AQUOS zero 開発者が語る自社製OLED搭載スマホの強み
開発者が語る軽量&高性能の「AQUOS zero」
ゼロから設計を見直した自社製OLED搭載モデル
ソフトバンクが12月上旬以降に発売予定の「AQUOS zero」は、シャープの新たなハイエンドモデルだ。最大の特徴は、大画面6.2型のOLED(有機EL)ディスプレー(1440×2992ピクセル)搭載にもかかわらず、146gという圧倒的な軽さを実現した点だ。ハイエンドSoCのSnapdragon 845や容量3130mAhのバッテリーなどを搭載したハイエンド製品では世界最軽量のモデルとなる。
また、AQUOS zeroはシャープの自社製造による初のOLED(有機EL)採用モデルとしても注目すべきモデルだ。
自社製OLEDパネル採用かつ、ハイエンドで軽量なAQUOS zeroを開発した理由について開発者にインタビューを行なった。
素材から徹底的に見直した
わずか146gの超軽量ボディー
AQUOS zeroの開発については「OLEDの画質はもちろん重要だが、OLED採用によるスマホのデザインや本体構造のありかた、使い勝手までゼロから見直して開発に挑戦した」という。このため、開発コンセプトも現行の「AQUOS R2」シリーズとは異なる「自分が楽しむためのコアガジェット」となっている。大画面で動画やゲームをより快適に楽しみたいというユーザーもターゲットにしたモデルだ。
ゼロからの見直しで生まれたのが「大型のスマホを使い込むユーザーほど、重たく使いにくいスマホを使っている。それを解決したかった」という思いから生まれた、最軽量・薄型のボディーだ。実際、現在主流の画面が6型前後のスマホは200g前後とやや重たい端末が多いが、AQUOS zeroの146gは手にとってモックアップかと思うほどの軽さとなっている。
構成する部材は液晶パネルよりも薄く軽いOLEDパネルのほか、フレームには一般的なアルミニウムよりも軽く強度の優れたマグネシウム合金、背面には強度や耐熱性に優れたアラミド樹脂繊維のパネルを採用している。軽く強度のある素材を採用することで、大型スマホに必要なねじれ耐性などへの強度を確保しながら大幅な軽量化を実現している。
放熱にも手抜かりなし
手に持って熱くならない設計
放熱設計も、近年のAQUOSシリーズと同様に力を入れている。SoCなどの発熱を金属板と放熱シートでマグネシウムフレームに伝えて本体全体で効率よく放熱できる設計だ。これにより、ゲームなど高負荷なアプリを長時間動かす場合でも、処理性能を落とさずに動かし続けやすくなる。
さらにAQUOS zeroでは、ユーザーが手で持つところには熱が伝わりにくいように設計することで、アプリ操作時の不快感を減らしている。縦持ちの場合は、背面を熱伝導率の低いアラミド繊維のパネルが覆っているので手に熱を感じにくい。横持ちだと側面のマグネシウムフレームを指で掴むことになるが、その場合もフレーム側面が凹んだ形状になっており、指で掴みやすいが熱は伝わりづらいという理想的な設計になっている。
また、スマホを充電しながら動画を視聴するユーザー向けに、スマホ内部に2つの電源管理ICを搭載して充電中の発熱を抑える「パラレル充電」にも対応。扱う電流を分けることで発熱を抑えつつ、熱源を分散することで放熱の効率も向上させている。
自社製の強みを生かした
“全部入り”のOLEDパネル
AQUOS zeroに搭載されている自社製OLEDパネルは、前述のとおり6.2型(1440×2992ピクセル)のものだ。明るさに優れるトップエミッション方式で、パネル上部にノッチの切り欠きがあり、パネル全体が曲がっている3D形状を採用。他社のOLEDパネルの特徴をしっかり盛り込んだ「最初からOLEDパネル開発の先頭集団に切り込んだ」と言えるだけの仕様となっている。
中でも、パネル全体が曲がっている3D形状での製造は、他社スマホに見られる画面端だけを曲げるよりも難しく、パネルデバイスの担当に「正気ですか?」と言われながらも実現できたという。
絵作りについては、これまでAQUOSのテレビやスマホで培ってきた液晶向け高画質エンジンの技術をもとに「リッチカラーモバイル feat. OLED」を搭載した。OLEDの100万対1の高コントラストや広色域(DCI-P3 100%)といった特徴を生かしつつ、液晶よりも繊細な制御を必要とするピーキーな特性をうまく調整したという。
OLEDの特徴のひとつ黒が締まるという特性は、電力を加えない画素がまったく発光しないという特性を指す。だが、そのぶん「完全な黒の部分だけがストンと落ちるので、暗所の階調表現をしっかり管理しないと不自然になる」という。また、明るい部分の描写でOLEDの広色域の特性を生かすには明るい部分の階調管理も重要だ。そこで、暗所と明所の階調表現に重みをもたせたほか、色についても明度・彩度・色相を3次元で管理し出力しているという。
色の正確さはプロモニター並み
各所にこだわった究極のコアガジェット
絵作りの部分では、一般的な写真や動画など(SDR)は、従来の発色制御にほどよくOLEDらしい鮮やかさを加えた「AQUOSファンも納得できる画質」に仕上げたという。OLEDでは蛍光っぽい軽い色になりがちなので、そこは注意したとのことだ。HDRムービーに関しては、映像の制作側が輝度や広色域に対応して映像を制作しメタ情報も埋め込んでいるので、それをとにかく忠実に再現できるようセッティングしたという。「色の正確さについてはプロモニター並みと言われるレベル」を実現したとのことだ。
画質以外の面でも、曲面ディスプレーだが正確にタッチ操作を反映できる感度を実現。独自に開発したタッチを連打する機械でテストしても、他社スマホと比べてタッチ操作に対する反応の抜けがなく快適に操作できるという。音質に関してはステレオスピーカー搭載に加えて、Dolby ATMOSにも対応。非対応コンテンツでもサラウンド感が効いた立体的な音を楽しめる。
「OLEDの画質はもちろん、スマホとしての実用性や使い勝手も注目してもらえれば」と開発者が語るAQUOS zero。その高性能かつ圧倒的な軽さは、実際に手に取とれば確実に物欲を刺激される魅力をもっている。発売はソフトバンクから12月上旬以降となるが、最近のスマホがどれも重たいと感じているユーザーは要注目だ。
