北海道胆振地方を震源とする地震、震度7主要活断層帯を刺激する恐れも

北海道震度7主要活断層帯を刺激する恐れも

 政府の地震調査委員会は6日、臨時会合を開き、北海道厚真町で震度7を観測した地震は、震源の西約10キロにある主要活断層帯「石狩低地東縁断層帯」で発生したものではないとの見解をまとめた。別の断層が最長で南北約30キロにわたってずれ動いたとみられるという。今回の地震が同断層帯の地震を引き起こす可能性も否定できないとして、警戒を呼びかけている。

 調査委によると、同断層帯は深くても地下20キロ程度までしか延びていない。今回の震源は深さ約37キロとそれよりかなり深く、調査委は今回の地震が同断層帯と離れていると判断した。ただ、周辺では今回の影響で地震が起きやすくなったとみられる場所もあるという。

 今回の地震は、片方の岩盤がもう片方に乗り上げる「逆断層型」。震源付近の北海道の中央南部では、東西から押し合う力がかかっていて、逆断層型の断層が生まれやすくなっている。

 委員長の平田直(なおし)・東京大教授は会合後の記者会見で「(知られている)活断層だけに注意するのではなく、どこで地震が起きてもおかしくないと考えてほしい」と話した。

 同断層帯は「主部」と「南部」に分けられる。主部の長さは約66キロで、想定される最大マグニチュード(M)は7.9。南部は長さ54キロ以上あり、最大Mは7.7以上。政府の地震調査研究推進本部は、今後30年の発生確率を主部で「ほぼ0%」、南部で「0.2%以下」と想定している。

 名古屋大の鈴木康弘教授(変動地形学)は「今回動いた所は石狩低地東縁断層帯に付随してできた別の断層ではないか。地下では想定以上に複雑なことが起こっていると考えられ、断層帯と『関係がない』とまでは言えない」と話した。

 地震波形を分析した東京大の古村(ふるむら)孝志教授(地震学)によると、大きな揺れが3~4秒間隔で約3回、記録されていた。大きな断層のずれが複数回起こることで、比較的長く、強い揺れが続いたとみられるという。

 一方、北海道では千島海溝のプレート境界で発生するM9級の巨大地震も懸念されているが、今回は内陸の地殻内で起きたため、気象庁は「直接の関係はない」とみている。

 また、防災科学技術研究所は厚真町の西隣にある安平(あびら)町の観測点で、1505ガルの加速度を記録。2016年の熊本地震で益城町で記録した1362ガルを上回った。【池田知広】

【更新終了】北海道で震度7 9/6の時系列まとめ

2018年9月6日午前3時8分ごろ、北海道胆振地方を震源とする地震があり、震度7を観測しました。朝日新聞デジタルの記事やTwitterの情報を元に、タイムライン形式(時系列)で情報をまとめています。
(見出しの時間は記事の配信時間です)

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災害INFO(朝日新聞デジタル)

【18時28分】道内349病院が停電、自家発電で対応 断水は62病院

厚生労働省によると、6日午後3時現在、北海道内では札幌市など33市町村3万255戸で断水が発生している。石狩市や江別市など7市町は調査中。62病院で水が使えなくなっている。停電は349病院で起きており、34の全災害拠点病院が自家発電機で対応している。緊急に転院を必要とする状況は生じていないという。

【18時02分】東京消防庁、救助部隊100人を派遣へ

東京消防庁は6日、救助活動などにあたる計26隊約100人を現地に派遣すると発表した。同庁からはすでに8人を乗せた消防ヘリ1機が現地入りしている。追加の部隊は同日午後7時45分ごろ、茨城県の大洗港からフェリーで現地に向かう予定という。

【17時49分】正式名称は「平成30年北海道胆振東部地震」

気象庁は、北海道で最大震度7を観測した地震を、「平成30年北海道胆振東部地震」と名付け、発表した。

【16時39分記事】7人死亡、安否不明者数は見えず 政府発表

あちこちで山肌が崩れ、土砂が道路や建物を覆っていた=2018年9月6日午前10時57分、北海道厚真町、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影

菅義偉官房長官は6日午後4時過ぎの記者会見で、道内の7人が死亡したと発表した。内訳は厚真(あつま)町4人、札幌市1人、むかわ町1人、新ひだか町1人。安否不明者数については「掌握していない」とした。

