南北首脳会談、年内の戦争終結で合意-「完全な非核化」目指す
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領は27日、約70年に及ぶ両国の戦争状態を年内に終結させることで合意した。朝鮮半島の「完全な非核化」を目指すことにも同意した。
両首脳は来月、南北間で軍事協議を行うことでも合意。「段階的な軍縮」を目指すと表明したが、詳細には触れなかった。正式に終戦を宣言し、現在の休戦協定を年末までに平和協定に転換する意向も表明した。
<南北首脳会談>「朝鮮半島の完全な非核化」目標 共同宣言
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は27日、軍事境界線のある板門店(パンムンジョム)の韓国側施設「平和の家」で会談し、「完全な非核化により、核のない朝鮮半島の実現という共通の目標を確認した」とする「板門店宣言」に署名した。宣言では1953年から休戦状態にある朝鮮戦争の「終戦」を今年中に目指すことや、両国に米国や中国を交えた多国間の枠組みで、平和体制の構築を協議する方針も示した。
南北首脳会談は約10年半ぶりで、2011年12月に北朝鮮が金正恩体制に移行してからは初めて。金委員長は軍事境界線を越えて韓国に足を踏み入れた初めての北朝鮮の最高指導者となった。
宣言は朝鮮半島の非核化について「北側が取っている主導的な措置が朝鮮半島の非核化のために非常に意義があり、重要な措置」だと指摘。今月20日にミサイル・核実験の中止や核実験場の廃棄を決めた金委員長の判断を評価したものとみられる。
ただ、非核化に向けた具体的な方策は示されておらず、6月初旬までに開催予定の米朝首脳会談で、どこまで踏み込んだ合意に至るかが次の焦点だ。
宣言では「いかなる形態の武力も互いに使用しないとの不可侵合意を再確認」し、両国が共に軍縮を進めていくと表明。「両首脳の定期的な会談とホットライン」により、朝鮮半島の平和や統一に向けて努力していくとした。文大統領が今年中に平壌を訪問することでも合意した。
会談は融和的な雰囲気のなかで行われた。この日午前9時半、両首脳は軍事境界線をはさんで笑顔で握手を交わし、金委員長は徒歩で韓国入り。板門店共同取材団によると、その際、金委員長が「歴史的場所であり、感動的だ」と述べると、文大統領は「英断だ」と応じた。さらに文大統領は金委員長の勧めに応じ、手をつないで共に南北軍事境界線をまたぎ、北朝鮮側へと足を踏み入れた。
韓国側の説明によると、金委員長が境界線を越えた際、文大統領が「私は、いつここを越えられるのでしょうかね」と話を向けたところ、金委員長が「では今越えてみますか」と勧め、2人で北朝鮮側に渡った。
朝鮮半島を完全非核化=年内に終戦宣言―金正恩氏、初訪韓・南北首脳会談
韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日、軍事境界線のある板門店の韓国側施設「平和の家」で首脳会談を行った。
両首脳は「板門店宣言」に署名し「完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島の実現を共同目標にする」と明言した。一方、北朝鮮の非核化への具体的な措置・手順には触れておらず、実質協議は6月初旬までに予定される米朝首脳会談に持ち越された。
南北首脳は会談終了後、記者団の前にそろって登場。文氏は「金正恩氏の勇気と決断に敬意を表する。国際社会の支持と協力を得るため、共に努力する」と語った。
一方、正恩氏は「(南北対立の)恥ずべき歴史を繰り返さないよう、二人が膝を接して緊密に協力し、合意が必ず良い実を結ぶよう努力する」と表明した。正恩氏が韓国メディアなどの前で記者発表したのは初めて。
板門店宣言はまた、朝鮮戦争(1950~53年)の終戦を年内に宣言し、休戦協定を平和協定に転換すると明記。「平和体制構築のため南北米または南北米中の会談開催を推進する」とした。日本とロシアを除く多国間の枠組みが設置される可能性がある。
一方、日本政府が注視している日本人の拉致問題が首脳会談で提起されたかどうかは明らかになっていない。
両首脳は27日午前9時半ごろに初対面し、軍事境界線上で握手。正恩氏は、北朝鮮の最高指導者として初めて軍事境界線を越え、板門店の韓国側に入った。首脳会談は散策などを含めて午前と午後の計約3時間行われた。
韓国高官によると、両首脳は午前中の会談で非核化などを討議。正恩氏は、「文大統領が招待してくださるなら、いつでも青瓦台(大統領府)へ行く」と述べ、ソウル訪問へ意欲を示したという。また、「大統領を未明に起こさない」と述べ、弾道ミサイルの発射中止の方針を改めて伝えた。
文、正恩両氏は昼食を別々に取った後、「平和と繁栄」を祈念して軍事境界線上に松の木を植樹。その後二人だけで散策し、屋外に用意された椅子に座って約30分間話し込むなど、親密さを演出した。夕食会には、正恩氏の李雪主夫人も出席した。
