<ネット通販>相次ぐ配送料値上げ 広がる消費者へ価格転嫁
宅配最大手のヤマトホールディングス(HD)が28日に発表した法人向け運賃値上げなどの影響で、インターネット通販各社の送料値上げが相次いでいる。アスクルは10月から、千趣会は11月からの送料一部値上げを発表。宅配費用の値上げ分を消費者へ価格転嫁する動きが広がってきた。
事務用品通販大手のアスクルは、運営するネット通販サイト「ロハコ」で10月2日注文分から、900ミリリットル以上の飲料ケース約80商品に「特別配送料」350円を加算する。また、沖縄本島を除く離島への配送に「離島配送料」350円を加算。ロハコは1900円以上の注文で配送無料となるが、これら二つのケースでは配送料が発生することになる。
通販サイト「ベルメゾン」などを運営する千趣会は11月1日注文分から、注文金額5000円未満の送料を従来の350円から490円に値上げする。主な配送を委託している佐川急便が大口顧客への運賃を値上げしたため。同社は「社内でコストを吸収するよう価格維持に努めたが、現状のまま提供することが困難になった」と話している。
また、衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの前沢友作社長も、自身のツイッターで10月1日正午からの送料変更を告知している。
一方、ヤマトの最大の取引先であるネット通販大手のアマゾンジャパンは「個社との契約についてはコメントできない」と話す。ただ、これまでは商品の大きさにかかわらず一律に大型梱包(こんぽう)材を使用する傾向だったのに、最近は小袋など小型の梱包資材での発送が増えており、荷物の大きさで異なる運賃への対応が狙いとみて「値上げ容認の動かぬ証拠」(大手通販幹部)と指摘する声も出ている。「アマゾンは4~5割の運賃値上げを容認したとみられる。アマゾンでさえ値上げを受け入れたのだから、他社も値上げは避けられないだろう」(業界関係者)と、影響の広がりが予想される。
ヤマト社長が会見 宅配大口の法人8割で値上げ受け入れ
宅配最大手のヤマトホールディングス(HD)の山内雅喜社長は28日、東京都内で記者会見し、インターネット通信販売など大口の法人顧客約1000社との運賃交渉で、8割程度が値上げを受け入れたと明らかにした。中期経営計画も発表し、働き方改革の一環として、今後3年間で宅配ドライバーを含む従業員の残業時間を半減させる方針を示した。
宅配業界は荷物の急増に伴う人手不足で人件費が膨らみ、経費に見合う運賃を大口顧客に求めていた。宅配取扱個数全体の約5割を占めるヤマトが値上げにめどを付けたことで、通販などの商品価格が値上がりする可能性もある。