【16時38分】札幌市の断水エリアと給水所一覧 市水道局がHPに掲載

「停電が長引くかもしれないから」。不安げな表情で給水を受ける市民=2018年9月6日、北海道函館市、阿部浩明撮影

【16時05分】「バターサンド」の六花亭製菓、停電で工場稼働を中止

「マルセイバターサンド」などの土産品で人気の帯広市の菓子メーカー「六花亭製菓」は、停電の影響で工場の稼働を中止している。店舗も休業しているところがあるという。

【15時49分】日経平均、5営業日連続で下落 北海道地震が影響

6日の東京株式市場では、日経平均株価が5営業日連続で下落した。終値は前日より92円89銭(0・41%)安い2万2487円94銭。東証1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は12・55ポイント(0・74%)低い1692・41。出来高は12億8千万株。6日未明に発生した北海道南西部の地震が投資家心理を悪化させ、日経平均は一時160円超下がった。

【15時40分】厚真町は震度7 北海道内で史上初の観測

土砂崩れが起きた北海道厚真町の富里地区=海上保安庁提供

気象庁は震度データが得られていなかった北海道厚真町で震度7を観測していたと発表した。北海道で震度7を観測したのは史上初めて。他に新たに震度が判明したのは、むかわ町で6強、日高町と平取町で6弱、新冠町と新ひだか町で5強。

【15時23分】札幌は都市機能まひ、渋滞にクラクション

大型の商業施設の前には長い人の列ができていた=2018年9月6日午前11時17分、札幌市清田区、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影

札幌市内は全域が停電しており、都市機能がマヒ状態に陥っている。警察官がいない交差点では、車が一時停止をしながら交差点に進入し、交互に譲り合いながら走っていた。市内では渋滞が発生している。車同士が出合い頭に衝突しそうになりクラクションを鳴らしあう光景もみられた。

【14時02分】北海道電力社長が会見「復旧に1週間以上」

【13時32分】「地震で市内全域断水」はデマ 札幌市水道局が注意促す

「札幌市内全域が断水している」との情報がSNSを中心にネット上を駆け巡っている。朝日新聞が同市水道局に取材したところ、断水は震源地に近い同市清田区、厚別区の一部、約1万4700世帯で起きているが、市内全域とのネット情報は誤りだという。対象地域以外で水道が出ない原因は、停電でポンプが停止していることなどが考えられる。その場合は市内に設けられた応急給水拠点を利用してほしいという。

【13時13分】泊原発、非常用電源で対応 異常確認されず

原子力規制委員会によると、北海道電力泊原発1~3号機(北海道泊村)の外部電源が喪失した。正午過ぎに3号機への電気供給が復旧した。3基はいずれも運転停止中で、原子炉内に核燃料はなかった。1、2号機は4台の非常用ディーゼル発電機を起動して電気を供給し、使用済み燃料プールにある核燃料の冷却を続けている。発電機の燃料は、少なくとも7日分は確保されているという。泊原発から震源地は100キロほど離れている。原発の安全にかかわる機器や、所内の放射線量を測るモニタリングポストの数値に異常はないという。

【13時04分】2人死亡、重傷3人 避難者は2400人超

日用品や食料品を求め、ドラッグストアには行列ができていた=2018年9月6日午前11時41分、札幌市清田区、北村玲奈撮影

総務省消防庁によると、北海道胆振地方を震源とする地震による死者が6日午前11時55分現在、むかわ町で1人、新ひだか町で1人確認された。重傷は苫小牧市で2人、北広島市で1人。軽傷は千歳、恵庭、北広島、石狩、日高、函館、栗山、由仁の8市町で22人。このほか程度不明の負傷者が札幌、厚真、江別の3市町で98人、安否確認中が厚真町で30人。午前11時時点の避難指示(緊急)は、安平町で14世帯18人。避難所は厚真町や札幌市などの333カ所で開設しており、2463人が避難しているという。

【13時03分】震源近くでは6~8日に降雨予想 倒壊や土砂災害に注意

気象庁は5日午前10時半から、この日2度目の緊急会見を開いた。最初の激しい揺れ以降、午前10時までに震度1以上を観測した地震は44回発生。最大震度4も2回あった。同庁は活発な地震活動が続いているとし、家屋の倒壊や土砂災害に十分注意するよう呼びかけた。胆振地方では6日午後から8日にかけて降雨も予想されており、「地震ですでに土砂災害が発生しているが、雨でさらに崩れやすさが増す。自治体からの情報と我々の注意喚起に留意して十分注意してほしい」とした。

