女子高生がこだわる「最新カメラアプリ」事情、SNOWで一眼レフ風の加工を楽しむ

女子高生がこだわる「最新カメラアプリ」事情

スマホの普及で変わったことのひとつに、「いつも手元にカメラがある」ことが挙げられます。若い世代にとって、いつでも手軽に「いいね」を稼げる写真を撮れることが当たり前。しかしその裏にはテクノロジーの進化があるのです。今回は、若い世代を取り巻くカメラ事情についてお伝えします。

 「修学旅行に行くから、パパにGoPro買ってっておねだりした」――ある女子高生の言葉です。最新モデル「HERO6」が5万円前後と女子高生には似つかわしくない価格のGoProを欲しがるなんて、意外に感じる方もいるでしょう。

 スマホのカメラで毎日写真を撮る彼女たちは、「もっと良い写真を撮りたい」「もっと“いいね”が欲しい」と写真への探求に余念がありません。GoProは広角撮影ができるため、セルフィーでも周囲の景色がばっちり入ります。修学旅行やディズニーリゾートなど、女子高生たちが風景を入れたいシーンにもってこいなのです。Instagramで「#GoProのある生活」というハッシュタグを検索すると、91.8万もの投稿がヒットします。

 もうひとつ、若い世代に人気のカメラがあります。それは使い捨てカメラの「写ルンです」です。大人世代には1986年に発売されたフィルムカメラが人気だなんてにわかに信じがたいのですが、若い世代、特にInstagramへの投稿が多い女性には、独特の風合いが支持されています。

 写真からほのかに漂う昭和の香りやノイズのグランジ感が、まるでアプリでエフェクトをかけたような仕上がりだからです。

 こちらもInstagramで検索したところ、「#写ルンです」のハッシュタグ付き投稿が43.2万。関連タグの「#フィルムカメラに恋してる」「#写ルンですのある生活」にも、「写ルンです」への愛を感じます。

 さらに良い写真を、と突き詰めていくと、デジタル一眼カメラも欲しくなりますね。とはいえ、デジタル一眼カメラは高い、大きい、重い、そして撮影にカメラの知識が必要なケースもあるなど、ハードルの高いカメラです。一方、スマホならいつでも手元にあり、シャッターを押すだけでそれなりの写真が撮影できます。明るさや風合いはアプリで簡単に修正することができ、SNSのシェアも簡単です。

 とはいえ、スマホのカメラとデジタル一眼カメラでは写真のクオリティに大きな差が出ます。特に、デジタル一眼カメラで撮影したときの「背景ボケ」は人気の高い効果です。iPhoneがiPhone 7 Plusから「ポートレートカメラモード」をサポートしたときには、かなり注目を集めました。iPhone Xでは、アウトカメラだけでなく、インカメラでもポートレートモードでの撮影ができます。

 Androidスマートフォンのカメラも進化しています。たとえば、「HUAWEI nova lite 2」は2万円台という手頃な価格にもかかわらず、写真のフォーカスを後から変更できる「ワイドアパーチャ」機能を備えています。ピントを合わせたい箇所をタップするだけで、背景ボケと前ボケを簡単に作ることができます。

 スマホカメラでのボケ処理は、iPhone Xのインカメラの場合TrueDepthカメラという顔認証カメラで実現していますが、ほとんどのスマホでは広角レンズと望遠レンズの2つによるデュアルカメラ構成により実現されています。

■中高生はSNOWで一眼レフ風の加工を楽しむ

 アクションカメラ、フィルムカメラ、デジタル一眼カメラ、最新スマホのカメラと選択肢は増えていますが、私が取材してきた女子高生たちはバイトと小遣いで過ごす日々。そうそう高価なカメラを買うことはできません。私が女子高生たちにインタビューするとき、自分のiPhone Xを出すと、みんな「一眼みたいな写真を撮れるんでしょ?」と口々にうらやましがりますが、ハイエンド機を親に買ってもらうのは難しいですよね。

