栃木県那須町湯本の那須温泉ファミリースキー場で雪崩事故、高校生7人と教員1人の死亡確認

高校生7人と教員1人の死亡確認 栃木の雪崩事故

27日午前8時30分ごろ、栃木県那須町湯本の那須温泉ファミリースキー場で雪崩が発生し、登山の講習会に参加していた県立大田原高校の16~17歳の男子生徒7人と男性教員1人の計8人が搬送先の病院で死亡した。雪深い山で雪をかき分けて進む「ラッセル訓練」の途中で雪崩に巻き込まれたという。県警は引率教員らの判断にミスがなかったかどうか、業務上過失致死傷容疑で捜査を始めた。

県警によると、死因はいずれも圧死だった。雪の重みで呼吸ができなくなったとみられるという。

 県教育委員会によると、講習会は県高校体育連盟主催の春山安全登山講習会。積雪のある時期の登山の理解を深め、事故防止に役立てる目的で、25~27日の日程で大田原を含む県内7校の山岳部の1、2年生と教員計62人が参加していた。

 記者会見した県教委の宇田貞夫教育長によると、27日は茶臼岳への往復登山を予定していたが、雪が激しく降る悪天候のため、午前6時に中止を決定した。その後、午前7時半になってゲレンデ周辺で、当初の予定にはなかったラッセル訓練をすることにした。生徒40人と教員8人の計48人が午前8時から5班に分かれて訓練していたが、その途中に雪崩に巻き込まれた。大田原高校の班が先頭で進んでいたとみられる。

 栃木県は27日午前10時に災害警戒本部を設置。陸上自衛隊に災害派遣を要請し、福島県やさいたま市の消防も救助活動に加わった。栃木県内の災害派遣医療チーム(DMAT)も出動し、県の消防防災ヘリやドクターヘリが緊急搬送にあたった。

 県教委の宇田教育長によると、講習会は毎年この時期に開催し「これまで10年以上はこうした事故はなかった」と述べた。講習会を主催した県高体連の橋本健一会長は「春山は残雪が多く、非常に危険なため講習会は重要だ」と説明した。

 県警によると、死亡した8人のほかに、訓練に参加した生徒と教員の計40人全員が負傷した。うち男子生徒2人が重症で、男子生徒4人と教員1人の計5人が骨折などのけがをした。

 宇都宮地方気象台によると、スキー場のある那須町には、26日午前から27日にかけて雪崩注意報や大雪注意報が発令されていた。

 8人が死亡した大田原高校は全国大会に連続出場する実力校。今回の講習会には男子生徒12人と教員2人が参加していたという。

「幅50メートルにわたり雪崩」=NPO法人現地調査―スキー場8人死亡事故・栃木

栃木県那須町で雪崩が発生し高校生ら8人が死亡するなどした事故で、NPO法人「日本雪崩ネットワーク」が28日、那須山岳救助隊の依頼を受けて現地調査を行った。

 取材に応じた出川あずさ理事(56)は、雪崩の規模について「幅50メートルにわたり、厚さ40~50センチの雪が動いた」と分析した。

 出川さんは同日午前6時半ごろから現場のスキー場に入り、約3時間にわたり雪の状態などを調査。高校生らが埋まった現場から目視で、雪崩発生地点を特定し、流れた雪がたまった「デブリ」も確認した。

 雪が割れた破断面は確認できなかったが、雪の状態などから幅50メートル、厚さ40~50センチの雪が動いたとした。縦にどれくらい動いたかは全地球測位システム(GPS)を使って今後分析するという。

 現場は雪崩が起きやすい地形で、その真下を休憩場所として選んだために、多くの生徒が巻き込まれたと説明。短時間に大量に雪が降った直後で、雪の状態が不安定になっていたとの見方を示した。

「ビーコン誰も持たず」=救助隊証言、位置特定難しく-栃木スキー場雪崩

栃木県那須町のスキー場で発生した雪崩で、現場で捜索に当たった救助隊員が28日、遭難した際に自分の位置情報を発信できる機器「ビーコン」を高校生らが所持していなかったと証言した。

那須山岳救助隊の副隊長渡部逸郎さん(69)によると、位置情報が得られず、当初は高校生らが雪の中のどこに埋まっているか分からなかった。動けずに座り込んだり、簡易テントに入って救助を待ったりしている重傷者らの姿を捜し当て、ようやく現場を特定した。

 冬山は雪崩の危険があるため、登山に際してはビーコンのほか、雪をかき出すスコップ、雪を突いて人の居場所を確認する「ゾンデ棒」を持参することが多く、「三種の神器」と呼ばれる。

 渡部さんは「雪崩発生から救助活動が終わるまで3時間以上かかった」と話した。

 もう一人の副隊長高根沢修二さん(67)によると、高校生らは滑り止めとして靴に装着する金属製の「アイゼン」も付けていなかった。一方で、ニット帽や二重の手袋はしていたといい、「春山の防寒対策としては十分。こんなに雪が降るとは思っていなかったんだろう」と話した。

栃木スキー場雪崩 「子供を失う親の気持ちを思うと…」 8人犠牲の高校に弔問相次ぐ

雪崩で生徒7人、教員1人が犠牲になった栃木県立大田原高校では、事故から一夜明けた28日朝から、弔問に訪れる人の姿が見られた。

 栃木県大田原市に住む女性は、「母の日」の贈り物として知られるカーネーションを犠牲者数と同じ8本持って、応対した教員に「1人1人にお供えしてください」と手渡した。

 5年ほど前に娘を亡くしたという女性は「子供を失った親の気持ちを考えるとかわいそうでならない。まだ成人もしていないのに…」と声を詰まらせた。また、「凍った斜面の上にあんなに雪が降ったら雪崩になりやすいと分かりそうなものなのに、なんで山に行かせたのか。原因をしっかりと明らかにしてほしい」と話した。

