郷土料理「チーイリチャー」復活へ 沖縄・八重山で豚の血出荷再開、血の出荷が停止された理由とは

郷土料理「チーイリチャー」復活へ 沖縄・八重山で豚の血出荷再開

 血を固めて炒める沖縄の郷土料理「チーイリチャー」などで使用される豚やヤギの血が、国の衛生基準を満たさないとして、八重山食肉センターからの出荷が停止されていた件で、衛生対策を進めた同センターは21日から出荷を再開した。同様に豚の血が出荷停止となっていた名護市食肉センターも、年内の再開を目指し、作業手順の改善を進めている。

 八重山食肉センターでは6月に県八重山保健所の行政指導を受け、出荷を停止。その後、採取した血を専門に保存する冷蔵庫を新設し、温度管理を徹底するなど、再出荷に向け対策を講じてきた。その結果、保健所は14日付で再開を認める通知を出した。

 担当者は「八重山では牛汁やヤギ汁でコクを出すために豚の血を使うこともある。取扱量は多くないが、出荷再開に、販売業者からは安堵(あんど)の声が挙がっている」と語った。

 沖縄本島内で唯一、豚の血を出荷してきた名護市食肉センターでも、県の指導を受けながらナイフを刺す豚の喉の毛ぞり、消毒や採取した血の冷却など作業手順を見直している。食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証を受けたい考え。

 センターを管理運営する県北部食肉協業組合の上原守理事長は「手間がかかるため出荷量は従来の半分以下になってしまうが、近く再開できるよう努力したい」と話した。

沖縄の郷土料理・チーイリチャーがピンチ 血の出荷が停止された理由とは

郷土料理チーイリチャー(豚の血の炒め煮、チーイリチー)が本島で一時的に食べられなくなっている。調理に欠かせない豚の血を唯一扱う名護市食肉センターの態勢に不備があるとして、沖縄県が4月11日以降の出荷停止を指示した。センター側は「改善して再開したい」と説明するが、時期は決まっていない。

 厚労省の基準は①採血後すぐ4度以下に冷やす②血液貯留室を作る―などを定めているが、センターは満たしていなかった。センターによると、県北部食肉衛生検査所からはナイフを刺す豚ののどの毛をそることや消毒も求められている。

 豚の血は肉の副産物の扱いで正確な統計はないが、月に1500~2千リットルほどを出荷しているという。

 センターを指定管理するのは畜産関係5社でつくる県北部食肉協業組合。上原守理事長は「関係先にご迷惑をおかけした。食文化を守るため、意識改革をしていきたい」と話した。採血担当の増員などを検討するが、コストが課題となる。

 チーイリチャーを出す店が多い金武町では取り置きの血がなくなり、提供中止が続出している。客の約7割がチーイリチャーを注文するという老舗「久松食堂」では10日に売り切れた。

 店主の宜野智(よしのさとし)さん(54)は「インターネットで食べられなくなるという情報が広がったようで、最終日は注文の電話が鳴りっぱなし。普段の2倍ほどが出て完売になった」と話す。「観光客にも人気が出てきた。なるべく早く出荷再開してほしい」と求めた。

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