【12時46分】北海道の全域停電「完全復旧まで1週間以上」 経産相

世耕弘成経済産業相は6日午前、運転停止した北海道電力の最大の火力発電所である苫東厚真火力発電所が運転を再開するのに、少なくとも1週間ほどかかる見通しを明らかにした。他の火力発電所を動かすなどするが、ピーク時の電力需要は満たせないため、「北海道全域が完全に復旧するまでには少なくとも一週間以上かかる見通し」と話した。

【12時01分】20m流された実家、連絡取れぬ両親 厚真で30人不明

山肌が大きく崩れていた=2018年9月6日午前7時34分、北海道厚真町、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影

30人を超える住民の安否が分からない北海道厚真(あつま)町。同町朝日では、土砂崩れで数十メートルにわたって茶色い山肌がむき出しになった。倒木がふもとの民家を巻き込み、倒れた電柱から電線がたれさがっている。江別市から駆けつけた道庁職員畑島久雄さん(54)が、壊れた家から20メートルほど離れた路上にいた。実家の父武司さん(86)と母富子さん(81)と連絡が取れていない。「1階の山側に寝室があって、両親は普段そこで寝ている。とにかく救助を頑張って欲しい」と言葉少なに話した。

【11時49分】消えた信号、駅は閉鎖 旅行者「本州に出られる港どこ」

札幌駅のコンコースには、スーツケースを抱えて座り込む旅行者の姿があちこちで見られた。長野県松本市の大学生の女性(21)は札幌から小樽に向かい、フェリーで本州に戻る予定だった。「バスも混んでいるし、本州に出られる港を探し、最悪タクシーで向かうことになるかもしれない」と話す。勤続30年の記念旅行で北海道めぐりをしていた宇都宮市の会社員の女性(51)は函館経由で北海道新幹線を使い、帰宅しようとした矢先だった。「とりあえず家族に無事を伝えられた。どうやって帰ったらいいのか」と頭を抱えた。

【11時08分】高速で崩れる流動地すべりか、台風影響も

北海道の内陸部は一般的に、東西から押され、中央部に日高山脈が形成されている。気象庁によると、今回の地震も東西から押される力でずれ動く「逆断層型」だったとみている。今回の震源の近くには、活断層の「石狩低地東縁断層帯」が南北に走るが、気象庁は「距離は離れており、関係性はわからない」としている。厚真町の土砂崩れについて、京都大防災研究所の釜井俊孝教授(応用地質学)は「火山灰に含まれる軽石が引き金になったのでは」と指摘する。軽石は水を含みやすく、地震の揺れによって高速で崩れる「流動地すべり」になったとみられるという。台風21号による降雨も影響した可能性もある。

【11時03分】サッカー日本代表戦、札幌開催可否は午後6時までに決定

日本サッカー協会は6日午前、北海道で最大震度6強を観測した地震を受け、日本代表とチリ代表との国際親善試合(7日、札幌ドーム)について、6日午後6時までに開催の可否を判断すると発表した。すでに札幌入りしている両チームの無事は確認できたという。

【10時55分】震度5強の札幌市北区、救急車の要請20件

停電のため表示が消えた信号機=6日午前5時14分、札幌市中央区、豊間根功智撮影

震度5強を観測した札幌市北区。区役所によると、庁舎や周辺の建物で目立った被害は確認できていないが、6日午前5時現在で救急車の要請が20件あった。また、明け方前から近隣住民が避難してきたため、ロビーを開放している。近隣の集合住宅では水が出ていないといい、トイレを利用するために訪れる人もいるという。周辺の商店街やコンビニの電気、信号は消えており、警察官が交通整理をしている。

【10時54分】トヨタ北海道、稼働を停止

トヨタ自動車によると、変速機をつくるトヨタ自動車北海道(北海道苫小牧市)は6日朝から操業を見合わせている。建物や設備への被害を確認中で、再開できるかどうかの判断は午後以降になる見通し。トヨタ北海道は変速機やハイブリッド車部品などの生産拠点。東北や東海、九州をはじめとする国内外のトヨタ工場に部品を供給している。稼働停止が長引けば、自動車生産に影響が出る可能性もある。

