顔文字で取引中止!新人営業マン「メールとSNS」失敗事例
4月から営業マンとして新社会人生活をスタートする人も多いだろう。ここで注意すべきは学生時代と社会人の「常識の違い」だ。かつて住宅メーカーのダメ営業マンからトップ営業マンになった経験を持つ筆者が、新人営業マンがやってしまいがちなメールとSNSの失敗について解説する。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)
● SNSの取り扱いで 損をしている人々
「この春から新人営業マンとして採用になった」「4月から営業職に異動になった」というあなたは《私に営業などできるのだろうか…》と不安を抱えていることだろう。
すでに《とても自分には無理だ》と心理的に追い込まれている人もいるかもしれない。
そんなあなたが今後営業で結果を出すために「やるべきこと」そして「絶対にやってはいけないこと」がある。
その一つ要素としてSNSの取り扱いについてご紹介させてほしい。
SNSの取り扱いを間違っており、「かなり損をしている」という営業マンやビジネスマンを数多く見かける。押さえるべき基本的な部分ができておらず、絶対にやってはいけないことをしている人は少なくない。
● 納期遅れの連絡を 絵文字のメールで送って取引中止
毎年、営業研修をご依頼いただく会社の社長とお会いした時のこと。社長はあきれ顔で「納期の遅れをメールで知らせてきた営業マンがいましてね。すぐに取引をやめましたよ」と話し出した。そもそも納期の遅れをメールで伝えること自体がタブーだが、しかもそのメールの文面は
「明日の納期は少し遅れそうです…<(_ _)> 」
というものだったという。
営業マンとしては「納期に間に合わず、本当に申し訳にない」という感情を顔文字で伝えたかったのだろう。しかし、このメールを見た社長は激怒し、それ以降の取引をやめた。
ここで営業マンがやるべきことは、納期の遅れをメールで伝えるのではなく、直接お会いして謝罪するべきだった。聞けばその営業マンは若くて熱心な営業マンという印象だったという。しかし、そのメール1本で、今まで築き上げた社長との信頼を一瞬で失ったのだ。
私は毎週、大学生に向けて営業の授業をしているのだが、授業の合間に20代前後の若者とよく雑談をする。
うちの学生の話によると学生同士で電話をする場合であってもSNSで「今から電話してもいい?」とメッセージを送るという。友達に電話をするのにもアポイントを入れるのは驚きだ。またよっぽどの用件でない限りSNSかメールで用件を済ます。
それが学生間での常識なのだ。
仮に学生にこの“謝罪メール”の話をすれば「そんなことで激怒する社長がおかしい」と答えるだろう。SNSでのやり取りを主としている世代の人には《その程度でどうして仕事の関係を切らなくてはらなないの?》と理解に苦しむのは間違いない。
好むと好まざるとにかかわらず、営業マンになったあなたは、まず「学生時代の常識と社会の常識は違う」といったことを知る必要がある。その営業マンも「納期の遅れの対応はまず電話で謝り、その後直接謝罪に行く」ということさえ知っていれば、関係を切られることもなかった。本当にもったいないことだ。
● 新人でなくても 間違った使い方をしている人
納期の遅れをメールで、しかも顔文字付きで知らせる――。
《そんな非常識な人がいるのかぁ》と思ったあなた、本当にお客様への対応がキチンとできているだろうか。
実は、経験を積んだ営業マンであってもやってはいけない行為をしている人も多いのだ。先日、異種交流会で名刺交換した生命保険の営業マンからSNS経由で「来週のどこかで時間をもらえます?」とアプローチされた。それも友達を誘うかのように。こういったアプローチをする人とは時間を取って話をする気にはならない。
おそらく、私以外の人にも同じようにしているのだろう。これでは交流会で時間と労力をかけて集めた名刺も活かせない。このようにSNSの使い方を間違えている人は実に多い。
先日メールボックスに「菊原さんのメルマガを以前から読んでいまして参考にさせていただいております。ぜひ相互紹介させてください」と書かれたものが届いていた。誰かのお役に立ち、人から必要とされるのは嬉しいこと。
むろん、私にできることならと思いながら読み進めた。するとそのメールには随所に「ちょっと焦りましたが(^^;)」「よろしくお願いします。(^o^)/」といった顔文字が盛り込まれていた。それを見て協力する気がどんどん失せていった。
親しい人からならばまだいい。ただ一度もお会いした事のない人からのメールに絵文字がふんだんに使われていると、どうしても引いてしまうもの。この人も若者ではなく、10年以上の経験を積んだ立派なビジネスマンである。
● 重要情報がライバル社にだだ漏れ SNS投稿にも注意が必要
その他にも「会社の愚痴をSNSでつぶやいて大変なことになった」という失態をした営業マンがいる。
彼は自分のSNSにて“この会社思った以上にブラックだよぉ~”などと思わずつぶやいた。それを上司がたまたま見つけてしまい大問題になったのだ。結果的に、会社からは、厳重注意を受けることになった。
もっとも、「SNSに愚痴アップして上司に怒られた」程度であれば、まだマシだ。それよりもっと怖いのは、ライバル会社に情報が漏れることだ。あなたの知らないところで、ライバル会社の営業マンがチェックしているなんてこともあるのだ。
研修先のハウスメーカーの営業マンから「面白いSNSを見つけましてね」と教えてもらったことがあった。見るとライバル会社の営業マンが「同じグレードの商品なのにA社よりも当社の方が○○万円も高くなって敗戦した。残念!」「構造的に○○の大きさのリビングが取れないよぉ」とつぶやいている。
こういった情報は、他社の営業マンからすると非常にありがたい情報になってくる。その弱点を突けばいいのだから。この営業マンは知らず知らずのうちに、ライバル会社に知られてはならない情報を漏らしていることに気がついていない。
《有名人じゃないんだから自分の好きにアップしてもいいだろう》などと、うかつに仕事関係の事を投稿してはならいのだ。
SNSは非常に便利なツールであることは間違いなく、仕事で使うなと言っているわけでもない。実際、上手く活用している営業マンもいる。お会いした直後にお礼のメッセージを送ったり、相手が欲しい情報をタイムリーに送ったりとうまく使っている。
ただ、そういった人は少数だ。
だからこそチャンスがある。SNSの取り扱いについて軽視している人が多い中、マナーを守り、ポイントを押さえ活用すれば結果は出てくるもの。まずはお客様との連絡手段、文章についてチェックしてみてはいかがだろうか。
