米ディズニー、男児死亡事故のずっと前から「ワニ問題」把握していた
米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)のテーマパーク「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(Walt Disney World Resort)」で昨年、2歳の男児がワニに襲われて死亡した事故で、同テーマパークが事故のずっと前からワニの問題を把握していたことが3日、公式データによって明らかになった。
フロリダ州の魚類・野生生物保存委員会(FWC)によると、2016年6月14日にワニがレーン・グレーブズ(Lane Graves)君を水中に引きずり込んで死亡させた事故が起きるまでの15か月間で、ティズニーの敷地内では45頭のワニが捕獲されていた。
最新のデータによると、グレーブズ君が襲われた日から今年9月までに、ディズニーの敷地内で捕獲されたワニは95頭に上っている。
グレーブズ君がワニに襲われた現場となったホテルの人工湖のビーチには遊泳禁止の標識は設置されていたが、ワニに注意するよう警告する標識はなかった。
ディズニーはグレーブズ君の事故後、ビーチにワニとヘビへの注意を促す標識を設置した。しかしこの措置は観光客らに対する抑止力になったが、防護柵を越えることができるワニに対しては効果はなかった。
FWCは2023年まで、ディズニーの敷地内で体長1.2メートル以上のワニを400頭まで駆除することを捕獲業者に認めている。
ワニに襲われた2歳児、遺体で発見 米ディズニー旅行が一転悲劇に
楽しいディズニーリゾートでの家族旅行が一転、悲劇に──。米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)のテーマパーク「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(Walt Disney World Resort)」のホテル前にある人工湖でワニに襲われ、行方不明になっていた男児(2)が、遺体で発見された。地元警察当局が15日、発表した。
オレンジ(Orange)郡のジェリー・デミングス(Jerry Demings)保安官は記者団に対し、「男の子の遺体はまったく損傷がなかった…遺体は検視のため、オレンジ郡の医療局に引き渡された」と語った。死因はおそらく水死だとしている。男児はネブラスカ(Nebraska)州在住のレーン・グレーブズ(Lane Graves)君と特定された。
現場となったのはディズニー・グランド・フロリディアン・リゾート&スパ(Disney's Grand Floridian Resort & Spa)前の湖。14日午後9時(日本時間15日午前10時)ごろ、深さ約30センチの浅瀬で遊んでいた男児が、ワニによって水中に引きずり込まれた。当局によると、父親がワニと格闘したが、ワニは男児と共に水中に消えた。ワニの体長は推定1.2~2.1メートルと報じられている。
湖は人工だが自然湖とつながっており、フロリダに多く生息するワニは陸地を移動することができることから、湖にワニがいたことも説明がつく。フロリダ州魚類野生生物局関係者によると、湖には遊泳禁止の標識があったが、ワニへの注意を促す掲示はなかったという。
ワニの襲撃による死亡事故は、ディズニー・ワールドの45年の歴史で初めて。同園は事故を受け、リゾート内のビーチやマリーナを閉鎖したと発表した。