【10時35分】道内の工場や物流、各地でストップ

火災が起きた三菱製鋼室蘭特殊鋼=2018年9月6日午前5時20分、北海道室蘭市仲町、三上修撮影

三菱製鋼によると、北海道室蘭市の新日鉄住金室蘭製鉄所の構内にある子会社「三菱製鋼室蘭特殊鋼」の工場で6日午前4時ごろ、火災が起きた。火災はごく小規模といい、午前6時ごろには鎮火したという。従業員にケガはなかった。工場は一時操業を止めた。

【10時31分】心肺停止1人、けが人多数 家屋倒壊23件

周辺の山一帯が土砂崩れを起こし、山肌が露出していた=2018年9月6日午前7時21分、北海道厚真町、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影

総務省消防庁によると、北海道胆振地方を震源とする地震で6日午前8時40分現在、苫小牧市で心肺停止した人が1人、重傷者が1人いることを確認。土砂崩れが起きた厚真町で11人の安否確認をしているほか、むかわ町で軽傷4人、札幌市で軽傷20人、南空知消防本部管内で軽傷3人。家屋倒壊は厚真町で17件。安平町で3件、むかわ町で2件、苫小牧市で1件起きており、さらに増える見込み。室蘭市の石油コンビナート施設で火災が1件発生したが、鎮圧した。避難者は厚真町と札幌市などで333人。

【10時23分】道内の百貨店、臨時休業 停電などで従業員出社できず

北海道内にある百貨店も臨時休業が決まった。三越伊勢丹ホールディングスは6日、三越札幌店や傘下の丸井今井札幌本店、函館丸井今井の3店を休業する。建物が崩れるなどの被害はないが、停電や交通機関の混乱で従業員が出社できないため。大丸札幌店やさっぽろ東急百貨店も、同様の理由でそれぞれ休業するという。

【10時22分】新千歳空港、6日は全便欠航 国内線・国際線ともに

地震の影響で、運航を停止している新千歳空港=2018年9月6日午前8時1分、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影

新千歳空港の6日の発着便は、国内線、国際線とも全便欠航となった。旅客ターミナルビル内で壁の損壊や水漏れが複数確認されたため。国土交通省新千歳空港事務所によると、滑走路や管制塔の設備に異常は確認されていない。地震発生後、同ビル内のホテルなどの利用客は従業員や警備員の誘導で1階に避難した。国土交通省によると、新千歳空港を除く道内の空港は使える状態で、全日空は函館や稚内を発着する便を通常通り運航する予定という。

【10時22分】北海道全域の停電「午前中に復旧のメドを」経産相が指示

北海道での大規模停電を受け、世耕弘成経済産業相は6日午前、北海道電力に対し午前中をメドに復旧のメドを立てるよう指示した。また、同社の泊原発(北海道泊村)では非常用ディーゼル発電機で燃料プールにある使用済み核燃料の冷却を続けている、という。世耕氏は同日午前、経産省内で記者団に「北海道電力は何時間以内に復旧できると明確にできていないが、経産省としては数時間以内に電力復旧のめどを立てるよう指示した」と述べた。北海道電力は「できるだけ早く(やりたい)」と答えたという。

【9時45分】サッポロビール北海道工場、製造停止

サッポロビールの北海道工場(北海道恵庭市)は停電のため製造ラインを停止。出荷も見合わせている。工場見学も中止。サッポロビール博物館(札幌市東区)では6日休業し、再開時期は未定という。キリンビールの千歳工場(千歳市)も一般客の見学を中止している。

【9時43分】北海道新幹線、地震で全線運転見合わせ

北海道新幹線は6日始発から、新青森―新函館北斗駅間の全線で運転を見合わせた。JR北海道などによると、青函トンネルなどの新幹線設備に異常はなかったが、停電が続いているためという。東北新幹線は北海道新幹線への直通運転をとりやめ、新青森駅での折り返し運転を続けた。

