社会保障に開いた穴を埋めるのに必要な消費税率は?

社会保障に開いた穴を埋めるのに必要な消費税率は?

最近の財政再建(健全化)のためのお題目は、社会保障の穴を埋めるためというのが本流となっています。財務省の日本の財政関係資料はその点を浮き彫りにしてくれています。

この 6.国債残高の増加要因(9頁) を見ると、

特例国債の発行から脱却することのできた平成2年度以降の国債残高の累増(約664兆円)について見ると、歳出面(+約378兆円)では、90年代は公共事業関係費の増加(+約59兆円)が主要因でしたが、近年では高齢化の進行等に伴う社会保障関係費の増加(+約251兆円)や地方財政の悪化に伴う財源不足の補てん(地方交付税交付金等)の増加(+82兆円)が主要因となっています。

と試算されてまして、国債残高累増のうち4割が社会保障に原因があります。

だから、消費増税で穴埋めしなければならないし、この分を止血できれば財政問題も随分楽になるという流れですね。

ただし、現在の年齢別受益負担構造を維持したまま開いた穴を埋めるとなると(多少の社会保障給付費抑制策はあったとしても)、今後も少子化、高齢化が進行するので、いくら増税しても時間が経つとまた穴が開くので、また増税で穴埋め、しばらくしたら穴が開き・・・と無限ループを繰り返すことになりかねません。

厚生労働省の試算によると、2025年度の社会保障に係る費用146.2兆円のうち税金による負担(厚労省流の表現では公費負担)は60.5兆円ですから、足元(2013年度)の43兆円から18兆円程度増加することになります。そこで、この18兆円の増加を消費税換算すると8%に相当します。

また、内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部『国民経済計算年報』では、消費税収額(付加価値型税)は2014年度で19.1兆円(≒消費税率1%当たり税収は2.4兆円)に過ぎませんので、消費税が福祉目的税!であることを想起していただくと、今現在24兆円の消費税収が足りないことになります。そこで、その分もきっちり消費税を増税して賄うとなると消費税率換算で10%となります。

つまり大雑把な計算ですが、2025年度までに必要となる消費税率の引き上げ幅は18%ポイントと求めることが可能です。したがって、2025年には消費税率は8+18=26%となってないといけません。

要すれば、社会保障に開いた穴を埋めるのに必要な消費税率は18%で、トータルでは26%と北欧並みの消費税率となります。

今般の参院選の各党の選挙公約を見ると、教育関係にしても、社会保障にしても、財源がどうなってるか疑わしい給付増が、与野党問わずいろいろ提示されていますので、実際に採用されるとなると、今後更なる消費増税か、所得増税(累進強化含む)かが必要となるはずです。

各党とも、高齢者にも若年世代にも大盤振る舞いを約束していますので、いずれにしても日本は「大きな政府」まっしぐらと言ったところではないでしょうか?

もちろん、「大きな政府」であろうと「小さな政府」であろうと、効率的な政府であれば問題ないとは思っていますけど。

18歳選挙権で新たに選挙権を獲得したみなさんや、若年世代のみなさんは、提供されるサービスの量や種類だけではなく、そもそもそんなサービスが必要なのか否か、さらにはその代金つまり誰がそのコストを負担することになるのかという点についても、しっかり各党の選挙公約を吟味する必要があると思います。

ある政策のコストはどの世代が負担することになるのかを具体的な金額で示すためのツールの1つに世代会計がありますし(※)、本来は各党の公約がもう少し具体的で給付額と必要な財源が具体的に示されていれば、各党の公約が実現すると各世代の負担はこう変わる!見たいな試算ができて、良い情提供ができるのですが...。

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