新画像フォーマット「JPEG XS」発表。低レイテンシーで高画質、ストリーミングやVR向け
Joint Photographic Experts Group(JPEG)が、JPEG XSフォーマットを正式発表しました。2015年から進められていた標準化作業が完了したJPEG XSは、低レイテンシーかつ高画質を保つことができるため、WiFiや5Gネットワークを介したライブ配信やVRストリーミングへの利用に向くとされます。低レイテンシーということは、たとえばVRゴーグルの場合は頭の動きに映像を追従させるのが楽になるということ。動作時の違和感をなくし、いわゆるVR酔いの防止に役立つと考えられます。また、処理が軽いということは映像表示で消費するエネルギーが少なくて済むことを意味するため、JPEG XSは省エネルギーなフォーマットということも言えます。
ただ、画像そのものの圧縮率は処理の軽量化のためにさほど高くなく、ファイルサイズが小さくなるというわけではありません。これは一般的なJPEGフォーマットが画像ファイルのダウンロードの最適化を目的としているのに対し、JPEG XSではストレージに保存せず次々と消費していくストリーミングに最適化するという、考え方の違いによるものです。
省エネルギーでストリーミングに向くということは、使える電力が制限される宇宙探査機から高精細な映像を伝送する用途にも有望で、すでに欧州宇宙機関(ESA)がJPEG XSの技術に興味を示しているとされます。同様のことは、ドローンや自動運転車からの映像伝送にも当てはまります。とくに最近は非常時にドライバーが乗っていない自動運転車を遠隔操作する技術も登場しています。
JPEG XSはオープンソースとして公開され、汎用のHDRコーディングフォーマットに対応します。まだ規格としての正式承認は済んでいないものの、まずはプロフェッショナル向けのカメラ機器や映像業界で採用され、ついで自動運転車、VR/AR、マルチメディアデバイスなどからのワイヤレスな映像伝送用途へと採用が拡大していくと予想されます。
JPEGの次世代規格といえば、いまいちその用途がわかりにくかったJPEG 2000がありました。しかしJPEG 2000はその処理に必要な回路規模が100倍近いとも言われ、高速撮影を売りとする高機能カメラへの採用が進まなかったとされます。JPEG 2000に次ぐ静止画向け規格としてJPEG XRも存在するものの、これはルーツがWindows Media Photoであり、マイクロソフト製品以外でのサポートが進んでいません。
ちなみに、アップルはmacOS High Sierraより写真アプリで使う標準の写真フォーマットを、JPEGからHEIF形式へと変更しています。
Apple 製のデバイスで HEIF/HEVC メディアを扱う
iOS 11 または macOS High Sierra にアップグレードすると、iOS デバイスで撮影した HEIF メディアや HEVC メディアを表示、編集、複製できます。
iOS 11 と macOS High Sierra は、以下の新しい業界標準のメディアフォーマットに対応しています。
- HEIF (High Efficiency Image File Format):写真用。
- HEVC (High Efficiency Video Coding):H.265 と呼ばれることもあります。ビデオ用。
HEIF と HEVC は JPEG や H.264 よりも圧縮率が高いため、デバイスのストレージ容量や iCloud フォトライブラリはさほど占有しないのに、同等の画質に仕上がります。
デバイスで HEIF メディアや HEVC メディアを表示、編集、複製するには、最新バージョンの iOS 11 または macOS High Sierra にアップグレードしてください。
HEIF/HEVC メディアを撮影する
iOS 11 を使う場合、以下のデバイスはメディアを HEIF または HEVC フォーマットで撮影できます。
- iPhone 7 または iPhone 7 Plus 以降
- iPad Pro (10.5 inch)
- iPad Pro (12.9-inch) (第 2 世代)
iOS 11 または macOS High Sierra を搭載したほかのデバイスも、HEIF メディアや HEVC メディアを表示、編集、複製できますが、一部制約があります。
HEIF および HEVC フォーマットでの撮影を推奨しますが、古いフォーマットでメディアを撮影することもでき、その方がほかのオペレーティングシステムやデバイスとの互換性の幅は広がります。
- iOS 11 では、「設定」>「カメラ」の順に選択します。
- 「フォーマット」をタップします。
- 「互換性優先」をタップします。この設定は、HEIF または HEVC フォーマットでメディアを撮影可能なデバイスにのみ表示されます。
- 新しく撮影する写真やビデオはすべて JPEG または H.264 フォーマットになります。省スペースの HEIF/HEVC フォーマットを使う形に戻すには、「高効率」を選択します。
HEIF/HEVC メディアを扱う
iOS 11 と macOS High Sierra には HEIF や HEVC のサポートが組み込まれているため、写真 App、iMovie、QuickTime Player などの多彩な App でこれらのメディアを扱うことができます。
一部の古いデバイスでは、HEVC のサポート状況は、ビデオの解像度とフレームレート (fps) によっても左右されます。
- iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air 2 は、1080p/240 fps 以下で撮影された HEVC ビデオを扱えます。
- iPhone 5s、iPad Air、iPad mini (Retina モデル) は、1080p/60 fps または 720p/240 fps 以下で撮影された HEVC を扱えます。
iOS 10 または macOS Sierra で iCloud フォトライブラリを使う場合、写真やビデオの右上隅に
が表示されたり、警告メッセージが表示されたりする場合があります。デバイスで HEIF メディアや HEVC メディアを表示、編集、複製するには、iOS 11 または macOS High Sierra にアップグレードしてください。
HEIF/HEVC メディアを共有する
iCloud フォトライブラリは、メディアのフォーマット、解像度、フレームレートを元のまま維持します。デバイスで iCloud フォトライブラリの HEIF または HEVC メディアを完全には表示、編集、複製できない場合や、表示されても解像度が本来よりも低い場合は、iOS 11 または macOS High Sierra にアップグレードしてください。
AirDrop、メッセージ、メールなどのほかの方法で HEIF または HEVC メディアを共有するときは、JPEG や H.264 など、互換性を確保しやすいフォーマットで共有されます。
USB で HEIF/HEVC メディアを読み込む
接続した iOS デバイスから写真 App、イメージキャプチャ、Windows パソコンに HEIF メディアや HEVC メディアを読み込む際、JPEG または H.264 に変換される場合があります。
iOS 11 では、この読み込み動作を変更できます。「設定」>「写真」の順に選択します。「Mac または PC に転送」セクションで、「元のフォーマットのまま」をタップし、メディアが読み込み時に変換されないようにしておきます。
