NHKネット視聴に受信料、結論先送り 民放の反発強く
NHKは、インターネットでの番組同時配信で、テレビを持たずネットのみで視聴する世帯の費用負担についてNHKとしての方針表明を当面見送ることを決めた。20日に開かれる総務省の有識者会議での表明に向けて検討してきたが、民放などの反発が根強く、断念した。NHK幹部は「行程表に狂いが出た」としており、NHKが目指す2019年本格開始への影響は必至とみられる。
受信料を支払う世帯については新たな料金を徴収しない方針で、同日、総務省や民放に説明する。同時配信が放送の「補完業務」であることを改めて強調し、支払っている世帯への付加サービスと位置づける。
上田良一会長は今年2月、外部の専門家でつくる諮問機関「NHK受信料制度等検討委員会」を設置。「受信料と同程度の負担が妥当」などとする9月までに出そろった答申を踏まえてNHKの考え方を速やかに示すとしていた。
新たな負担については今後、民放などと議論を重ねて理解を求める。「NHKの肥大化」を懸念する声が出ているが、テレビを持たない世帯は全世帯の約5%で、そのうち同時配信を利用するのは一部とNHKは見ており、「ただ乗りを防ぐために負担は必要だが、慎重に意見を聞くことを優先する」(NHK幹部)ことから結論を見送った。
TVなくネットだけ視聴でもNHK受信料 検討委答申案
番組のインターネットでの同時配信が実現した際の受信料のあり方を検討する「NHK受信料制度等検討委員会」(座長=安藤英義・専修大大学院教授)は27日、NHK執行部に対する答申案の概要を発表した。ネットだけで視聴する世帯に対し、現在の受信料と同程度の新たな費用負担を求める内容を盛り込んだ。
28日から7月11日まで視聴者の意見を募集し、7月末に答申をまとめる。
新たな費用負担の対象として、テレビを持たず、ネットで番組を見るアプリのダウンロードやIDの取得をした世帯を想定。放送受信契約を結ぶ世帯や、パソコンやスマートフォンを持つだけの場合は対象外とした。料金は「なるべく放送の受信料(地上契約月額1260円=口座・クレジット払い)と差をつけないことが望ましい」とした。
