山頂で係員が機転…スキー客70人を地下へ誘導
1人が死亡、11人が重軽傷を負った草津白根山(群馬県)の噴火では、スキー場のゲレンデや建物に噴石が降り注ぐ中、現場の従業員の迅速な対応でスキー客の避難が進められた。
一方で、地元の草津町やスキー場には避難誘導のマニュアルがないなど課題が残った。
「ドーン」。草津国際スキー場に23日午前10時頃、大きな音が響いた。ロープウェーの山頂駅にいた同駅責任者の男性(51)は、その音で噴火に気付いた。「2回目の噴火があるかもしれない。とにかく安全な場所に誘導しよう」。停電で止まったゴンドラを非常電源で動かし、山頂駅の中に入れた。ゲレンデから逃げてきた人も合わせて、避難したスキー客は約70人に上った。
屋根を突き破る噴石から守るため、同僚と手分けしてすぐに全員を地下の宿直室などに避難させた。午後2時頃に救助隊が到着。次々と麓まで搬送された。
