2020年に実現する高速通信「5G」の世界とは

2020年に実現する高速通信「5G」の世界とは

世界最大の携帯電話見本市「モバイル・ワールド・コングレス2017」(MWC)が、2月27日から4日間、スペイン・バルセロナで開かれた。

 MWCは、世界各国の携帯電話事業者で構成される業界団体GSMAが主催するイベント。会期前日には、サムスン電子、LGエレクトロニクス、ファーウェイ、レノボ(モトローラ)、ZTEといった主要メーカーが発表会を開催し、スマホの新作を披露した。会期初日にも日本のソニーモバイルが、新型のエクスペリアを発表しており、例年通りなら、これも日本で発売される可能性が高い。

 MWCは、1年のスマホのトレンドを占ううえで重要な役割を持つイベントだ。今年発表されたスマホを見ると、2020年に始まる第5世代の高速・大容量通信(5G)を意識し、その一歩手前までを実現しようとしているものが多かった。

世界初1ギガビット秒のエクスペリア

 ソニーモバイルの「エクスペリアXZプレミアム」は、クアルコムのチップセット「スナップドラゴン835」を初めて採用し、世界で初めて1ギガビット秒(Gbps)の通信速度を実現した。現状では、ドコモのスマホの一部が、3月から受信時最大500メガビット秒(Mbps)に高速化されるが、1Gbpsはその2倍だ。

 世界的に5Gの開始前に、段階的に現状の高速通信規格LTEを強化していくトレンドがある。20年の5Gで一気に変わるのではなく、ゆるやかに速度や通信容量を上げていくというわけだ。LTEで1Gbpsを達成し、その後5Gが導入されると数Gbpsまで速度が向上する。エクスペリアXZプレミアムは、このトレンドを真っ先にとらえて対応したスマホだ。

 もちろん、単に速度が速くなっても、数値だけでは、利用者にとってメリットをうったえにくい。高速通信を生かした機能やサービスが必要になる。

 エクスペリアは、この通信速度を生かし、ディスプレーの解像度を4Kまで上げ、HDR(ハイダイナミックレンジ)と呼ばれる色域やコントラストを上げ、鮮やかな映像を映し出す技術に対応した。一般的に、映像は解像度が上がれば上がるほど、データのサイズが大きくなる。それを支えるのが1Gbpsの通信というわけだ。

アンテナを四つにして高速化

 ソニーモバイルと同様、中国メーカーのZTEも、MWCの会場で「ギガビットフォン」と呼ばれる試作機を公開。実際に1Gbpsで通信できる様子を、来場者にアピールしていた。

 同じ中国のファーウェイは、同社の旗艦モデルとなる「P10プラス」を「4.5世代対応」とアピールした。これは、端末に搭載されるアンテナの数を四つに増やしたもので、エクスペリアXZプレミアムやギガビットフォンも同じ技術を使用している。元々速度があまり出ていなかったロンドンの都市部で高速化が実現できたという実験データも紹介された。

 また、1月に米ラスベガスで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でのトレンドになっていた二つのカメラ(デュアルカメラ)を搭載するトレンドも、MWCでは健在だった。

 先に挙げたファーウェイのP10、P10プラスは老舗カメラメーカーのライカと協業したデュアルカメラを搭載している。LGエレクトロニクスの最新モデル「G6」も、背面に通常カメラのほか、広角カメラを載せており、切り替えることで135度と広い画角の写真を撮ることができる。さらにフランスに拠点を構え、日本にも参入したばかりの新興メーカー・ウイコウも、300ユーロ(約3万6000円)程度と安価なデュアルカメラ搭載モデルを発表した。

超スローモーション撮影ができる機種も

 一方で、エクスペリアXZプレミアムに搭載されたカメラは一つだが、ソニーが開発した最新の積層型のCMOSセンサーを搭載し、デュアルカメラのトレンドに対抗する。

 積層型CMOSセンサーは、映像を作るCMOSセンサーにメモリーを載せ、高速の処理を実現したもの。これによってエクスペリアXZプレミアムは、超スローモーション撮影ができるようになった。動くものを予測して利用者がボタンを押す前からシャッターを切り、4枚の写真を残して決定的瞬間を逃さないようにする機能にも対応した。カメラは利用者から特に人気が高く、今後もこうした進化は続いていきそうだ。

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