Facebookフェイスブックのデータ流出問題、利用者5000万人以上の個人情報を利用、英当局がデータ保護に関し捜査

フェイスブックのデータ流出問題、英当局がデータ保護に関し捜査

2016年の米大統領選でトランプ陣営が契約した英データ会社が、米フェイスブック<FB.O>利用者5000万人以上の個人情報を利用した疑いが浮上する中、英国当局は同社のデータ保護が十分だったかどうか捜査している。

米ニューヨーク・タイムズ紙と英オブザーバー紙は17日、英ケンブリッジ・アナリティカ(CA)による情報収集疑惑を報道。欧米の議会では調査を求める声が強まっている。

英情報監督局(ICO)のエリザベス・デナム委員長は、CAの事務所に関する捜査令状を請求しているという。

フェイスブックの株価は19日、新規制により広告事業が悪影響を受け、利用者に対する求心力が低下するとの懸念から約7%下落。時価にして400億ドル程度が吹き飛んだ。

デナム委員長はBBCラジオで、フェイスブックとCAの取り調べは、個人情報の利用に関する幅広い捜査の一環だと説明。「フェイスブックが同社プラットフォーム上の個人情報を保護していたか、データ損失が発覚した際にしっかりと対処したか、利用者に情報が知らされたかどうかを調べている」と述べた。

CAは報道内容を否定。2014年にサードパーティー製ソフトウエアからフェイスブックの情報を入手したが、この情報がデータ保護法に違反していることが判明したため、全データを直ちに消去したと主張した。

フェイスブック個人情報流出、ユーザー離れ加速か

フェイスブック(FB.O)のユーザー離れに追い打ちをかける要因がまた1つ増えた。米大統領選でトランプ陣営が契約した英データ会社が、フェイスブック利用者5000万人以上の個人情報を収集したとの新聞報道だ。既にユーザーの利用時間は減っているが、これをきっかけに利用を一切止めてしまう人が増える恐れもある。 

19日の米株式市場でフェイスブック株は急落し、時価総額350億ドル以上が吹き飛んだ。米ニューヨーク・タイムズ紙と英オブザーバー紙によると、英データ会社ケンブリッジ・アナリティカはフェイスブックのデータを無許可で入手し、2016年の米大統領選を含む選挙で有権者に影響を及ぼすソフトウエアを構築していた。 

これを受け、米欧の複数の当局が調査に乗り出した。フェイスブックはただでさえ、偽ニュースと広告視聴時間の算出を巡る不備の問題と格闘している。こうした過去の問題はまだ広告業界からの信頼を揺るがすには至っておらず、フェイスブックの昨年の収入は47%増えて410億ドルに達した。 

しかしこうした問題は、別の方面から業績に影響を及ぼし始めているようだ。ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は最新の四半期決算の発表時、ユーザーの利用時間が1日合計5000万時間ほど減少していることを明らかにした。広告主は視聴時間に照らして広告掲載を判断することが多い。 

第4・四半期の世界の1日当たりアクティブ・ユーザー数は前年同期比14%増の14億人に増えたが、主要市場ではほころびが見え始めている。米国とカナダの登録者数は前年同期比100万人減の1億8400万人となり、欧州では登録者数の伸びが著しく鈍っている。これらの地域は収入の75%近くを占める。 

SNSの先駆けだったマイスペースを見れば分かる通り、フェイスブックが長期にわたって支配的な地位を維持できるという保証はまったくない。調査会社イーマーケターの推計では、ユーザーの伸び鈍化と広告価格の頭打ちが影響し、米デジタル広告市場に占めるフェイスブックのシェアは、向こう2年間でわずかに減る見通しだ。個人情報保護の問題が加わったことで、この凋落は加速するかもしれない。 

●背景となるニュース

*フェイスブック株は19日、約7%下落した。米大統領選でトランプ氏陣営が契約した英データ会社が、フェイスブック利用者5000万人以上の個人情報を収集したとの新聞報道がきっかけ。 

