金平糖やカステラの生まれ故郷 お菓子の聖地ポルトガルへおいしい旅!

金平糖やカステラの生まれ故郷 お菓子の聖地ポルトガルへおいしい旅!

ポルトガル、お菓子を巡る旅

 洋菓子と言えば、やっぱりフランス? いや、アメリカのクッキーやマフィンもおいしいですよね。でも、私たちの食生活になじみすぎて、すぐに思いつかないものがあります。それは「ポルトガル菓子」。

 15世紀から数百年にわたって世界屈指の海運力を誇ったポルトガル。当時のヨーロッパにおいてポルトガルは貿易で多大な利益を上げ、勢力を誇っていました。その重要な貿易品のひとつが「砂糖」。そのため、ポルトガルには砂糖を贅沢に使った伝統菓子がたくさんあります。

 それらは日本にも珍しい南蛮菓子として伝来し、その後、日本に定着していきました。例えば、カステラ、ボーロ、金平糖などがポルトガルから伝えられたもの。和菓子の代名詞ねりきりも、実はポルトガルの「モルガディーニョス・デ・アーメンドア」という伝統菓子がルーツといわれています。

 そんな風に、日本の菓子文化に古くから影響を与えたポルトガルは、いわばお菓子の聖地。日本に伝わったお菓子のルーツをたどる、ポルトガル菓子巡礼の旅として、ポルトガルのリスボンを旅しました。

ケーブルカーが走る情緒あふれる街リスボン

 リスボンはポルトガルの首都で、テージョ川河畔にあります。7つの丘からなる街は起伏が多く、坂道を縫うように走るレトロなケーブルカーが、情緒溢れる景色を織りなしています。

 古い教会や、明るい色の建物が、いかにもヨーロッパの古い街並みといった風情ですが、この街をとりわけリスボンらしい特別な様子にみせているものが、「アズレージョ」と呼ばれるタイル。青色を基調とした美しいタイルで、この地方の伝統工芸。市内には、このタイルを外壁に使った建物が多くあり、風景に特別な彩りを添えています。

 海に近い河畔に面していますので、食事はやはり海鮮が有名。日本人の口に合う、美味しい海鮮料理がたくさんあります。

 飲み物は、ビール、そしてワインもあります。特に、ポートワインは有名ですね。また、完熟前のぶどうから作られる「ヴィーニョ・ヴェルデ」はすっきりと爽やかな味わいで、ポルトガルを訪れたらぜひ味わいたいワインです。

 さて、食事のあとは、やっぱりデザートですよね。次は、ポルトガルのデザートをご紹介します。卵と砂糖を豊かに味わえる最高に贅沢なデザートたちです。

素朴な見た目には分からない洗練された究極に贅沢なデザート

 さてさて、お楽しみのデザートですが、ポルトガル菓子で有名なのが「エッグタルト」。日本でも一時期流行りましたね。実はルーツはポルトガルで、「パステル・デ・ナタ」と呼ばれる、最もポピュラーなお菓子です。

 なんとなく、カスタードパイを想像してしまいますが、実際はパイのカップで焼いたプリンのような感じ。パイ部分のパリッとした中に、クリームがぷるるんトロトロと、まさにとろけるような美味しさです。

 どのお店でも見られるパステル・デ・ナタですが、一番有名なのは、リスボン西部のベレンにあるお菓子屋さん。ベレンはリスボン市街から少し離れていますが、ベレンの塔や発見のモニュメント、世界遺産のジェロニモス修道院など見所もたくさんですので、お菓子のためだけでなく訪れたいスポットです。

 こちらは、カステラの原型となった言われるお菓子「パォン・デ・ロー」。しかし日本のカステラとは形も食感も違います。カステラよりもっとキメが細かくスフレのようですが、スフレよりしっとりと生地が詰まっている感じ。甘すぎず、卵のやさしい香りと、柔らかな食感がとてもおいしいお菓子です。

 カステラは、きっとたくさんの工夫と試行錯誤を経て今の形になり、日本のお菓子として定着したのですね。そういった違いを見るのも旅の醍醐味です。

 こちらはクリスマス菓子の「ボーロ・レイ」、その名も王様のお菓子。その名にふさわしく、ナッツ、フルーツ、スパイスをふんだんに使った贅沢なお菓子です。海洋貿易で輸入品を多く手に入れることのできたポルトガルならではのリッチさなのでしょう。また、スパイスの効かせ方が絶妙で、主張しすぎず、ほんのり香る感じが、とても上品なおいしさです。

 ほかにも、シュー生地のお菓子や、米粉を使ったケーキ、ココナッツやドライフルーツ、アーモンドなどを使ったお菓子など種類も豊富で、お菓子のショーケースの前に立った時は、どれにするか決められず困ってしまいます。

 どのお菓子にも共通して思うのは、見た目は素朴ですが、その素朴さに似つかない繊細でエレガントなおいしさであること。その風味を支えるのは、とにかく、お菓子のメイン素材になる卵がとてもおいしいこと、そして砂糖をたくさん使える国だったからこそ、その加減をよく知っているというのがミソなのではないかと思います。贅沢で甘い物が増えていますが、本当のおいしさは、加減を知っていることが大事なのですね。

 日本と古くから深いつながりのあるポルトガル。そこから伝わってきたお菓子のルーツを巡る旅は、まるで伝来した時をさかのぼってみているようで、いつもより楽しく、そしておいしい旅になりました。みなさまも機会があったらぜひ、何かのルーツを巡る旅、出かけてみてはいかがですか?

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