スマホから操作「IoT宅配ポスト」発売、複数個の受け取りも可能に

スマホから操作「IoT宅配ポスト」発売 複数個の受け取りも可能に

 LIXILは10月1日、郵便受けと宅配ボックス、インターホンなどを一体化させた、一戸建て住宅向け「スマート宅配ポスト」を発売する。1日に複数の荷物を受け取る機能や、集荷依頼の機能を備える。再配達される荷物の増加や宅配事業者の人手不足など、宅配を巡る課題に対応できる製品として普及を目指す。2020年度に売り上げ15億円、約2万台の販売目標を掲げる。

●一戸建ての宅配ボックス普及率は1%未満

 近年、インターネット通販の普及で宅配荷物は増える傾向にあるが、共働き世帯の増加などによって昼間に不在の家庭が増え、約2割が再配達になっているという。宅配事業者のドライバー不足などの問題もあり、集合住宅を中心に宅配ボックスの普及が進んでいる。

 一方、LIXILによると、一戸建て住宅の宅配ボックス普及率は1%未満。今後の市場拡大が見込まれている。

 10月に発売するスマート宅配ポストは、表札、インターホン、郵便ポスト、宅配ボックスの機能が1つにまとまっている。カメラやタッチパネルによって宅配事業者などの来訪を認識し、荷物が投函されるとスマートフォンに通知される。

●複数個の受け取りと集荷依頼の機能も

 機能の大きな特長が、1日に複数の荷物を受け取れることと、集荷依頼に対応できることだ。LIXILの調査によると、宅配ボックス設置の意向がある人のうち、約50%が1日に複数回の受け取りの経験があり、約30%が宅配ボックスで「集荷」「返品」をしたいと回答したという。

 複数の荷物を受け取るには、ユーザーがスマホを通じてリアルタイムで応対する必要がある。宅配事業者が配達に来た際、すでに荷物が入っている場合、タッチパネル操作でユーザーのスマホを呼び出す。ユーザーはカメラを通じて宅配事業者の姿を確認し、音声で応対してアプリ操作で解錠する。

 集荷を依頼したい場合は、まずはユーザーが荷物をボックスに入れて施錠。すると集荷待ち状態になる。その後、集荷用パスワードをアプリ上で設定し、宅配事業者に通知。宅配事業者は通知されたパスワードで解錠し、荷物を回収する。集荷待ち状態だと、新たに配達される荷物を受け取ることはできない。

 宅配ボックス部分は、2リットルのペットボトル6本入りの箱が2箱収まるほどの容量を備える。一方、内蔵カメラは従来の屋外用カメラよりも70%小型化した。多機能を備え、大容量の空間を確保しているが、シンプルでスマートなデザインを目指した。

●普及に向けて「実証プロジェクト」も

 スマート宅配ポストは、LIXILが提供するホームネットワークシステムに接続することで使用できる。このシステムでは、ポストのほか、屋内・屋外カメラなどの機器をスマホで操作することが可能になる。今後はクラウドサービスによって、外部とのサービス連携も視野に入れている。

 9月26日に開催した発表会で、LIXIL Housing Technology Japan エクステリア事業部長の庵原岳史氏は「一戸建て住宅の宅配ボックス普及は急務。もっと簡易な機能の商品も含め、フルラインアップをそろえて販売台数を増やしていきたい」と話した。2019年には、自治体や企業と連携して、住宅にスマート宅配ポストを設置する実証プロジェクトを実施する。物流業界の問題改善や新しいサービスの開発などを目指す方針だ。

 スマート宅配ポストの参考価格(税別)は、宅配ボックス、ポスト、インターホンの機能を集約した「ファンクション仕様」のセット価格が26万6000円、宅配ボックス機能に特化した「ポール建て仕様」が19万8000円、玄関ポーチなどにも設置できる「据置仕様」が17万8000円。カラーは本体3色、フレーム6色を用意し、計18種類の組み合わせで提供する。

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