*欧州連合(EU)の議員らは19日、この問題を調査すると述べた。米上院ではジョン・ケニー(共和党)、エーミー・クロブシャー(民主党)両議員がザッカーバーグCEOのほか、グーグルの親会社アルファベットとツイッターのトップによる議会証言を要請した。 

個人情報5000万超流出か、四面楚歌のフェイスブック

友情を育むビジネスを成長させた割には、フェイスブック(FB.O)は驚くほど多くの敵をつくっている。 

英米2紙が報じた、フェイスブック利用者約5000万人の個人情報が不正に収集されていたとの疑惑を巡って、同社の慣行に改めて怒りの声が上がっている。事態は、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が、手に負えない窮地に陥っているわけではないことを何とか証明しなければならないところまで来ている。 

この33歳のハーバード中退者は、大学寮の自室でフェイスブックを開設してから、時価総額5400億ドル(約57兆円)の巨人に成長させるまでの間、常に疑いの目を向けられてきた。それを乗り越えてきた実績で増長された傲慢(ごうまん)は、いまや誰の目にも明らかだ。 

ザッカーバーグ氏は、政治や文化、社会にこれほど大きな影響力を持つ巨大企業を運営することに伴う責任に無関心か、責任を取る能力がないように思われる。 

そのことは、今回の疑惑を巡る会社側の不十分な対応を見ても分かる。 

米紙ニューヨーク・タイムズと英紙オブザーバーは17日、2016年の米大統領選でトランプ陣営が契約していたデータ分析会社、ケンブリッジ・アナリティカ(CA)がフェイスブック利用者約5000万人の個人情報を不正に収集していたと、内部告発者の話を基に報じた。 

さらに悪いことに、フェイスブックはその事実を把握しながら、利用者に警告しなかったと2紙は報じている。 

この恐ろしい指摘に対してフェイスブック側が示した最初の反応は、これは技術的には「データ流出」ではないとの的外れな弁解を行い、遅ればせながらCAのアカウントを停止したことだった。

社外からの反応は、明らかに、そして当然ながらより厳しかった。米国では、情報流出について捜査を求める声が議員から上がっている。民主党のクロブシャー上院議員は、自身が委員を務める上院司法委員会で証言するようザッカーバーグ氏に要請した。 

英保守党議員の1人は、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問うた国民投票へのロシア介入に関する議会調査の場でザッカーバーグ氏が証言することを求めた。 

ザッカーバーグ氏はこの1年あまり、各地の住民と触れ合うアメリカ横断の旅には乗り出したが、こうした要請からは逃げ続けている。

フェイスブックは、自社が抱える問題の深刻さを把握することに無残に失敗した。 

ザッカーバーグ氏は、フェイスブックにまん延していたフェイクニュースは選挙に影響しなかったと述べた2016年の不注意な発言について、謝罪するまでにほぼ1年を要した。その間、同社のオンライン広告の威力や、プライバシー事案の取り扱い、欧州での納税額について、懸念が深まっていった。 

ザッカーバーグ氏は10年前、自身のスタートアップを真面目な企業に育てるため、シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)を雇い入れた。 

「大人」の監督をもっと受け入れるべき時かもしれない。

テンセントがスナップ出資拡大、フェイスブックけん制

写真・動画共有アプリを運営する米スナップ(SNAP.N)は、中国インターネット大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)(0700.HK)による出資比率が12%に達したと公表した。中国の有力なソーシャル・メディア・アプリ「ウィーチャット(微信)」を傘下に持つテンセントとスナップとの連携強化は、米フェイスブック(FB.O)に向けた強烈なメッセージとなる。

スナップが7日発表した第3・四半期決算は、またしてもさえない内容となり、翌日の株式市場で同社株は急落した。そんな同社が、テンセントによる出資拡大をわざわざ公表したのは驚くにあたらない。スナップは、共同創業者が議決権の大半を抑える悪名高い株式保有構造ゆえに、出資比率の変化を開示する義務はまったくなかった。

