「Windows Vistaのサポート終了のお知らせ」のお知らせ

「Windows Vistaのサポート終了のお知らせ」のお知らせ

2014年にスタートした本連載。記念すべき第1回は「Windows XPのサポート終了直前のお知らせ」についてでした。早いもので、Windows XPの全てのサポートが終了してから丸3年になります。そして、Windows XPの次に控えていたWindows Vistaのサポートが、いよいよ2017年4月11日(米国時間)に終了します。

 本連載第1回やそれ以降の回で取り上げたように、Windows XPのときにはサポート終了の約1カ月前に、ある更新プログラムがWindows Updateを通じて配布され、ログオン時に「Windows XPのサポートは、2014年4月8日に終了します」というメッセージが表示されるようになりました。

 また、Windows XPのサポート終了後は更新プログラムが提供されなくなったことに加えて、無償のマルウェア対策ソフト「Microsoft Security Essentials」のWindows XP向けダウンロード提供の停止、その3カ月後にはサービスの強制停止と、スキャンエンジンや定義ファイルの更新の受信はおろか、マルウェア対策ソフトとして全く機能しなくなるという無慈悲な対応がとられました。

 その後も本連載第81回(2016年12月22日公開)で紹介したように、2016年の中ごろからはマイクロソフトのWebサイトの多くのページからロックアウトされる(「Internet Explorerではこのページは表示されません」と表示される)ようになったり、トラブル解決の最後の頼りである「サポート技術情報」から、Windows XP(およびWindows Server 2003)関連の古い文書が削除されたりするなど、無慈悲な扱いはエスカレートしています。

 筆者は、今でも仕事でWindows XPのスクリーンショットを取得したり、昔の仕様を再確認したりする必要があるため、Windows XPの環境をWindows 7の「Windows XPモード」として保持しています。そして長い間、電源を入れていない古い、とても古いノートPCがあることを思い出し、数年ぶりに電源を入れてみました。

 すると、起動直後に写真1のようなBIOSのメッセージが表示されました。どうやら、PCの内蔵電池が切れてしまっていたようです。BIOSのセットアップユーティリティーで日時を設定し直して再起動すると、今度は「Operating System Not Found」のメッセージが表示されました。やっぱりダメかと思いながらリセットしてみると、起動することができました。

 Windows Updateを実行してみましたが、新しいセキュリティ更新は検出されることなく、インストールされていたマイクロソフトの企業向けマルウェア対策製品「System Center Endpoint Protection」もサポート切れを理由に(その理由はイベントログのシステムログに「Microsoft Antimalware」関連のイベントとして記録されています)強制的に停止されていました。

●Windows Vistaにサポート終了のお知らせは来た?

 2017年4月にサポートが終了するWindows Vistaについては、その対応について、これといった話を聞きません。なので、一応、確認してみました。そのために、Windows Vista Service Pack 2(SP2)を新規インストールし、Microsoft Security Essentialsを導入し、さらに現在もWindows Vistaでサポートされている「Internet Explorer(IE)9」にアップグレードして、サポート終了前後の様子を追跡しようと考えました。しかし、先に言っておくと、その志は半ばで止まっています。なぜなら、一筋縄ではいかなかったからです。

 Windows Vista(今回は32ビットのx86版)SP2のインストールメディアから仮想マシンに新規インストールし、Windows Updateを手動で実行して、最新の状態に更新しようとしたところ、Windows Updateは一向に進む気配がありません。

 先にMicrosoft Security Essentialsをインストールしようと思い、「Microsoftセーフティとセキュリティセンター」サイトにある「無料のウイルス対策プログラムをダウンロードする」リンクをクリックしたところ、今度は「お使いのブラウザーはサポートされていません、このサイトを利用するには、ブラウザーを更新する必要があります」と表示されました。

 表示された画面内にある「Internet Explorerを最新バージョンに更新する」のリンクをクリックして「01 Internet Explorer 9」(IE9-WindowsVista-x86-jpn.exe)をダウンロードし、インストールしようとしましたが、何度やっても失敗します。Windows Vistaのデスクトップに作成された「Internet Explorerトラブルシューティング」のショートカットをクリックすると、また「お使いのブラウザーはサポートされていません」のメッセージが表示されます。ショートカットのリンク先を別のコンピュータで参照し、手動でインストールできる前提コンポ―ントが2つあったので、それらを個別にインストールしましたが、改善しませんでした。

 そこで、IE 9のダウンロードページにあった「02 Internet Explorer 9(32-bit)」(BOIE9_JAJP_BO0085_VIS.EXE)を試してみました。こちらは、BingとMSNが設定済みのカスタマイズ版のようです。こちらはすんなりインストールできましたが、なぜかユーザーインタフェース(UI)が全て英語になっていました(ページの文字化けは別の問題)。どうやら、「03 Windows Vista と Windows Server 2008 向け Windows Internet Explorer 9 の言語パック」(IE9-Windows6.0-LanguagePack-x86-jpn.msu)もインストールする必要があるようです。言語パックをインストールすると、無事に日本語化されました。

 インストールされたIE 9を初めて起動すると、「Internet Explorerのヘルプ」が開きました。そこには、「2017年4月11日に、Windows Vistaのサポートが終了します。保護を継続する方法を確認してください」とありました。リンク先には、Windows 10を購入してアップグレードする(おそらく古いPCでは動かないという注意付き)、またはPCを新たに購入するという、ユーザーにとっては悲しいお知らせを確認できます。この「お知らせ」のヘッダは、マイクロソフトのサポートページ(https://support.microsoft.com/)にWindows Vistaからアクセスすると表示されるようです。第1の「お知らせ」が見つかりました。

