DUAL家電2017「リセット家電」編 掃除や衣類ケア
年末がやってまいりました。今年もまた、数多くの家電の中から、DUAL世帯に本当に役立つ機能を持つ家電を選ぶ「DUAL家電2017」を発表します。家電を選ぶのは、連載「賢く買いたい!共働き必携家電の選び方」でおなじみの家電コーディネーター、戸井田園子さん。取り上げるジャンルは、ハウスキーピングや衣類ケアに役立つ「リセット家電」、ワンランクアップの上質な日常を楽しむ「キッチン家電」、自分ケアで日ごろの疲れを癒やす「ごほうび家電」の3本です。今回取り上げるのは「リセット家電」。さて、どんな家電が選ばれるのでしょうか。
【戸井田園子さんが選ぶ DUAL家電2017】
(1)「リセット家電」編 掃除や衣類ケア ←今回はココ
(2)「キッチン家電」編 ワンランクアップの日常を
(3)「ごほうび家電」編 自分ケアで疲れを癒やす
●今年は、来たるべきIoT家電時代を迎える準備の年
最初に発表するのは、ハウスキーピングと衣類ケアに役立つ「リセット家電」です。「リセット家電」とは、「掃除や洗濯、食器洗いなど、目標とする到達点が同じで、誰が行ってもよい家事=リセット家事」をサポートする家電のこと。リセット家電を上手に使って家事を代行させられるようになれば、家事の負担は大幅に軽くなります。
このコーナーでは、毎年、掃除機や洗濯機を紹介していますが、今年は少し傾向が違っています。特に衣類ケアではIoT家電の進出が目覚ましく、これまでの常識を覆すような家電が多く登場しています。
戸井田園子さんは、今年の「リセット家電」の動きについて、次のように分析しています。
「今年は特に、衣類ケアが元気でした。IoTの技術を取り入れ、先進的な取り組みをしている家電が目立ち、個人的にも大変楽しい年でした。とはいえ、海外ではIoT家電が当たり前に使われていていますから、日本は遅れをとっている状況です。
来年以降、スマートスピーカー(Google HomeやClova WAVE、Amazon Echoなど)がそれらの家電を操作するコントローラーになり、声をかけるだけで掃除や洗濯ができるようになるでしょう。今年は、いわばその前哨戦のような年でした。デュアラーのみなさんも、来たるIoT家電時代に備えるため、今のうちにIoT家電を使いながら勉強をしておくことをおすすめします!」
では、まず掃除機から見ていきましょう。今年最も売れたのは、コードレス・スティック掃除機。コードがないため、すいすい持ち運べるのがうれしいですね。ただ、コードレス・スティック掃除機は重心が上のほうにあるため、「長時間使っていると腕が疲れる」という声も。
そこで今年は、軽量化されたコードレス・スティック掃除機が発売されました。なかでも特におすすめなのが、平均重量が1.5kgという軽量タイプの「ラクティブ エア EC-A1R」(シャープ)。「まるでハタキのように軽いので、高いところでも軽々と持ち上げて掃除できます」(戸井田)。
コードレス・スティック掃除機は重心が上にあるから重いのであって、キャニスター掃除機のように本体を転がして掃除するスタイルであれば、重さは気になりません。そこで、コードレスのキャニスター掃除機も発売されました。
シャープから発売されたのは、「ラクティブ エア EC-AS500」。本体重量は1.8kgと、一般のコードレス・スティック掃除機より軽くなりました。紙パックなのでゴミに触れずにゴミ捨てができるので、たまったホコリを退治する大掃除におすすめ。サイクロン式「EC-AS700」もあるので、好みに応じて選べるのもうれしいですね。
東芝から発売されたのは、長時間駆動と吸引パワーが魅力の「VC-NX1」。「ラクティブ エア」は充電池が2つ同梱されていますが、ひとつの充電池で連続運転時間が30分(弱モード)なのに対し、「VC-NX1」は1時間(標準モード)。重さは2.8kgと、ラクティブ エアより1kg重いですが、キャニスター型で転がしながら使うことを考えると、この重量差はさほど気にする必要はありません。さらにVC-NX1は、人の動きに合わせてくるっと方向を変えるようにデザインが工夫されているため、楽に掃除できます。