それをあえて公表したのは、空売り筋に一矢報いることだけが狙いではないはずだ。フェイスブックのような商売敵に対し、資金力豊富な新しい後ろ盾の存在を見せつけることにも意味があった。時価総額4690億ドル前後のテンセントは、株価が3月の新規株式公開(IPO)時を下回るスナップよりも強大な存在だ。スナップはテンセントとの間で「発想や経験を共有したい」とも表明している。

世界展開を見据えるテンセントは、米電気自動車(EV)大手テスラにも出資し、じわじわと米国に食い込んでいる。スナップの技術を真似し放題のフェイスブックが、中国で厳しい競争に遭うことは、テンセントに有利に働く。また中国政府は国内でのフェイスブックの利用を禁じており、今のところ解禁の気配がないが、仮に解禁した場合にはテンセントにとって手ごわい競争相手になるだろう。 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、フェイスブックは中国で写真共有アプリ「カラフル・バルーンズ」を密かに始動し、上海で事務所物件を探している。中国の標準語を勉強しているザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は先月、同国を訪問したばかり。フェイスブックが中国進出を試み続けるなら、スナップにも頑張ってもらうことがテンセントの利益にかなう。

米フェイスブックの危険な広告依存

米フェイスブック(FB.O)はマディソン街以外にも目を向けるべき時に来ている。26日発表した第2・四半期決算は、20億人のユーザーにアピールしようとするブランドが増え、利益が予想を上回った。 

しかし、急激な売上高の伸びは落ち着きつつあり、広告に占めるモバイルのシェアにも限りがある上、規制当局は同社の支配力への監視を強めている。 

確かにフェイスブックは絶好調だ。第2・四半期の純利益は71%増。1株利益は1.32ドルでアナリスト予想を難なく上回った。株価は最高値を更新、年初来の上昇率は44%に迫った。売上高は約45%の増加と予想に達した程度だったが、同社幹部がここ数カ月、足元の広告減速を警告していたことを踏まえると、大した成果と言ってよい。

同社が売上高のほぼすべてを広告で稼ぐことを考えると、広告が鈍化すれば痛手だ。モバイル広告の伸びは特に大いが、広告収入全体に占める割合や今では87%に達し、1年前から3%ポイントも上昇した。 

eマーケターによれば、世界のデジタル・モバイル広告市場に占めるシェアは、フェイスブックが23%と、グーグルの35%を下回っており、フェイスブックに一段の成長余地があることを示唆している。ただ、今後深刻なトラブルに発展しかねない問題も見え隠れしている。欧州の反トラスト当局は、ハイテク大手に目を付けており、先月はグーグルに過去最高の27億ドルという制裁金を科した。こうした流れの中、米当局も両社の競争上の優位性を巡って監視を強める可能性がある。 

フェイスブックは現状にとどまってはいない。第2・四半期は費用が33%増加、積極的な投資を行っていることが分かった。ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は26日のアナリスト会見で、人工知能(AI)の利点を盛んに宣伝した。AI脅威論を展開する米電気自動車大手テスラ(TSLA.O)のマスクCEOとは違い、ザッカーバーグ氏は、ニュースフィードにおける「偽ニュース」のあぶり出しや、広告に反応しやすい消費者の特定など、AIの潜在性を評価している。フェイスブックは3年前、20億ドルを投じオキュラスを買収したが、ザッカーバーグ氏は今回、バーチャルリアリティにはほとんど言及しなかった。 

グーグルの親会社のアルファベット(GOOGL.O)は、自動運転車などの分野で多額の投資を行っており、アマゾン(AMZN.O)はクラウドサービスを大きな収入源に育て上げた。フェイスブックは、業界でほぼ頂点に立った現在、別のチャンスを模索し始めてもよい時期だ。

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