スマホで見る“1分料理動画” 人気のワケ
料理が完成するまでの映像を、約1分と短くまとめた“1分料理動画”が、スマートフォンで手軽に見られることから、今、話題となっている。献立の参考になるだけでなく、見ているだけでも楽しいという料理動画。その人気のワケを探った。
■「イメージがつかみやすい」
今スマートフォンのアプリなどでは、様々な1分の料理動画が多く配信されている。最初に完成した料理の映像から始まり、音楽とともに料理の工程を早送りしながらテンポよく見せ、説明の文字は大きくわかりやすくなっている。
SNSでも動画のフォロワー数が、合計1000万人を超えている。インターネット上ではこんな声があがっていた。
「イメージがつかみやすい」
「気になって最後まで見ちゃう」
「見てるだけでもハマる」
■“1分動画”人気のワケは?
1分の料理動画がなぜ人気なのだろうか。料理動画アプリ“Kurashiru”の制作会社を訪れた。スタジオには机が複数台あり、同時に作業できるようになっていて、セッティングは調理を行う管理栄養士などが自ら行っている。管理栄養士の高山さんはこう話す。
「本来の色がちゃんと出るようにと、一番見やすいようにとか、切ってるところがわかりやすいように、伝わるようにっていうのは意識しながらやっています」
今回、作るのは“きのことベーコンの麺つゆガーリック炒め”。真上から撮影し、手元の様子はカメラモニターを見ながらチェックする。作業工程は早送りでもわかるように、手や器具の位置を変えないよう意識している。
最後に完成品を撮影する際に、箸でソースをつけていた。ソースを塗ると光の反射でおいしそうに見えるということだ。この完成映像次第で、動画の再生回数が大きく違ってくるという。
■なぜ1分なの?
完成した動画を見せてもらった。こだわりの完成イメージから始まり、材料の文字は上に配置。しめじやエリンギ、ベーコンのカットは早送りでテンポ良く進む。フライパンへの材料の投入は同じような動作で行うことで、わかりやすく、短くすることができている。調味料も同じように、右から入れる事で工程をわかりやすくする工夫がされている。
最後にいためて完成。全体で45秒の動画だ。“dely株式会社”広報・田中さんはこう話す。
「高いちょっとぜいたくな料理よりは、毎日の手助けになるようなメニューっていうのをいっぱいアップするように気をつけています」
この会社では、月に約1000本の料理動画を配信している。田中さんに、「なぜ1分なのか」を尋ねてみると――
「弊社も最初は3分とか5分とか長い動画を作っていた時期もあった。1分以内の動画が一番よく見られるのがわかったので、1分以内にしています」
■限られた時間の中で情報を
さらに別の会社では、料理だけでなく新たな1分動画を始めていた。撮影風景をのぞくと、ミカンの皮をゆでている。ゆで汁を使って床を拭くと、ミカンの成分でワックス効果が得られるという生活の知恵だ。
1分という時間にこだわり、掃除や育児など生活に役立つ動画の配信もスタートした。“MAMA DAYS”の宮下編集長はこう語る。
「1分とか短い尺というのはすごく役立つものだと思っていて、(ユーザーには)限られた時間の中で情報を見ていただいている」
1分での動画作りは、今後もいろいろな分野に広がりそうだ。
■“すきま時間”を狙うコンテンツ
こういった1分動画の人気の背景には、スマートフォンでちょっとした時間を使って手軽に見られるということがある。10代から30代の男女を対象にした調査で、「1分暇があれば何をしますか?」という質問に対して、その結果は――
【1位…特に何もしない 36%】
【2位…SNSを見る 35%】
【3位…スマホゲームをする 26%】
1位は“特に何もしない”となっているが、2位と3位を見ると、何かする時にはスマートフォンを使う人が多いことがわかる。そこをターゲットに、“すきま時間”を楽しめるコンテンツを提供するサービスがいろいろと出てきているようだ。
生活のすきまに“1分”というのは手頃なサイズ。まるで雑誌をパラパラと見るような“読み物”の感覚かもしれない。ただ、料理は1分では完成しないのでご注意あれ。
