シャープ「AQUOS R2」背面に「動画専用カメラ+高画質標準カメラ」を載せた開発意図

「動画専用カメラ」を載せたシャープ「AQUOS R2」の開発意図

 ドコモ、au、ソフトバンクから6月8日に発売されたシャープの2018年夏スマホ「AQUOS R2」は、背面に動画専用カメラ+高画質標準カメラを組み合わせた「AQUOS twin camera」を搭載するのが最大の特徴だ。

 既発売の他社端末は広角+望遠、標準+モノクロなどさまざまな組み合わせのデュアルレンズカメラを搭載しているが、AQUOS R2がなぜ「動画専用カメラ」との組み合わせを採用したのか、AQIUOS R2の開発者に話を伺った。

ひとつのカメラでは

静止画と動画撮影が両立できない

 特徴的なデュアルレンズカメラ「AQUOS twin camera」の企画担当者は、動画専用カメラを搭載した理由について「動画コミュニケーションが主役になってきている。動画撮影をするユーザーが49%、その中でSNSに動画を投稿するユーザーはその約6割に達する」とスマホでの動画撮影需要の高まりが理由と語る。

 もちろん、既存のスマホも動画撮影機能を搭載しているが「動画が思い通りに撮れない」という不満があったという。その理由として、写真と動画のカメラの性質が異なるという点を挙げた。

 大部分のスマホの静止画撮影機能は精彩感を重視しており。これは被写体に寄れる広角が主流で、一般的なデジカメで撮影した画像のように、被写体がくっきりと写り背景はぼけたほうがいい。AQUOS R2の高画質標準カメラは高速オートフォーカスと浅い被写界深度の組み合わせが特徴だ。

 これに対して、動画撮影は臨場感を重視する傾向がある。臨場感を高めるために、より広い範囲を超広角で撮影できることはもちろん、手前から奥までピントが奥まで合う深い被写界深度が求められる。AQUOS R2の動画専用カメラは人間の視野角に近い最大135度と超広角な撮影が可能となっている。

 AQUOS R2は2つのレンズにそれぞれ手ぶれ補正機能を搭載しているが、その方式が異なるのもトピック。高画質標準カメラはシャッター時のタッチブレを防ぐため光学式手ぶれ補正を搭載。動画専用カメラはカメラを動かした際のパンブレを防ぐため電子式手ぶれ補正を搭載している。

 動画撮影中にAIが自動で静止画を撮影できる「AIライブシャッター」機能に関して、企画担当者は「犬の散歩中、自撮り棒にスマホを付けて犬を撮影するとフレームアウトするし、自分も動いているのでフォーカスも合わないし手ぶれもひどい。画面を見ずに撮影できる機能を実現したかった」と語る。

 AIライブシャッターの開発担当は「動画のカメラとしては臨場感を出したい。しかし、ひとつのカメラこれでは精細感が出ない。動かしながら静止画を撮ると、静止画用の処理では歯が立たない。そこで動画専用カメラと高画質標準カメラの同時起動を考えたが、同時起動はリソース面で厳しかった」と開発の苦労を語る。

 シャープは過去のスマホのカメラで「フレームアドバイザー」という構図のアドバイス機能を提供していた。また、スマホにおけるデュアルレンズカメラ搭載では後発ということで「被写体に合わせた画質への自動調整するのは各社がやっている」。しかし、「シャープならではのAIの使い方は何か」という観点から、AQUOS R2のAIライブシャッター機能が生まれた。

 AIライブシャッターは先述のとおり動画撮影中に「自動」で静止画を撮影する機能だが、どのタイミングでAIが自動で判断してシャッターを切るかに関して、シャープは3つのエンジンを用意したという。ひとつはシーン認識エンジンで、2つ目は場所やサイズを判定する物体認識エンジン。最後に構図を判定するエンジンだ。この3つのエンジンを組み合わせてAIライブシャッターは動作する。

 開発者はAQUOS R2が搭載するオクタコアの最新SoC、Snapdragon 845の処理性能によって「ようやくニューラルエンジンが動かせるようになった。エモパー向けにも物体認識エンジンがあったが、構図の認識は難しかった」とのことだ。なお、カメラアプリ内では構図を判定するエンジンが撮影中の映像が定番の写真の構図に合致するかをリアルタイムに判定しており、判定のスコアに応じてシャッターが切られるとのことだ。

AQUOSシリーズで最大・最高輝度の

倍速IGZOディスプレーの進化点

 開発担当が「ディスプレー全面を画面で埋め尽くした」と語る縦長19:9のWQHD+解像度(1440×3040ドット)6型IGZOディスプレーも特徴のひとつだ。応答速度は「AQUOS R」比で25%向上している。AQUOS Rでは液晶の構造面が見直されたが、AQUOS R2では構造だけでなく液晶の材料も変更、さらに制御面も変更して25%の向上を実現した。

 意外なことに、リフレッシュレートは120Hzではなく「あえて100Hzにしている」そうなのだ。製品プロモーション的な観点からは、120Hzの方が消費者にアピールできそうにも思えるが、「120Hzはインパクトがあるが数値だけを考えずにバランスを求めた。結果的にコマ落ちの抑止力が飛躍的に向上し、消費電力も削減できた」とさらにワンランク上を求めた結果であるとアピール。消費電力削減に関してはIGZOディスプレーの特徴のひとつであるアイドリングストップも電力消費を考えつつ制御できるので、非常に効果的なのだという。また、シャープ端末ではおなじみのペールビュー(のぞき見防止ブロック)機能が復活したのは、この機能を活用していたユーザーには朗報だろう。

 AQUOS R2はノッチ付きのフリーフォームディスプレーで表示領域を最大限拡大しつつも、指紋センサーは正面の画面下に配置している。この配置に関して開発者は「操作しやすさは我々のポリシー」と語る。スマホの主な熱源は液晶のバックライトとドライバーだが、AQUOS R2では液晶のドライバーに指紋センサーを重ねることで画面下部の狭額縁化を実現している。なお、指紋センサーはグラファイト(放熱シート)が巻き込むように貼り付けられており、放熱を内部に導くとともに、SoCの発熱といっしょに側面の金属と一体化した金属板で放熱する構造となっている。

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