 MMD研究所が2018年3月に発表した「スマートフォンでの写真撮影、プリントに関するユーザー調査」では、スマートフォンで週1回以上写真を撮る10代女性のiPhoneユーザーが91.8%と、他の年代やAndroidユーザーよりもダントツで割合が高い結果が出ています。

 写真好きな10代のiPhoneユーザーが、ハイエンド機以外でボケを楽しむなら、アプリで加工することになります。そこで、彼女たちは複数のアプリを駆使しています。最近では、顔に動物のエフェクトをかけられる効果で有名な「SNOW」も「一眼」という機能をリリースしました。

 SNOWの「一眼」は、アプリのシャッターを押すと人物を認識して、人物以外が自動でボケます。SNOW Japan事業統括の崔智安氏によると、SNOWの顔認識技術を応用しているとのこと。

 「撮影した写真をアプリを使って加工するには、時間が掛かります。しかしSNOWは、プレビューにこそ表示されないものの、リアルタイムで背景をぼかす処理をしています。それは、SNOWが顔認識を行う技術を使って、顔の下には体があると判断して人物全体を認識しているからです。2018年1月のアップデート版で、すでに体認識ができるようになっています。まだローンチしていませんが、足まで全身を認識する技術も開発済みです」(崔氏)

 崔氏によると、今後リアルタイムで背景を入れ替えて写真や動画を撮影できる機能がリリースされるとのこと。「足まで人物を認識することで、背景をすべて入れ替えることができます。それは、テレビの撮影などで行われるクロマキー合成とは逆の手法です。クロマキー合成では、緑や青の背景の前で人物を撮影し、緑や青を飛ばして人物のみを認識します。SNOWでは人物を認識し、それ以外は背景として処理を行います」(崔氏)

 もちろん、こうしたテクノロジーをSNOWユーザーが意識することはありません。実際に「一眼」機能を試してみたところ、人物以外を自然にぼかし、人物と背景の境界に違和感もありませんでした。SNOWらしく、目を大きくするビューティ加工も併用できます。

 背景ボケといえば、人物に限りませんよね。自然の風景をアウトカメラで撮影するケースもあります。SNOWの「一眼」では、人物のいない画像では中央にフォーカスを合わせます。中央以外にフォーカスを合わせられないことが少し残念な印象ですが、よくSNSにアップする食べ物の写真などは周囲がボケるだけでも雰囲気がよくなります。

■Instagramのストーリーをカメラとして使う女子高生も

 若い世代を中心に人気上昇中のInstagramも、「ストーリー」に背景をぼかす「フォーカス」機能をリリースしました。背景ボケを確認しながらセルフィー写真や動画が撮影できる機能です。インカメラ、アウトカメラの両方でポートレート風なボケを楽しめます。Instagramも顔認識を利用しているため、人の顔が入っているときのみフォーカス機能が利用できます。

 ある女子高生に聞いたところ、「最近はストーリーのカメラで全部撮ってる」とのこと。Instagramで撮影した写真は、そのままストーリーに投稿することも、スマホに保存することもできます。ストーリーの閲覧、投稿、メッセージのやりとりなど、Instagramをベースに活動している彼女は、いっそInstagramで写真を撮ったほうが楽なのでしょう。若い世代はアプリのアップデートを後回しにする傾向があるので、彼女はリリースされたばかりのフォーカス機能を知りませんでしたが、これから使いたい! と喜んでいました。

 カメラやレンズといったハードウエア、そしてアプリであるソフトウエアと両面でテクノロジーが進化することにより、手軽にポートレート風の写真が撮影できるようになっています。SNOWの崔氏は「動画や写真は単なる“記録”だったが、今はコミュニケーションツールへと変化した」と話していました。「写ルンです」やスマホアプリなど、自分を表現するためのカメラを自由に選べる時代になりましたね。

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