オンキヨーが「肩乗せスピーカー」国内初披露 ソニー、BOSE製品とどう違う?
音響機器メーカーのオンキヨー&パイオニア(オンキヨー)が、展示会「第2回 AI・人工知能 EXPO」(4月4~6日、東京ビッグサイト)で、肩に乗せて使うタイプのスピーカー「VC-NX01」を出展した。発表は今年1月だが、その後は米国開催の「CES 2018」など大規模な国外イベントにのみ出展しており、国内で披露するのは初めて。
現在は開発中で、商品化の時期や価格は未定。早期発売に向けて試作機の改良を続けている段階だ。
“肩乗せスピーカー”の特徴は、肩部分に搭載したスピーカーからサウンドを発すること。周囲に音が広がらず、身に付けたまま持ち運びできるため、深夜や家事中でも音楽などを楽しめる点が魅力で、現在人気を集めている。
ブームの火付け役となったのは、ソニーが昨年10月に発売した「SRS-WS1」。3月上旬放送のバラエティー番組「アメトーーク!」で紹介されると人気に火が付き、現在は「生産が追い付かない状態」となり注文受付を一時停止している。
その後、BOSE(ボーズ)も、米Appleの音声対話サービス「Siri」を起動できるほか、ハンズフリーでの電話が可能な新製品「SOUNDWEAR COMPANION SPEAKER」を3月末に発売している。
注目度が高まる分野に参入するオンキヨーは「当社の肩乗せスピーカーはまだ開発途上」(マーケティング担当者、以下同)としながらも、「独自性の高い仕様を設けており、商品化すれば他社との差別化を図れるだろう」と展望を話す。
オンキヨーの肩乗せスピーカーは、他社製品とどのような面で異なるのか。
●他社製品とどう違う?
オンキヨーの担当者は「提携する米SoundHoundの音声対話技術『HOUNDIFY(ハウンディファイ)』を組み込むなど、パートナー企業と協力して作り上げた独自のAI(人工知能)『Onkyo AI』を搭載している点が他社製品と異なる」と強調する。
ソニー製品はテレビとの接続がメインで、専用の小型受信機を介した音声再生が主な用途。音声対話には対応していない。BOSE製品は「Siri」との連携は可能だが、自社でのAI開発は行っていない。
現段階でのオンキヨー製品の試作機はBluetoothでスマホと接続し、アプリで操作する形式だが、「ゆくゆくはスピーカー内にSIMカードを搭載し、スタンドアロンで動作する予定」という。「クラウド上のAIと自律的に通信・連携するため、話すほどに賢くなるだろう」としている。
●「レストランを予約しましょうか?」
具体的には、AIとの対話によって(1)店舗の予約、(2)スケジュール管理、(3)ナビゲーション、(4)音声での着信通知、(5)口頭指示での音楽再生――などが可能になるという。
「今の気分に合った音楽を流して」といった指示に応じるほか、スピーカーが自ら「もうすぐ12時(正午)です。近くのレストランを予約しましょうか?」などとユーザーに話しかけ、返答すると予約する――といった用途も可能になるとしている。
担当者は「肩に乗せるだけで道案内をしてくれるので、ナビアプリを見ながらの“歩きスマホ”防止に貢献できそうだ。バイクや自転車を運転しながら、正しいルートが分かる点も魅力だ」と自信を見せる。
首元にセンサーを搭載し、身に付けるだけで起動する機能も設けた。AIの音声を男性、女性、アニメ風“萌えボイス”――の3種類から選べるなど、遊び心の効いた機能も取り入れている。
●商品化に向けては課題も多い
ただオンキヨー製品はソニー製品が持つ、音楽に合わせて振動し、臨場感を高める機能や、BOSE製品の着信時に振動で知らせるマナーモードなどには未対応だ。
ソニー製品は7時間、BOSE製品は12時間の連続使用に耐えうる高品質のバッテリーを備えるが、オンキヨー製品は「試作機には長時間使えるほど充電の持続性はない。今後改善が必要だ」という。
「SIMを搭載して高機能化を図りたいが、サイズが大型化する懸念もある。ユーザーの使用感を高めるためにも小型化・軽量化は不可欠で、今後はバランスをみながら進化させたい」としている。
商品化に向けては課題も多いが、「肩乗せスピーカーへのオリジナルAI搭載」という前例のない取り組みにチャレンジするオンキヨー。機能性と快適な使用感を両立させて商品を世に出し、ソニー製品のようなブームを巻き起こすことはできるのだろうか。
