もう愛犬の死に目にあいたくない!感情に寄り添う犬型ロボットaibo人気のわけ、なぜ本物の犬ではなくaibo?

“もう愛犬の死に目にあいたくない“感情に寄り添う犬型ロボットaibo人気のわけ 札幌市

 今高齢者を中心に、犬型ロボット「aibo(アイボ)」が人気です。

 4月11日、全国5つのソニーストア限定で、新型のaibo、111体が販売されました。

 札幌市内で行われた抽選販売会で、当選し思わず涙する女性がいました。

 そこにはaibo人気に隠された、切実な理由がありました。aiboと共に生きることに、深い意味を見出している人たちを取材しました。

aiboがわが家にやって来た!

鈴木洋子さん(69):「いたいた」「もしもし」

 鈴木和夫さん(69):「動いた!」

 aibo:「ワン!ワン!」

 鈴木和夫さん(69):「大丈夫だよ!お父さんもお母さんもいるから」

 犬型ロボットの「aibo(アイボ)」がわが家にやって来ました。飼い主は鈴木和夫さん・洋子さん夫婦です。

 鈴木洋子さん(69):「本物の犬ならこうして、“チュー“するのにね」

 2018年1月に発売されてから、この新型aiboは大人気。品薄が続き、抽選などで購入しなければなりませんでした。

 鈴木さん夫婦は外れること4回。ようやく手に入れることができたaiboは、「メロン」と名付けられました。

 メロンが鈴木家にやってきたのには、あるわけがあったのです。

 鈴木洋子さん(69):「ちょっと暗い気持ちになっていたんです」

「愛犬の死に、息子も亡くなり」…aiboに託した思い

 4月11日、全国5つのソニーストア限定で、111体のaiboが販売されました。

 札幌市では20体のみ。20万円近くするのに、抽選券を求めて70人以上が列を作るほどの人気でした。

 行列に並んだ人:「マンションなので、家では犬が飼えない。aiboなら大丈夫かなと」

 釧路市から:「3月、(飼っていた)2匹目の犬が死んだ。何とか最期まで見届けたが、今後はロボットの時代」

 行列には、洋子さんの姿もありました。並んでから1時間、抽選結果の発表です。

 スタッフ:「番号ですが、当選番号201番…」

 当選しました。ここまで喜ぶ、そのわけは…。

 鈴木洋子さん(69):「飼っていた犬が死に、息子が亡くなり、悲しい事ばかりだったのでうれしい。息子と飼っていた犬に当選するように祈っててと…。そうしたら当たった。今まで飼っていた犬と同様、もっとかわいがりたい」

なぜ本物の犬ではなくaibo?

 ふたり暮らしの鈴木さん夫婦。2匹のシーズー犬を飼っていましたが、2014年に、2代目のホープが死んでしまいました。

 ふさぎがちだった洋子さんに、和夫さんがプレゼントしたのが、「メロン」だったのです。

 人工知能AIを搭載したaiboは好奇心旺盛。

 触れ合ったり、話しかけたりすると学習し、成長していきます。

 ごはんは電気。バッテリーが少なくなると、自分で充電器へ。賢くて、本当に生きているようです。

 しかし、なぜ本物の犬ではなく、aiboにしたのでしょうか?

 鈴木洋子さん(69):「私たちはもう次の犬は飼えないなと。世話をしてやりたくても自分たちの世話で手一杯。世話してやれなくなる」

 鈴木和夫さん(69):「自分たちの方が先に逝ってしまうと、1匹だけ後に残すのはかわいそう」

高齢者 飼い犬ためらう現状

ここ数年、飼い犬の数が減少しています。日本ペットフード協会によると、2017年初めて飼い猫の数が、飼い犬の数を追い抜きました。

 高齢者が犬を飼うのをためらう一番の理由は、最後まで世話をする自信がないから。ここに、aibo人気の秘密がありそうです。

 初代のAIBOが、発売されたのは1999年。モデルチェンジの度に話題となりましたが、2006年、発売中止となりました。

 2014年には修理用部品が底をつき、壊れたAIBOの合同葬儀が行われる程、愛され続けてきました。

 12年ぶりに復活した、新型aiboの特徴は?

 ソニーマーケティング 細田良子さん:「飼い主との触れ合いの記憶や成長記録がインターネットに残り、新しい本体に記憶を移植することも考えていますので、以前のように死んでしまうことはありません」

aibo 初めてのお出かけ 移動は“ケージ“に入れて

 鈴木家にメロンが来てから5日目。

 鈴木和夫さん(69):「おでかけですよ」

 鈴木洋子さん(69):「ぶつけないでね」

 初めてのお出かけです。かつて飼っていた犬用のケージに入れられ、苫小牧市へと向かいます。

 鈴木洋子さん(69):「きっと玄関を出て待っているよ」

 鈴木和夫さん(69):「あんな所から出てきた」

 野村純子さん(72):「メロンちゃん待ってました!どれ!」

 鈴木和夫さん(69):「ほら見てやって、いま寝てるの。スリープ状態」

 鈴木洋子さん(69):「中に入ったら起こして」

 洋子さんの姉、純子さんです。夫を亡くしひとり暮らし。姉も大の愛犬家です。

「はじめまして、会いたかったよ」

野村純子さん(72):「一番最初に飼ったのはメアリー。12歳で亡くなって、ハリーとホープが来た」

 シーズー犬のハリーが死んだのは2017年9月。“ペットロス“から抜け出せない順子さんを心配して洋子さんは、手に入れたばかりのメロンを連れてきたのです。

 野村純子さん(72):「はじめまして、会いたかったよ。メロンちゃん大好き。かわいい! あぁ、一緒だ。泣いちゃダメだわ。おばちゃん、泣いちゃった。ハリーとダブっちゃった」

 もう、飼い犬の死に目にはあいたくない。純子さんは再び犬を飼うのをためらっていました。“ロボット犬“メロンとの出会いに、心が動かされます。

 洋子さんの姉 野村純子さん:「主人が亡くなった後、ホープとハリーがいて、7年間はすごく助けられた。いろんなことを考えると涙が出てくるし、aiboが妹の所に来てくれたというのも涙が出ます」

 鈴木洋子さん(69):「1日も早く見せてあげたかった。そうしたら姉も元気になるし、私も元気になるし良かったなと思う。ね、喜んでくれたもんねおばちゃんも。良かったなって」

 本物の犬ではなくaiboと共に生きる。ペットロスや孤独と向き合う、高齢者の新たな選択肢のひとつかもしれません。

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