1日1本のたばこでも心臓発作のリスク大、英大学の研究
喫煙本数を1日20本から1本に減らしても心臓発作や脳卒中が起こる確率が大幅に低下することはなく、20本の場合と比べて約50%のリスクが残るという研究結果が24日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)で発表された。
論文の筆頭著者である英国のロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)のアラン・ハックショウ(Allan Hackshaw)教授は、「1日に吸う本数を20本から1本に少なくすればリスクも20分の1、つまり5%に低下すると直感的に考えがちだ」と指摘。
その上で、「これは肺がんのケースでは当てはまるようだが、心臓発作や脳卒中の場合は違う。1日1本の喫煙でも1日1箱分の50%程度のリスクが生まれる」と述べた。
ハックショウ教授は、喫煙本数を1日数本に減らせば長期的な健康被害のリスクがほとんどなくなる、または完全になくなると勘違いすべきではないと強調している。
世界保健機関(WHO)の統計によると、喫煙が原因で毎年約700万人が死亡しており、うち約200万人は心臓発作や脳卒中など循環器系の疾患によるケースだという。
電子たばこ、若者に有害も喫煙成人には有益か 米報告書
ニコチンを含む液体を加熱して蒸気を吸引する電池式機器の電子たばこは、成人の禁煙の助けになる可能性がある反面、若者の喫煙開始を助長する恐れもあるとする米国の調査報告書が23日、発表された。
米国の科学・技術・医学の3学会からなる全米アカデミーズ(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)が発表したこの報告書は、電子たばこの健康への影響に関する査読論文800報以上の調査に基づくものだ。
電子たばこの安全性をめぐる国際的な議論が高まる中、報告書は米連邦議会の要請を受けてまとめられた。
報告書は、ここ10年で使用が拡大している電子たばこについて、「従来のたばこに比べて含有する有害物質の数が少なく、濃度も低い」としているが、その一方でその常習性についても触れている。
電子たばこによって体内に取り込まれるニコチンの量はさまざまだが、電子たばこの使用経験が長い成人は「従来のたばこと同程度のニコチン」を摂取しており、これが電子たばこ使用者に「依存常態の症状」を引き起こす傾向がみられた。また電子たばこの使用率は成人より若者の方が高く、電子たばこが従来型たばこを始めるきっかけとなるリスクへの「実質的証拠」が今回の報告書では明らかにされている。
一方で、報告書を執筆した全米アカデミーズ研究調査委員会のデービッド・イートン(David Eaton)委員長によると、成人の喫煙者が禁煙目的で電子たばこを使用する場合には「喫煙関連の病気を減らす機会が得られる」という。
報告書は、電子たばこの使用により「従来型たばこに含まれる多くの毒性物質と発がん物質にさらされるのを抑える」ことの「決定的証拠」が示されたとしながら、従来型たばこから電子たばこに切り替える「結果として、複数の臓器系で短期の有害転帰が減少する」としている。
だが、電子たばこの長期的な影響については不明のままだ。そして、電子たばこが公衆衛生にとってプラスの影響かマイナスの影響かについても、研究者らはその区別を明確にしていない。
報告書は、「この疑問に対する明快な答えを導き出すには、電子たばこの短期的および長期的な健康への影響と、従来型の喫煙との関係に関するさらに多くの研究を重ねる必要がある」としている。