 ここまで来て、ようやくMicrosoft Security Essentialsのインストールです。インストールが完了し、最初のエンジンおよび定義ファイルの更新が始まると、更新中に「このオペレーティングシステムのサポートは間もなく終了します。終了後は、Microsoft Security Essentialsがサポートされなくなるため、PCが保護されない状態になる可能性があります……」というメッセージがポップアップされました。

 同じメッセージは、Microsoft Security Essentialsの「ホーム」タブにも表示されるようになり、PCはクリーンな状態であっても、常に「PCの状態:保護されていない可能性があります」の表示になります。この動作がいつからなのかは分かりませんが、Microsoft Security Essentialsユーザーには既に「お知らせ」が通知されていたようです。

 この「お知らせ」は、その後のログオンで、Microsoft Security Essentialsのアイコンが「通知領域」に表示されるときにもポップアップするようになりました。今後、Windows XPと同じ道を歩むなら、2017年4月11日を過ぎると猶予期間に入り「PCの状態:危険」の表示に、そして数カ月後にサービスが強制的に停止されて無効化されるのですが、今回は猶予期間は用意されないかもしれません。

 Windows VistaのMicrosoft Security Essentials(およびEndpoint Security製品)のユーザーの方は、今後の発表を注視してください。

●Windows Updateが進まない問題に遭遇! Fix Itもなくなった!

 Windows XPのときと同じような「Windows Vistaのサポートは、2017年4月11日に終了します」のポップアップが存在するのか、提供予定はあるのか、今回は確認できませんでした。その「お知らせ」を運んでくるかもしれない、肝心のWindows Updateによる手動更新がうまく動作しないからです。

 以前、Windows Vista環境を新規作成した際に、すんなりいったような記憶がある幾つかの更新プログラム(Windows Update関連のもの)を手動でインストールしてもダメでした。Windows Updateの問題を診断、解決する「Microsoft Fix it」と呼ばれるトラブルシューティングツールがあったはずですが、Windows Vista用のものは既に提供されなくなっていました。現在は、Windows 7、Windows 8.1、Windows 10用のものだけが提供されています。

・Windows Updateコンポーネントをリセットする方法(Fix it)(マイクロソフト サポート)

 Windows Updateエージェントの手動リセットや、2016年末に公開された以下の公式ブログの方法も試してみたのですが、筆者の環境では効果はありませんでした。そのため、現在は、自動更新で何とかならないか放置中です。

 古いOS(特にWindows VistaとWindows 7)は時間が経過すると、いろいろと面倒なことが増えてきます。環境を再構築するために新規インストールを決断するときには、そのことにくれぐれもご注意ください。

●追記
 その後、Windows Vista SP2をWindows Updateで最新状態に更新することができました。Windows XPのときのような「お知らせ」ポップアップは、今のところ配布されていませんでした。

●EMETはお役に立てません。2018年夏には引退するので……

 Windows Vista向けのWindows/IE関連の更新プログラム(特にセキュリティ更新プログラム)は、サポートが終了する2017年4月11日の定例更新(日本は翌日の12日)で提供されるものが最後になります。ですが、セキュリティ更新が提供されない穴は、「EMET(Microsoft Enhanced Mitigation Experience Toolkit)」である程度は防げるだろうと期待するのはよしましょう。

 マイクロソフトは2016年11月にEMET 5.51をリリースした際、次のメジャーバージョンとなるはずの「EMET 6」は提供しないことを発表しました。また、2017年1月までだったEMET 5.5xのサポートを18カ月延長し、2018年7月31日までとすることも発表しました。現在の最新バージョン「EMET 5.52」はWindows Vistaでも動作しますが、Windows Vistaのサポートが終了すれば、その上で動作するEMETも公式にはサポートされなくなります。そして、2018年7月31日には、EMET自体のサポートとダウンロード提供が終了します。

●シェアは1%でも、Vistaユーザーは確実に存在する!

 とある調査によると、最新のWindows Vistaのシェアは、サポートが終了して丸3年が経過したWindows XP(その調査によると9%台)よりも、さらに、そして圧倒的に少ない(同1%台)ようなので、Windows XPのときのような大々的なお知らせは必要ないのかもしれません。

 しかし、Windows VistaがプリインストールされたPCを、現在も使用中の個人そして企業ユーザーは確実にいるはずです。Windows 7とは異なり、Windows 10への無料アップグレードが提供されなかったため、今後も、もしかするとサポート終了のことなど知らずに使い続けるかもしれません。もし見かけたら、サポート終了について、優しく教えてあげてください。

 そのWindows Vistaのデスクトップに「Windowsサイドバーガジェット」(時計やスライドショーがある画面左の縦長の領域にある小さなアプリ)が表示されていたら、少しでもセキュリティ上の弱点を減らすために「無効」に設定してあげてください。

 Windows VistaのWindowsサイドバーガジェットとWindows 7の「デスクトップガジェット」は、数年前(2012年)にそれ自体の脆弱(ぜいじゃく)性が指摘され、「無効化」することが強く推奨されています。もし、そのユーザーに大きな時計は譲れないと言われたら、壁掛け時計(物理的な)を勧めてみてはどうでしょうか。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