「50年以上」放置、理不尽なクリーニング長期保管、業者の9割に 業界団体「処分ガイドライン」作成へ

預けたまま放置…理不尽なクリーニング長期保管、業者の9割に 業界団体「処分ガイドライン」作成へ

 全国のクリーニング店で預けた品物を長期間取りに来ない客が相次ぎ、保管スペースが不足するなどの問題が出ているとして、業界団体が年度内にも、処分に関する初のガイドラインを作成することが29日、分かった。業界団体の調査では業者の約9割で長期保管を抱えていることが判明。所有権が絡み、処分に踏み切れない実態があり、明確な基準を策定することで問題の解決を目指すという。

3〜5年23% 「50年以上」放置のケースも

 「全国クリーニング生活衛生同業組合連合会」(全ク連)が平成29年夏に預かり品の長期保管について全国の427業者を初めて調査。その結果、仕上がり予定日を過ぎても、数カ月以上引き取りに来ない品物を抱える業者は全体の87・4%に上った。

 業者ごとに最も長く保管している品については3〜5年未満が23・2%で最多。5〜10年未満(20・5%)、1〜3年未満(15・4%)が続いた。25年以上も5・9%あり、中には「50年以上」と答えた業者もあった。

 長期保管になった理由は「客と連絡が取れなくなった」(64・3%)、「客が忘れている」(62・5%)、「客に連絡しても引き取りに来ない」(47・7%)など。また、長期保管に伴う負担として、78・6%が「保管スペースの確保」と回答した。店舗のスペースが不足し、保管用に倉庫を借りたため、経営が悪化したと説明した業者もあった。

色あせ、カビ発生も…所有権は客側に

 全ク連によると、業態などを定めたクリーニング業法に、預かり品の保管期限についての規定はない。このため、預かった品物の所有権は客側にあり、預かりの期限を区切ったとしても、店側の判断で処分することができないとされる。

 ただ現実問題として品物を無期限に保管することは難しい。著しい色あせやカビの発生、客の死亡が判明すれば処分するといった業者も一部であったが、「所有権が絡む難しい判断が現場に放り投げられている」(関東のクリーニング店経営者)という。

 こうした問題を受け、全ク連は弁護士や大学教授らを交え、長期保管品の処分に関する初のガイドライン作成に着手。処分が妥当とされる保管期限のめどのほか、品物を預ける消費者側の責務などについて協議し、長期保管問題に苦慮する店舗に明確な基準を示すことを目指す。

 全ク連は年度内にガイドラインをとりまとめ、公表する方針。

阪神大震災前のブラウス、純白のウエディングドレスも1年放置

 「こちらの判断で勝手に処分できるというわけではない。できる限り早く取りに来てほしい」。神戸市兵庫区のクリーニング店「衣料の美容室」の経営者、崎本高司さん(58)は、23年前の平成6年夏に預けられたブラウスを手に取り、こう吐露した。

 同店で5年以上引き取りがない品物は計約100点。最も古いものは、阪神大震災の前年の6年に預けられた商品という。また、昨年預けられた純白のウエディングドレスはいまだ引き取りがない。崎本さんは「(客に)何があったのだろうか」と漏らす。

 長期保管品は2階の保管スペースの余裕をなくさせるだけでなく、品物を保護するためにかけられているカバーがぼろぼろになったり、商品が色落ちしたりするなどのリスクを抱えている。

 とはいえ、店側の判断で処分することはなく、仮に取りに来ても、延滞料や保管料を請求することもない。

 崎本さんは「処分した後に引き取りに来る人が出てきた場合、トラブルの果てに裁判沙汰になる可能性もある。どの店舗も似たような悩みを抱えている」と嘆いており、業界団体の処分基準を作ろうとする動きを歓迎している。

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