インテル、容量32TBの「定規型SSD」発表。1Uラックに32本、計1ペタバイト内蔵可能
インテルが非常に細長い形状をした、定規型のSSDを発表したのはいまからちょうど1年前、2017年8月のことでした。そして、その定規型SSDの新モデルDC P4500がこの8月8日に発表されました。長さ約30cm、幅約4cm、厚さ約0.8cmのサイズに収まる容量は32TB。ラック収納型サーバー向けで、通常のサーバー用HDDの1/20のスペースに収められるため、エアの流路も確保でき、消費電力は1/10で済むとインテルは主張します。
また、1Uのスペース内に最大32個の定規型SSDを収めることが可能で、合計で1PB(1ペタバイト)のストレージを構成できるとのこと。
定規型SSDという発想は、内部に回転するディスクをもつHDDと共通のフォームファクターという縛りから離れることで生まれました。一方で薄く奥行きのあるうなぎの寝床のようなラック型サーバーに合わせた形状とすることで、定規のような形状のストレージになったというわけです。
SSDにはHDDに比べて発熱が少なく、また定規型にすることでエアフローが確保しやすくなります。インテルの説明では、通常のSSDに比べて半分の空気流量で必要な冷却能力が得られるとのこと。そしてこれが、IBMやマイクロソフト、テンセントといった企業が持つ、巨大なデータセンターで定規型SSDが採用されるようになった理由のひとつだと説明します。
一般のPC向け用途でも、SSDはそのアクセス速度の高さから人気を博しています。またモバイルだけでなくデスクトップPC用ストレージとしても広く使われるようになってきました。サムスンはこの7月に、1テラビットチップを使用した4TBの2.5インチSSDを発表しました。また1TBクラスの2.5インチSSDなら2~3万円台で手に入るようになってきてもいます。
しかしながら、われわれ一般のPCユーザーが32TBのSSDを手にするには、まださすがにしばらくの年月が必要になりそうです。それまでに、まず個人で32TBもの容量が必要かをまず考えておきましょう。
ちなみに、米インテルはプレスリリースでも"Ruler(定規) SSD"とこの製品を称しています。どうせなら、そのケーシングにメモリーならぬ"目盛り"をつけてやれば、本当に30cm定規としても使えたのに...と思うと少しだけ残念です。