高速道路の自動料金収受システムETC不払いなお31万件 未挿入や期限切れ大半

ETC不払いなお31万件 未挿入や期限切れ大半

 高速道路の自動料金収受システム(ETC)の全国展開が始まって16年、料金が支払われないまま通過する「不正通行」は高速6社の合計で、ピークだった約96万件(2006年度)の3分の1にまで減った。それでもなお約31万件(16年度)に上り、国土交通省によるとその大半が「カードの挿入し忘れなどうっかりミスが原因」。運転前の確認で防げるはずで各社とも啓発活動に力を入れるが、根絶までの道のりは遠い。

 高速道路各社が把握した不正通行の内訳は、東日本約6万件(前年比8%減)、中日本約5万2千件(同7%減)、阪神約5万件(同2%増)、西日本約5万件(同5%減)、本州四国連絡約2千件(前年比増減なし)。首都高速道路は「意図的な不正とうっかりミスが混在しており、対策に支障が出る」として件数を公表していない。

 同省によると、カードの未挿入や挿し間違い▽カードの期限切れ▽車載器などの不具合-が主な原因で、全体の8~9割を占める。高速道路会社からの未課金であることを通知されて初めて気付くドライバーも多いという。

 年末年始で高速道を利用する機会も増えることから、同省は「運転前にはカードがETC車載器に挿入されているか、期限は大丈夫かを点検してほしい」と強調。カード未挿入で料金所を通過した場合、高速道路会社に電話でカード番号を告げることで料金を支払うことができるケースがあり「未課金に気付いた時点でまずは連絡を」とも呼び掛ける。

 高速各社は「うっかりミス」をなくそうとポスターやチラシなどで啓発。阪神高速道路(大阪市)は11月を防止対策強化月間とし、兵庫県内などのパーキングエリアでドライバーにチラシを渡すなどし訴えた。ただ、「車を乗り換えたら車載器の再セットアップが必要なことさえ知らないドライバーが多い」と同社担当者は嘆く。

 一方で、悪質なケースも後を絶たない。西日本高速道路(大阪市)ではホームページ上に、料金所の強行突破や開閉バーのすり抜け、通行区間の虚偽申告などの事例を紹介。悪質な不正通行と認定した場合、罰則として通常料金の3倍相当をドライバーに請求すると警告している。同社は「重大な違法行為には厳正に対処する」という。

【ETC】高速道路の料金所に設けられた機器と通行車の車載器との通信により、ドライバーが料金所で車を止めなくてもクレジットカードなどで料金を支払うことができる仕組み。2001年11月末に全国展開され、利用率は現在約90%。

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