「糖と歩む」創業105年の老舗ブランドが熱い
講師は喉が命!株式講座を受け持つ私が、とくに乾燥が気になるこれからの季節に手放せないのがのど飴です。昨今、のど飴といえど、いろんなバリエーションがあり目移りするところですが、わたしの定番はカンロ(2216)の「健康のど飴」。じつは”のど飴”という概念はそれまでの日本にはなく、カンロが初の”のど飴”菓子メーカーでもあります。
現在のカンロは、のど飴のほか「金のミルクキャンディー」や「ピュレグミ」が主力製品。どちらもドラッグストアやコンビニに必ずといっていいほど置いてありますよね。
愛媛県出身者として買わずにいられないのが、ジュレピュレシリーズの「瀬戸内みかん」。周りにすっぱいパウダーがまぶしてあるので、口の中に入れた瞬間は「すっぱ!」と口をすぼめるのですが、そのあと中から濃密であまいジュレがじんわり出てくる大人女子向けのグミです。このシリーズに、11月中旬より練乳入りとちおとめ苺味が仲間入りするそうでこちらも期待大です。
とはいえ、やはりカンロといえばカンロ飴が原点です。そのカンロ飴が来年2018年に発売以来60年ぶりにリニューアルすると発表されました。アミノ酸を使わずに砂糖、水あめ、しょうゆのみで作るとのこと。なんともシンプルな原点回帰です。中学生のときのマラソン大会で、走り終わったあとに配られたカンロ飴のおいしかったこと。あのしょうゆの隠し味が、いつまでも日本人のふるさとの味として記憶されているように思います。
さらに40年ぶりにロゴをリニューアル。キャンディーをシンボルマークに、カンロ飴の色をコーポレートカラーにしました。創業105年の老舗企業に、なにやら熱い意気込みを感じます。その記者発表の際の社長のコメントが熱い!
「われわれは糖から逃げられないし、糖というのは、体にとって非常に大切なものなんだから、そこから逃げない」
社員一同が「糖と歩む」と決意したそうです。ここまで糖推しされたら応援するしかありません。最近は、糖質制限ダイエットなどが幅を利かせてましたからね。そんな風潮に真っ向勝負です!
■ じわりじわりと高値を追っていく展開
肝心の業績ですが、11月9日に発表された2017年12月期第3四半期の決算は、前年同期比で経常利益が86.6%増の4億6800万円で着地。通期予想の8億5000万から見た進捗率は、55.0%と第3四半期にしては物足りなく感じるかもしれませんが、同社の過去5年の平均進捗率は46.1%なので、通年よりも調子がよいということになります。会社四季報の予想では9億4000万と10%独自増額されており、上振れ着地が期待されるところ。
週足チャートを見るとキレイな上昇トレンドを描いています。このまま2005年に付けた高値3600円近辺を目指していくのかなと考えています。まずは、11月10日につけた年初来高値3265円を超えていけるのかに注目です。
ただ、投資家の皆様はあまりカンロ飴には興味ないのか、日々の売買高は貧弱です。これから本格的なのど飴の季節ですので、もっと注目されて流動性が高まるよう、のど飴舐めながら願っています。
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/2010年より株式投資を始め、5年で自己資金を10倍に増やす。ファイナンシャル教育機関「ファイナンシャルアカデミー」にて、「お金の教養スクール」など、多数の講座を担当。著書に『数字オンチのわたしが5年で資産を10倍にした方法』(扶桑社刊)など。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
藤川里絵