もうひとつ、今年注目したい新製品がありました。エスキュービズムのロボット掃除機「SCC-R05GM」です。「一人暮らしや若い夫婦の二人暮らしには、その生活に合ったサイズの家電があってしかるべき。それが、エスキュービズムが提唱する『ミノタケ家電』です」(戸井田)。
「SCC-R05GM」も、「ミノタケ家電」として発売された家電の1つ。幅274 × 高さ32 × 奥行き281mmという小型サイズで、価格は1万4800円という低価格。「ルンバやブラーバのような高機能モデルではありませんが、その分コスパがいいため、『ロボット掃除機を試してみたい』という人は、ここから始めてみてもよいかもしれませんね」(戸井田)。
次に発表するのは、「衣類ケア」家電です。衣類ケアを任せる家電といえば洗濯機ですが、今年注目された製品は、洗濯機だけではありません。では、どんな家電があったのでしょうか。
1つは、衣類スチーマー。これまでアイロンといえば、アイロン台を出し、温まるまで待たなければなりませんでした。ところが衣類スチーマーは、衣類をハンガーに吊るしたままで使えるうえ、スイッチを入れればすぐに使えるようになるため、お出かけ前の数分でアイロンがけが終わります。
スチームアイロンだけどアイロンとしても使いたいという人は、どちらでも使える2ウェイがおすすめ。手軽なのは、パナソニックの「NI-FS530」。目立つシワをスチームでざっと伸ばした後、平らな場所に衣類を広げてアイロンのようにプレスすれば、細部まできれいに伸ばすことができます。
もう少し本格的な2ウェイを使いたいのであれば、2017年10月に発売されたティファールの「トゥイニー」。前機種の「アクセススチーム」は蒸気量が多い衣類スチーマーとして知られていましたが、その後継種であるトゥイニーはさらに蒸気量がアップ! タンクが別になるので、手元が軽くて操作もしやすいです。アイロンはコテ型で掛けやすいのですが、少し本体が大きめなのが難点。それが許容できるのであれば、究極の2ウェイとしてオススメです!
もう1つ注目したいのは、ホームクリーニング機「LG styler」(LGスタイラー)。衣類をハンガーに吊るしておくだけで衣類をきれいにする家電です。庫内で循環する蒸気と、1分間に約180回左右に大きく振動するハンガーラックの効果で、衣類についたシワや臭い、花粉、皮脂汚れなどを取り除きます。水を使わずに洗濯するという、画期的な洗濯スタイルを提案した家電です。
「これまで制服や上着は、クリーニングに出すしかありませんでした。しかし、LGスタイラーがあれば、毎日自宅で洗うことができるので、衛生的ですね。本体価格は21万円程度と高価で、まだ一般には普及していませんが、いずれ各家庭にLGスタイラーがあるという時代がやってくるでしょう」(戸井田)。
最後は、除湿乾燥機。最近は、洗濯物を乾かす目的で、除湿乾燥機を使う人が増えてきています。そこでイチオシなのが、濡れている場所を「ムーブアイ」でサーチし、そこを集中的に乾かす「MJ-120MX」(三菱電機)です。
「除湿乾燥機を使って洗濯物を乾かすようにすれば、天気に左右されることなく洗濯できるようになるので、気分的にとても楽になります。特に夫婦共働きのデュアラー世帯には、なくてはならない家電と言えるでしょうね」(戸井田)。
今回はランクインしませんでしたが、スマホを使って外出先から洗濯の操作ができる「NA-VX9800L/R」(パナソニック)も、注目すべきリセット家電のひとつ。来年以降、IoTを活用した様々なリセット家電が登場することが予想されています。こうした家電を上手に利用して、家事の負担を減らしながら快適な生活を続けていきたいですね。
(解説/戸井田園子 取材・文/井上真花)
