裸眼3Dや8K放送など2020年の先のテレビはこうなる、NHK「技研公開2018」
NHKは5月24日から27日まで、NHK放送技術研究所で「技研公開2018」を開催する。これに先立ち、プレス向けに見学会を実施した。
今回の技研公開では、2020年までの3ヵ年計画として、「リアリティーイメージング」(8Kや3D、VRなど)、「コネクテッドメディア」(ネット技術活用など)、「スマートプロダクション」(番組制作やユニバーサルサービスなど)の3本柱を提示。そして、それ以降の2030~2040年頃を見据えた「ダイバースビジョン」についての展示も行なっている。
高精細な裸眼3D技術や高フレームレート化など
8Kベースの映像技術がすごい
リアリティーイメージングでは、裸眼3D表示技術の「アクティナビジョン」を展示。従来の(レンズフィルターを使用した)裸眼3Dディスプレー技術(インテグラル立体テレビ)よりも約3倍の画素数(30万画素)で見られる。
また、8Kの4倍速スローモションや8K 120Hz映像のリアルタイム圧縮/複合化装置、8K映像の伝送技術、地上波による4K・8K放送実験などについて展示していた。
4K配信やスマホ連携 進化するハイブリッドキャスト
コネクテッドメディアでは、「ハイブリッドキャスト」の応用を展示。2Kの放送をハイブリッドキャストで4K IP放送に切り替えたり、スマートフォンと組み合わせた情報提供サービスなどをデモしていた。
番組制作をアシストする技術がユニバーサルサービスに
スマートプロダクションでは、映像や音声ソースを迅速に加工して番組制作のアシストにつなげる技術を紹介。モノクロ映像の自動カラー化や記者会見中の音声の自動テキスト化、スポーツの軌跡の表示などの技術を紹介していた。
このほか、音声合成による自動実況や手話CGの生成システムなど、ユニバーサルサービスについてもスマートプロダクションとして展示していた。
2020年の先のテレビは8Kと3Dの世界に!?
ダイバースビジョンは将来的な技術について紹介。折り曲げ可能なシート型の有機ELディスプレーや、テレビ放送と連動するテーブル型・携帯型の3Dディスプレーなどを紹介。
NHK放送技術研究所の所長である黒田徹氏は、2020年までの3ヵ年計画の次は多様化するニーズ、多様化する端末に対応する必要があるとし、まずは3D(立体表示)についての研究を重視していく意向を示した。