【9時41分】道内9町の一部で固定電話が不通 携帯もつながりにくく

NTT東日本によると、北海道胆振地方を震源とする地震の影響で、道内の9町(厚真、むかわ、平取、日高、新冠、新ひだか、浦河、様似、えりも)の一部で、アナログの固定電話が約2万4千回線、光回線を使った「ひかり電話」が約1万回線、利用できなくなっている。また、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話も、道内の一部でつながりづらくなっているという。

【9時38分】厚真の土砂崩れ、自衛隊が住民ら5人救助

地震で山肌が崩れ、巻き込まれた住宅=2018年9月6日午前7時53分、北海道厚真町、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影

厚真町の土砂崩れ現場で活動中の自衛隊が住民ら5人を救助した。山本朋広防衛副大臣が明らかにした。容体などは不明という。午前6時に北海道知事から災害派遣要請を受け、隊員4千人を被害の大きい厚真町を中心に派遣を開始。最終的に全国から隊員を集め、2万5千人規模で救助や支援にあたる方針。

【8時21分】北海道の全戸停電、復旧めど立たず

厚真町などで多数の家屋の倒壊や土砂崩れが発生し、生き埋めの人がいる模様だ。北海道電力によると、道内のすべての火力発電所が停止し、道内全戸の約295万戸が停電している。

【6時26分】厚真町で生き埋め情報、10棟が倒壊

地震で山肌が崩れ、土砂に巻き込まれた住宅=2018年9月6日午前7時20分、北海道厚真町、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影

地震で山肌が崩れ住宅が土砂に巻き込まれていた=2018年9月6日午前7時18分、北海道厚真町、山本壮一郎撮影、朝日新聞社機から
北海道厚真町消防に入った情報によると、町内で10棟が倒壊しており、生き埋めになっている。人数は不明。同町の吉野地区で土砂崩れが発生している。

【6時13分】安倍首相「人命第一で政府一丸となって対応」

北海道で発生した地震を受け、取材に応じる安倍晋三首相=2018年9月6日午前5時49分、首相官邸、岩下毅撮影

北海道胆振地方を震源とする震度6強を観測する地震が発生したことを受け、安倍晋三首相は6日午前5時49分、首相官邸に出邸し、記者団に「心肺停止、土砂崩れ、家屋の倒壊、大規模な停電が発生し、被害が出ているという報告を受けている。人命第一で、政府一丸となって災害応急対応にあたる。危機管理のためしっかりと対応していきたい」と語った。

【5時58分】北海道内全域で295万戸停電

日未明に起きた地震で、北海道電力によると、道内全域の全295万戸で停電している。北電によると、大きな被害が出ている北海道厚真町の苫東厚真発電所(石炭火力)がダウンし、電力の需給バランスが崩れ、ほかの火力発電所などが連鎖的にストップしたという。復旧のめどは立っていない。北電は水力発電所を立ち上げ、電力供給の再開を急いでいる。

【5時52分】厚真町で多数の住宅倒壊 道路寸断も

厚真町役場によると、14軒がある吉野地区で多数の住宅が倒壊したという情報があり、職員が現地に向かっている。胆振東部消防組合(厚真町)によると、午前5時半現在、民家が倒壊しているという情報が厚真町美里や本郷、東和などで6件、土砂崩れによる民家倒壊の情報が厚真町吉野などで3件あるという。道路が液状化で寸断されている場所があり、救助にいけない場所もあるという。停電が続く中、119番通報が相次いでいる。

【4時26分】泊原発、非常用電源で対応 異常確認されず

原子力規制委員会や北海道電力によると、6日未明に北海道で発生した地震により、北海道電力泊原発(北海道泊村)の外部電源が喪失した。ただ、1~3号機は再稼働に向けた規制委の審査中で運転を停止しており、原子炉内に核燃料はない。非常用ディーゼル発電機により、燃料プールにある使用済み核燃料の冷却は継続している。6日午前4時現在、異常は確認されていないという。ディーゼル発電機の燃料は、少なくとも7日分は確保されているという。

【4時08分】役場職員「食器が散乱、タンス倒れた」

安平町役場によると、午前3時半現在、被害状況の把握を進めている最中だという。職員の一人は「自宅で就寝中に大きな揺れで目が覚めた。自宅は停電して、棚の食器は外に散乱し、タンスが倒れている状況」という。同町東早来にある陸上自衛隊早来駐屯地の当直担当者は「グラ、グラ、グラと揺れたと思ったら、テレビが落ちたり、ベッドがずれたりした。施設や人的の被害は確認していない」と話した。

