廃線の展示車両 高校生らが“お色直し” 兵庫・西脇
1990年に廃線となったJR鍛冶屋線の旧市原駅(兵庫県西脇市市原)で屋外展示している車両に施されたイラストの塗装を、同市出身のイラストレーター吉田稔美さん(55)=東京都=と西脇高校の生徒約150人がこのほど協力し、塗り直す作業を行った。吉田さんの原画を基に2010年に塗装したが、ここ数年、色あせが目立っていたことから、高校生が“お色直し”に力を貸した。(長嶺麻子)
車両は2両編成で長さ約80メートル。同市がJRから譲り受け、鍛冶屋線市原駅記念館の展示物として運用している。2000年に塗装したものの損傷が目立ったため、10年に修繕と塗装を実施。その際、幼い子どもたちが飽きずに見られるようにと、吉田さんが「海」「宇宙」「妖精の音楽会」などを題材に絵巻物風に仕上げた。
しかし、塗装作業に幼児の参加もあったため安全性を重視した塗料を使ったことから、想定よりも早く色あせが目立つようになった。地域のシンボルとして見るに忍びないと、吉田さんが各所に相談したところ、同高の協力を得ることができた。
高校生たちはタオルなどで車両の汚れを落とし、用意した10色の塗料で塗り直し作業を実施。時折雨が降る中、大型の脚立も使いながら、丸一日かけて色を塗り重ね、鮮やかな色合いを取り戻した。
男子生徒(16)=加東市社=は「鍛冶屋線の存在は初めて知ったけど、地域の人の思い入れがある車両だと実感した。やりがいがあった」と振り返った。
友人らと仕上げ作業を施した吉田さんは「高校生の総力戦で良くなった。車の通行が多く人目に付く場所なので、みんなの地域資源として見守ってもらえたら」と話していた。
