メルカリの“いいね禁止”はなぜ? 「謎ローカルルール」を解説
フリマアプリ「メルカリ」が人気だ。自分の不用品を簡単に売ることができ、また逆に中古品も簡単に買えるところが魅力。だが一方で、取引の中で思わぬトラブルに見舞われることもあるのでは。今回はそんなトラブルを防ぐ方法を、ネットオークション・ネットフリマアドバイザーの川崎さちえさんに聞いた。
取引にはトラブルも付きまとう。AERAネットアンケートでも、読者から「服に穴が開いていた」「本に落書きされていた」といった声が寄せられた。逆に、自分が出品した商品にクレームがつく場合もある。
2年ほど前から月に2~3品をメルカリで出品している都内の団体職員女性(31)は今年の春、出品したジャケットにほつれがあったとして、購入者から返品を希望された。
「機能にも見栄えにも影響なさそうな小さなものでした。最初は『中古品なので』と返信したのですが、かなり強い言葉で再度抗議されて……。怖かったので、返品に応じました」
以来、出品時に「中古品なので完璧を求める方はご遠慮ください」とことわっている。
川崎さんはトラブルを防ぐために、次の2点を指南する。「出品するときは小さな傷や汚れも誠実に説明文に書いておくことです。“このくらい大丈夫だろう”はトラブルの元。多少オーバーなくらい書いておけば安心です。逆に自分が買う側なら、出品者の評価をチェックしてみましょう」
メルカリでは取引が終わると、相手を「よい」「普通」「悪い」の3段階で評価する。特に問題がなければ「よい」が付くのが一般的だ。
「『普通』や『悪い』の評価が多くないか、多いならどんなコメントが付けられているかチェックして、怪しいと思う出品者は避けるのが無難です」
メルカリでは、運営側が定めた公式ルールのほかに、一部の利用者間で使われる「ローカルルール」が多数存在する。どれも、誰かが使い始めて自然に広まったものだ。
本来誰でも購入できるはずの商品を「◯◯様専用」とする「専用出品」など、代表的なものを以下にまとめた。
●メルカリでみられる「ローカルルール」
・○○様専用
「その人以外買っちゃダメ」という意味。コメント欄でのやりとりで特定の人と購入の合意ができたとき、商品名の欄などに記載する。その人以外は購入しないのがマナーだが、利用規約上の効力はないので第三者に購入される(「横取り」と言われる)ことも。
・即購入不可
「購入前にコメント欄で購入意思を伝えてください」という意味。評価の低い購入者に売りたくない出品者や、別のフリマアプリなどにも同時出品していて「在庫切れ」を避けたい出品者が記載する。対義語として「即購入OK」と記載している人も。
・◯◯様確認用
商品名が「◯◯様確認用」などとなっている出品で、金額は超高額になっていることが多い。メルカリでは出品物に写真を4枚までしか付けられないが、「〇〇の状態を詳しく見せてほしい」などと頼まれ、5枚以上載せるために出品者が別の商品として登録したもの。
・プロフ必読
アカウント名に「プロフ必読」と書かれていたり、商品説明に記載されたりする。「ローカルルール・マイルールをプロフィール欄に書いているから、読んでから買ってね」という意味。読まずに買うとキャンセルを求められることもある。
・いいね!禁止
気になった商品をチェックしておく「いいね!」機能を「禁止」する出品者がいる。最も多いのは「購入意思のないいいね!禁止」というもの。「買う気もないのにいいね!されると値下げや再出品のタイミングがわからずに困る」のが理由という。
・コメント逃げブロック
「コメント欄での質問に回答したのに、その後反応がない人はブロックします」という意味。「買う気がないならコメントするな!」「答えてやったんだから礼を言え!」という意識らしい。「上から目線で面倒な出品者だと思ってしまう」(30代・女性)など評判は悪い。
これ以外にも「男性の購入禁止」「悪い評価がひとつでもある人は購入禁止」といった例がある。「男性禁止」は、女性用の水着などに付けられることが多いが、なかには「かつて男性の購入者とトラブルになった」といった理由で一律に男性禁止と記載している利用者もいる。
相手の「ルール」に気づかずに取引を進めるとどうなるのか。前出の会社員男性は、相手がプロフィールに書いていた「即購入不可」というルールを見逃して、購入手続きをしてしまったことがある。
「マックのキーボードが手頃な値段だったので購入したのですが、すぐに取引メッセージで“プロフィールは読みましたか?”と連絡が来ました。“見ていない”と返信すると、“うちは即購入禁止です。発送しませんのでキャンセルしてください”と言われてしまいました」
川崎さんは言う。
「公式ルールでは購入した人に商品を発送する決まりですが、ローカルルールを無視して相手を怒らせても取引がうまくいかなかったり、『悪い』評価をつけられたりといいことがありません。少し面倒ですが、購入する前に、商品説明はもちろん、出品者のプロフィールもよく読むようにしましょう。自分のプロフィール欄にも、代表的なローカルルールへの対応を書いておくとスムーズです」
川崎さん自身、プロフィール欄には「即購入OK」「値段交渉中でも先に購入した方に販売します」「発送は週末のみ」「コメントが遅くなります」など、自分の意思や取引上の注意点を記載しているという。
