東京地下鉄株式会社(東京メトロ)丸ノ内線の新型「2000系」はコンセント・無料Wi-Fi設置、来年2月に登場へ

丸ノ内線の新型「2000系」はコンセント・無料Wi-Fi設置、来年2月に登場へ

東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は10月11日、丸ノ内線の新型車両「2000系」を報道向けに公開しました。この車両には東京メトロで初めて車両内に「サービスコンセント」を搭載します。

2000系は、2019年2月に営業運転を開始。その後順次増備され、現在の主力車両「02系」を置き換えていく予定です。

丸ノ内線は新宿、東京、池袋という3大ターミナルを結ぶ地下鉄路線。1954年に戦後初の地下鉄として開業した、東京メトロの中で2番目に歴史のある路線でもあります。

新型車両2000系のコンセプトは「地上」「活気」「先進的」。外観はラインカラーの赤系色(グローリング・スカーレット)で包んだ鮮やかなデザインに。内装は赤と黒を基調としてシックに仕上がり。「"丸"ノ内線」にちなんで車内外に円のモチーフが取り入れられています。

各車両の優先席横にあった車いすスペースは、「フリースペース」としてリニューアル。物置き台が用意され、2口のACコンセントを備えています。スマートフォンなどを充電するための小容量コンセントとなり、出力は2口合計で100V/3A。乗客が自由に使えます。

東京メトロで車両設計を担当する荻野智久氏(車両部設計課 課長)は、車両にコンセントが設置された経緯を「きっかけは若手社員のアイデアだった」と紹介。車内設計以外の社内の部署に広くアイデアを募集したところ、「スマートフォンの充電が心配」という若手社員がコンセントの設置を提案したといいます。

「緊急時に携帯電話を少しでも多く充電したいという声に応えて、試験的に導入するもの。我々としても初めて試みで占有されないかといった心配もあるが、譲り合ってご利用いただければ」(荻野氏)としています。

東京メトロが導入を進めている車両内Wi-Fiは、丸ノ内線では2000系の投入にあわせてサービス開始となります。訪日旅行者向けの「TRAVEL JAPAN Wi-FI」のほか、SNSアカウントなどを登録して無料で利用できる「Metro_Free_Wi-Fi」も提供されます。

このほか、ドア上の情報ディスプレイは銀座線の1000系に導入されているものと同じ、3画面のワイド型になり、路線の情報は4カ国語で表示されます。また、防犯対策として車内カメラも導入されています。

車両情報の取得装置も刷新

2000系ではデザインの更新だけでなく、安全性や走行性の向上なども図られています。その中で、車内情報を取得する設備「TIS」は大幅な更新が計られています。

「TIS」は、車両の加速度、温湿度、空調の設定などを取得し、地上のシステムにリアルタイムで送信する仕組み。今回車両内のケーブルが100Mbps相当のイーサネット回線となり、地上設備との通信にはWiMAX 2+を活用。従来型の車両より多くの情報を取得できるようになっています。

新型のTISは現段階では実証実験として、乗務員向けの車両の故障情報を通知するといった活用にとどまっていますが、将来的に技術開発が進めば、JR東日本の「山手線トレインネット」のように、車両ごとの混雑度や温度などをアプリで表示する仕組みを展開する可能性もあるとしています。

東京メトロはすでに列車の現在位置を表示できる公式アプリを提供しています。また、全車両の位置情報をオープンデータとして公開しアプリコンテストを開催するなど、データ活用では先進的な取り組みも行っているところ。

今回のTISシステム刷新も、より便利になるサービスの登場につながると期待したいところです。

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