訪日外国人の「熱中症ゼロ」へ、日本気象協会が対策開始、日本で熱中症を経験した外国人が7割超えに
日本気象協会は2018年5月8日から、今年度の「熱中症ゼロへ」プロジェクトを開始した。
今年の気候は、今後3か月は平年より暑く、夏の訪れが早い可能性がある。一方で、同プロジェクトが在留外国人に行なった日本の熱さに関する調査では、79%の回答者が日本の夏を「過ごしにくい」とし、75.5%が「日本で熱中症を経験したことがある」と判明したという。
そこで今年度の活動では、訪日外国人を対象にした熱中症予防啓発を注力テーマに設定。正しい知識と対策を周知する工夫として、英語版の折り紙の仕かけを付けたリーフレットを制作した。表面では応急処置の方法や緊急時の119番通報の仕方の案内や、熱中症の症状と予防対策を紹介する同プロジェクトのウェブサイトの案内を掲載。裏面には折り紙の兜の折り方を紹介し、日本文化に親しみながら熱中症やその対策を知ることができる内容とした。
リーフレットは協力自治体と連携し、仙台市や東京都台東区、京都市、那覇市など14の観光案内所(5月8日現在)で6月から配布を開始。7月には都内の庭園3か所でも順次配布する。都内庭園では7月と8月には和傘の無料貸出も行なう。
外国人の約9割が「東京の夏は自国よりも暑い」、東京五輪の屋外観戦「自信がない」が54%
ダイキンが、東京に1年以上在住する外国人を対象にした「東京の夏の暑さ」に関するアンケート調査で、「自国よりも暑い」と回答したのは88%にのぼった。「耐えられないくらい暑い」が全体の4分の1を占めたのに対し、自国よりも「やや涼しい」は12%だった。
東京の夏が暑く感じる理由については「湿度が高いため」(80%)が最多で、「気温が高いため」(56%)が続く。次いで3位、4位、6位、7位には、「地面がアスファルトやコンクリートに覆われているため」(28%)、「夜でも気温が下がらないため」(28%)など、ヒートアイランド現象の特徴があげられており、地面からの照り返しで気温が上がり、地面や建物が溜め込んだ熱で夜間の気温が下がりにくいことが、外国人にとって東京の暑さを感じる理由になっている。
さらに2020年の夏季オリンピック東京大会(予定:7月24日~8月9日)で東京への関心が高まっていることから、真夏の東京で屋外スポーツを観戦する自信があるかを質問したところ、54%が「自信がない」と回答。自国からの観光客や選手向けの暑さ対策には「喉が渇いていなくても水を常に飲む」「できる限り飲料を携帯する」などをあげた。東京で熱中症や脱水症状になった経験に基づいたアドバイスが多かったという。
このほか、日本人の暑さ対策で驚いたものとしては「日傘をさす」(46%)、「うちわやセンスを使う」(37%)、「浴衣を着る」(35%)、「涼感グッズを使用する」(35%)、「打ち水をする」(32%)、「風鈴をつるす」(32%)などが上がった。日本人の古くからの知恵や工夫に不思議な驚きを覚え、感心する人も多いようだ。自らも日傘や涼感グッズの活用を行なう人も多く、暑さ対策でも日本文化に順応し、夏を乗り切る工夫をしていることも見受けられたという。
調査は2014年6月13日~27日まで、東京在住1年以上の外国籍の人100名にインターネットで実施。回答者の内訳は、北米、ヨーロッパ、アジア、中東・アフリカの4エリアに分け、各25名ずつとした。
外国人が感じる夏の暑さ、室温28度は「耐えられない」が3割 ―ダイキン調べ
ダイキン工業が東京で仕事をする外国人100人聞いた「東京の夏の暑さ」に関する調査で、オフィスの室温を28℃とする設定が「暑くて耐えられない」が29%を占め、「暑くてやや不快」と合わせると8割以上となることが分かった。快適な温度は「24℃」(19%)が最多となっている。
クールビズ実施の理由は「涼しくて快適・楽」が多数
日本で実施している「クールビズ」を意識した服装の実施率は、中東/アフリカ出身の外国人にもっとも好評で、73%が「ほぼ毎日している」と回答。一方で、ヨーロッパ出身者では39%にとどまった。
その理由は、「涼しくて快適・楽なため」が79%で最多、次いで「節電・省エネにつながると思うため」「ジャケットやネクタイが好きではないため」が30%で同位となった。日本人で「節電・省エネ」を理由に挙げる人が51%あることと比較すると、外国人では現実的な理由が多いといえる。
自国の人へのアドバイスは「自分で自分の身を守る」テクニックがらみが複数
東京で仕事をすることになった自国の人へのアドバイスとしては、「外出する前に天気予報を確認すること(トルコ出身・男性)」「電車に乗る際は、リフレッシュするためのタオルを用意すること(イギリス出身・女性)」といった内容のほか、「通勤はピーク時を避けること(インド出身・男性)」「覚悟がなければ、早く帰った方がいい(台湾出身・女性)」といった、「しっかり自分の身を守る」テクニックがらみのアドバイスが複数みられた。
訪日外国人客の熱中症対策で和傘を無料貸出、色とりどりで写真映え意識、都内庭園8か所で
日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトは2017年7月21日から、訪日外国人観光客向けに日傘用の和傘の無料貸出を実施する。
東京都公園協会の協力のもと、熱中症対策の一つとして取り組むもの。訪日外国人観光客に、和傘を使った直射日光を防ぐ体験をしてもらうことで、熱中症対策の大切さとともに、日本の文化を感じてもらうもの。都内の文化財指定庭園8か所を会場に、色とりどりの和傘を揃え、写真映えも意識した。
昨年実施したところ、好評だったことから、今年も開催を決定。 実施期間は2017年7月21日~9月18日の午前9時から午後5時まで。いずれも休園日を除く晴天時のみ。実施場所は以下の通り。庭園ごとに和傘の柄が異なる。
【和傘の無料貸出 実施場所】
- 浜離宮恩賜庭園(東京都中央区)
- 旧芝離宮恩賜庭園(東京都港区)
- 小石川後楽園(東京都文京区)
- 六義園(東京都文京区)
- 向島百花園(東京都墨田区)
- 清澄庭園(東京都江東区)
- 旧古河庭園(東京都北区)
- 殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)
