Audiアウディ会長、排ガス不正問題で逮捕!独検察当局が発表 人とサルで排ガス吸引実験、独自動車3社に非難集中

アウディ会長、排ガス不正問題で逮捕 独検察当局が発表

ドイツ検察当局は18日、同国の自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題、いわゆる「ディーゼルゲート」事件に関連し、傘下の高級車部門アウディ(Audi)のルパート・シュタドラー(Rupert Stadler)会長を逮捕したと発表した。

 ミュンヘン(Munich)検察当局は先週、不正ソフトを搭載したディーゼル車が欧州内で販売されることに関連した詐欺と文書偽造の疑いでシュタドラー氏の自宅を捜索。その1週間後に逮捕されるという劇的な展開となった。

 検察側は、同氏の逮捕は「証拠隠蔽(いんぺい)の恐れ」を根拠に正当化されると説明した。

 アウディはAFPに対し、会長逮捕の事実を認めたものの、それ以上の詳細の公表は差し控えるとしている。

 VWは2015年、排ガス検査を欺くことを狙った「ディフィートデバイス(無効化装置)」を、世界全体で計1100万台におよぶ車両に搭載したことを認めた。これに端を発したこのディーゼルゲート事件をめぐる逮捕者の中で、シュタドラー会長は最高クラスの地位にある。

人とサルで排ガス吸引実験、独自動車3社に非難集中

ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)、ダイムラー(Daimler)、BMWの3社が、ディーゼル車の排ガスを人やサルに吸わせる実験に出資していたことが判明し、非難の矢面に立たされている。排ガス不正問題に続き、同国の主力産業である自動車業界がまたもやスキャンダルに見舞われた形だ。

 ディーゼル車の排ガスは、ぜんそくや肺疾患、心臓発作との関連性が指摘されている。実験に関する報道は各方面で怒りの声を呼び、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相も、シュテフェン・ザイベルト(Steffen Seibert)報道官を通じ出した声明で「サルや人までをも対象にしたこれらの実験は、倫理上正当化のしようがない」と強く非難した。

 独日刊紙の南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)とシュツットガルト新聞(Stuttgarter Zeitung)は29日、3社が出資していた研究団体「運輸部門における環境と健康に関する欧州研究グループ(EUGT)」(現在は解散)が、健康な25人を対象に窒素酸化物を含むガス吸引の影響を調べる実験を2013~14年にドイツ国内で委託していたと報道。

 その数日前には米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が、同団体が2014年に米国でサルを対象にした実験を行っていたと報じていた。同紙によると、実験は気密室に入れたサル10匹にアニメを見せながらVWのビートル(Beetle)から出る排ガスを吸わせるものだった。

 VWは先週末、この動物実験について謝罪し、同社は「いかなる形態の動物虐待からも明白に距離を置く」と言明していた。

 ドイツのクリスチャン・シュミット(Christian Schmidt)運輸相代行は、政府が問題企業との特別会合を求めたと説明。「これは自動車業界に対する信用をまたも傷つけた」と指摘している。

 自動車業界は長きにわたり、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて環境に優しいと主張していた。だが2015年、VWが排ガス試験での不正を可能にするソフトウエアを1100万台のディーゼル車に搭載していたことを認めたことで、同業界には厳しい目が向けられた。

 3社はEUGTと距離を置く姿勢をみせ、内部調査を開始すると約束している。BMWは声明で「BMWグループは問題の研究には参加しなかった」と説明。一方のVWは、EUGTは「独立した」研究機関として設立されたものだったと言明している。

 人とサルを対象とした実験はいずれもEUGTが委託したものだったが、同団体はディーゼル車の高い環境性能を示すことを目標に3社の出資によって設立されていた。

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