタンド
・決済時にリアルタイム通信ができない加盟店
なぜ使えないのかというと、非接触決済の「Pay」はオンライン(サーバ)に残高を置くプリペイドカード扱いで決済時に残高照会と引き落としのための通信が必須だからです。非接触決済の「Pay」を上記の店舗で使うと、エラーが出て決済できません。
特に、一番身近な店舗になりうる自動販売機で使えないのは残念です……。上記の店舗では、面倒でも代替の決済手段(現金やクレジットタイプのiD/QUICPayを含む)を用意しましょう。
このように、乱立する「Pay」にはいろいろと注意点がありますが、弱点を知っていればこそ、その強みを存分に生かせます。
自分の生活環境に合わせて、よりおトクになる「Pay」を探してみましょう。