【3時08分】北海道で震度6強

各地の主な震度(朝日新聞デジタル)

北海道胆振地方を震源とする地震があり、震度6強を観測した。気象庁などによると、震源の深さは約37キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6・7と推定される。

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北海道で計画停電を検討 10日開始も、1回2時間ほど

 6日未明の地震によって北海道で相次いだ発電所の停止を踏まえ、政府は道内での計画停電の検討に入ったことを明らかにした。地域と時間を事前に決めておく停電で、需給が厳しくなれば週明け10日にも踏み切るという。実施されれば、東日本大震災直後の2011年3月に首都圏で行われて以来となる。

 地震による停電は一時、道内ほぼ全域の295万戸に及んだ。政府は、老朽発電所の再稼働などによって週末の8日中にいったん停電をほぼ解消できる、との見通しを示した。ただ、ピークをまかなうことは難しいとして、8日から1割程度の節電を道民や企業に要請する。数値目標付きの節電要請は13年冬に北電が行って以来だ。

 工場や企業が本格的に動き需要が増える週明けになって、節電がうまくいかなかったり、発電所が故障したりした場合には、計画停電に踏み切る可能性があるという。1回2時間ほどを想定し、準備する。

 世耕弘成経済産業相は「計画停電は極力回避をしたいので、道民のみなさまには最大限の節電へのご協力を改めてお願いしたい」と呼びかけた。

 北海道庁によると、7日午後10時までに停電が解消したのは218万戸。一時停電した295万戸の7割超にあたる。

ボランティア「今は待って」 現地のニーズ、まだ不明

■被災地支援 北海道地震

 北海道地震が起きてから、8日は初の週末となる。ボランティアの受け入れ状況はどうなっているのか――。

 各地の災害ボランティアセンターの状況をまとめている全国社会福祉協議会(東京)の担当者は、「停電復旧の見通しが立たず電話も通じにくい状況。現地にどんなニーズがあるか分からない」と話す。余震も懸念されるなか、現時点で被災地に行くのは控えた方がいいとしている。

 全国社協は被災自治体の受け入れ態勢が整い次第、ホームページで災害ボランティアセンターの設置状況を公表する予定だ。「志のある人は、情報を待って参加してほしい」と呼びかけている。

個人の物資支援、控えて 義援金やふるさと納税活用を

■被災地支援 北海道地震

 物が足りない被災地に、物資を送りたい――。支援団体は、個人で自治体や避難所に送ることは原則的に控えるべきだ、と言う。では、どうすればいいのか。

 各地の災害被災地を支援するNPO法人「レスキューストックヤード」の担当者は「ニーズの分かる親戚や知人など個人的なつながりで物資を送る以外は、無駄になる恐れがある」と話す。

 被災地では、道路の寸断などにより供給ルートが断たれることで、物資の不足が起きる。インフラが復旧しなければ、個人で物資を送っても被災者には届かない。

 また、現地のニーズと支援物資のミスマッチが起きる可能性もある。テレビなどで被災者が「毛布が足りない」などと訴えていても、到着する頃に十分な数が行き渡っていれば、被災地で不良在庫となり、最終的には税金で処分することになりかねないという。

 ただ、自治体によっては、個人からの支援物資を受け付ける場合もあり、ホームページで確認が必要だ。

 レスキューストックヤードの担当者は「物ではなく、お金を送る方法もある」と言い、支援団体が集めている義援金や、中央共同募金会などの活用を呼びかける。

 ネット上ではふるさと納税の仕組みを使い、返礼品なしで被災地に寄付する動きが相次いでいる。

 全国の自治体のふるさと納税の申請手続きができる「ふるさとチョイス」(https://www.furusato-tax.jp)では7日午後2時現在で、震度7を観測した厚真町など被災自治体を対象に約700件、計1200万円を超える寄付金が集まった。

 ソフトバンクグループの「さとふる」も6日に支援募金サイト(https://www.satofull.jp/static/oenkifu/oenkifu_hokkaido.php)を開設。厚真町に隣接する安平町に約400万円の寄付金が集まっている。1千円から1円単位で指定した金額を寄付することができる。

 ヤフーや楽天、LINEもネット上で寄付金を募っている。

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