街から消えた「爆買い」どこに、増える中国企業の進出と越境EC「100円グッズ」が倍以上の値段で

街から消えた「爆買い」どこに…増える中国企業の進出と越境EC 「100円グッズ」が倍以上の値段で

中国人を中心にした訪日外国人による「爆買い」が失速し、関西の流通業関係者は頭を抱えている。一方で関西国際空港の利用者数は過去最高を更新するなど訪日外国人は増加基調。爆買いはどこに消えてしまったのか-。探ってみると、相変わらず高い日本製品の人気、そして爆買いに代わる新たなルートが見えてきた。

◆大阪に業者進出

 大阪市西区のオフィスビル。中国・大連を拠点に物流や小売業を手がける三通国際物流が2014年5月から事務所を構える。中国に送る日本の商品をじっくりと品定めするためだ。

 三通国際物流の目当ては日本の「100円ショップ」の商品。同社が中国全土に13店舗を構える直営店で販売するほか、他の小売店への卸売りもしている。洗剤やシャンプー、キッチン用品が人気で、日本の2倍以上の価格を付けても飛ぶように売れるという。同社の秦玉波取締役は「安いのに質がいいから、みんなほしがる」と話す。

 以前は日中間を行き来していたが、本格的に取り組むため中国人観光客に人気の高い大阪に拠点を構えた。秦氏は「観光客が何を買っているのかを見極めるのに最適だ」と言う。

 対日投資拡大を目指す日本貿易振興機構(ジェトロ)などが中国企業の日本進出を促していることもあって、こうしたケースは増えているという。

 ◆美容関連が半数

 一方、中国では電子商取引(EC)が急成長している。調査会社のネオマーケティングによると16年の市場規模は、前年比30%増の約5兆元(約80兆円)。富士経済によると、同年の日本製品を扱った「越境EC」は1兆158億円で3年後には倍増する見通し。

 日本製品では化粧品の人気が圧倒的で、美容関連だけで販売の半分近くを占める。紙おむつや健康食品などもよく購入されている。

 越境ECを手がけるSNS(交流サイト)最大手テンセント・ホールディングスはすでに月間のユーザー数が8億人に上っている。

 競争は激化しており、各社とも工夫を凝らし始めている。中国で15年2月に設立されたbolome(ボロミ)は、スマートフォンを利用しライブ中継型の販売に特化。多くの日本製品がリポーターの実演動画付きで紹介されている。

 ◆販路拡大の好機

 こうした状況は、爆買いの恩恵を受けてきた関西の小売店にとって頭痛の種。さらに中国人観光客の目的は買い物からレジャーや日本文化の体験など「アクティビティー」にシフトしており、逆風は強まっている。

 だが、ボロミ日本法人の三浦浩之取締役は「ボロミで販売したことで売り上げが2倍以上になった日本企業もある」と指摘する。

 ジェトロが今年2月に大阪市内で開いた越境ECの商談会には日本企業約200社が参加。ジェトロ大阪本部対日投資推進課の井上徹哉課長は「参加企業の数は当初の想定を大幅に上回った。これまで輸出や海外販売などに縁のなかった企業の参加が目立つ」と話した。爆買いの失速は新たなビジネスチャンスも生み出しつつある。

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