南北首脳会談は2000年と07年に続き3回目。今回の会談は米朝首脳会談の土台づくりと位置付けられる。
南北首脳、予定外のやりとり続出 カメラ無い場所で何が
韓国大統領府は27日正午すぎ、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領のやりとりを明らかにした。同日午前9時半に2人が握手をしてから会談が始まるまでの約50分間で、報道陣のカメラやマイクのない場所で親しく会話。予定外のできごとが連続していた。
説明によると、握手後に文在寅氏を北朝鮮側に招き入れたのは金正恩氏だった。北朝鮮の指導者として初めて軍事境界線を越えて韓国側に歩み入った金氏に対し、文氏は「南側に来られたが、私はいつ越えられるのか」と聞いた。すると金氏は「じゃあ今越えますか」と文氏の手を引っ張った。予定にはなかったという。
続いて、韓国軍の儀仗(ぎじょう)隊が金氏を出迎え。文氏が「今日見せた儀仗隊は略式で残念だ、青瓦台(ソウルの韓国大統領府)に来ればもっと良い場面を見せられる」と言うと、金氏は「そうですか。文大統領が招請すればいつでも青瓦台に伺う」と返したという。
また、金氏は南北双方の随行員と握手。「これで帰らなければならない者もいる」と残念がり、文氏の音頭で南北の全随行員が一緒に記念写真を撮った。これも予定にはなかったという。
その後、2人は韓国側施設「平和の家」に移動。会談が始まるまで約30分間をともに過ごした。
南北会談 正恩氏「いつでも韓国大統領府に行く」
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日午前、南北首脳会談のため軍事境界線を越えてきた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対し、「私はいつ(北朝鮮側に)越えていけるか」と話しかけたところ、金委員長が「では今行きましょうか」と述べ、文大統領が境界線を越えて北朝鮮側で記念撮影を行う場面があった。
韓国青瓦台(大統領府)の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官が午前の会談後に開いた会見で明らかにした。
尹氏によると、文大統領は儀仗(ぎじょう)隊を閲兵中、金委員長に「青瓦台に来たら、もっと良い姿を見せられる」とし、金委員長は「大統領の招きがあればいつでも青瓦台に行く」と応じた。
文大統領「おおらかな心で対話して合意に至ろう」 南北首脳会談で
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日、軍事境界線がある板門店の韓国側施設「平和の家」で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と非核化などを話し合う南北首脳会談を開き、冒頭で「おおらかな心で対話して合意に至り、民族と、平和を願う世界の人々に大きな贈り物ができればいいと思う」と述べ、充実した会談になることに期待を示した。
南北首脳は午前の会談後、昼食をはさんで午後も会談する予定だ。
米「米朝会談決裂すれば“北”攻撃」と日本に説明
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が、歴史的な1歩を刻んだ。金委員長は27日午前9時半ごろ、65年間、朝鮮半島を分断してきた軍事境界線を越えた。
こうした中、アメリカ側が米朝首脳会談が決裂した場合、武力行使に踏み切るしかないとの意向を日本側に伝えていたことが、FNNの取材でわかった。
アメリカが武力行使という選択肢を維持する中、政府関係者は、27日の会談で、金正恩氏が本気で非核化のプロセスを話し合う姿勢を示すかどうかに注目している。
菅官房長官は、「拉致・核・ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けた前向きな議論が行われることを期待しています」と述べた。
政府関係者は、南北首脳会談を「米朝首脳会談に向けた橋渡しだ」と位置づけていて、金正恩氏が非核化にどの程度言及するのか、拉致問題が議題になるのかどうかに注目している。
また政府は、対話ムードが先行することを警戒していて、安倍首相は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に、「非核化に向けた北朝鮮の行動を検証できなければ、圧力をかけ続ける必要がある」とくぎを刺している。
一方、先週行われた日米首脳会談で、アメリカ側の出席者が、「米朝首脳会談が決裂すれば、軍事攻撃に踏み切るしかない」と日本側に伝えていたことが、FNNの取材で明らかになった。
日本政府は、27日の会談と米朝首脳会談の結果を見極めつつ、将来の日朝首脳会談実現も模索していく考え。