 息子2人が大田原高校の卒業生という市内の男性(74)も、門の前で一礼した後手を合わせ、「母校でこんなことになって息子たちも泣いていた。何とも残念でならない」と涙ながらに語った。

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雪崩で8人犠牲 高校生らビーコン持たず

8人の命を奪った、栃木県の雪崩事故。事故当時の状況が、徐々に明らかになってきた。

28日も、深い雪に覆われているスキー場。

この急な斜面で突然、発生した雪崩が、高校生ら8人の命を奪った。

浅井 譲さん(17)の父親・慎二さん(47)は「いい子でした。ただ、親より先に死んではいけないと思います。それだけが、親不孝だったなと思います」と話した。

未来への希望にあふれた高校生7人と、教師1人が犠牲となった、今回の雪崩事故。

栃木県立大田原高校2年の浅井 譲さん。

登山が好きだった父・慎二さんの影響で、山岳部に入ったという。

慎二さんは「まだ、譲がいなくなったのは、よくわからないです」と話した。

6歳年下の妹を、とてもかわいがっていたという譲さん。

その妹の手には、事故当時、譲さんが履いていた登山靴があった。

譲さんの妹は「(お兄ちゃんが履いてるの見たことある?)格好良かったです。11年間、一緒に遊んでくれてありがとうって」と話した。

大田原高校1年の佐藤宏祐さん(16)。

今回の講習には、父から譲ってもらった冬山用のパーカを着て参加していた。

宏祐さんの父・政充さん(48)は「これは、わたしが昔、山に日帰りで行ったときに、買って着ていたものなんです。最後の時も、これを着ていたんだなと思うと。非常にきれいな顔をしていて、いかにも目を覚ましそうな感じでした。名前を呼びました、『宏祐、宏祐』って。全然、返事もしてくれないですからね」と話した。

雪山に、最愛のわが子を奪われた悲しみ。

事故から一夜明けた、雪崩が起きた現場付近。

最も被害が大きかった大田原高校の生徒たちは、当初、尾根の手前側にいたとみられていたが、捜索にあたった消防隊員などによると、実際には、尾根の奥側にいたという。

28日に現場を調査した山岳救助隊によると、発生した雪崩は、幅50メートルにも及んでいたという。

特別非営利活動法人・日本雪崩ネットワークの出川 あずさ氏は、「破断面という、雪崩が発生したところは埋まってしまっていたんですけれども、幅50メートル、厚さ40~50cmの雪が動いたという、そのぐらいのスケールですね」と話した。

一晩で30cm以上の積雪を観測する中で強行された、ラッセル訓練。

安全管理に問題はなかったのか。

今回の講習には、生徒や教師全員が、雪崩に巻き込まれた際に居場所を発信するビーコンを持たずに、訓練に臨んでいた。

電波で居場所を知らせ、捜索や救助の手助けとなるビーコン。

ビーコン1台は、およそ5万円と高価なものだが、雪崩の可能性がある山に登る際には、携帯するのが望ましいという。

カモシカスポーツ山の店・本店の宮城洋二店長は「個人装備というわけにはいかないと思うんですよね。学校でそろえて、それを学生が借りて、持って行くということになると思うんですよね。必ず、全員が持つというのが基本です」と話した。

警察は、安全管理の問題について、業務上過失致死傷の疑いで捜査する方針。

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<那須雪崩>悪天候…湧き出る「なぜ」「なんで」事故1週間

栃木県那須町のスキー場付近で県立大田原高山岳部の生徒ら8人がラッセル訓練中に死亡した雪崩事故から、3日で1週間。遺族らは悪天候の中でなぜ訓練が実施されたのか、疑問をぬぐいきれない。関係者の証言を踏まえ、当時の状況を振り返った。【野口麗子、野田樹、高橋隆輔】

 先月27日午前6時前。登山講習会の現場責任者、県高校体育連盟登山専門部委員長の猪瀬修一教諭(50)は、現地本部を置いた旅館で天候を確認した。付近には前日から雪崩注意報が出ていた。

 その日は茶臼岳(標高1915メートル)への往復を予定していた。旅館はスキー場の管理事務所から車で2、3分。猪瀬教諭は管理事務所からやや離れた場所で生徒らと共にテントで宿泊していた登山専門部副委員長の男性教諭に電話をかけた。

 副委員長と、もう1人の男性教諭から「雪が降っている。茶臼は無理だろう。ラッセル訓練はできるのでは」と提案されたという猪瀬教諭。二、三十年以上も登山経験があるという3人は「経験則」でラッセル訓練の実施を決めた。

 29日記者会見した猪瀬教諭は「(ラッセル訓練についての3人の)話はすぐに終わったのか」との記者からの問いかけに「はい」と答えた上で「コースは決めていない」と説明。「絶対安全と思った」と振り返った。議論はなかった。

 午前7時半。管理事務所前に集合した生徒らへラッセル訓練への変更が伝えられた。この時、足首から雪が入らないように身につけるスパッツがなかった生徒5人は訓練への参加を見送った。午前8時、猪瀬教諭は生徒らが訓練に出発したのを見送った後、旅館へと戻った。

 次第に吹雪が強まっていった。先頭をいく1班は技術の高い大田原高の生徒12人と他校を含む教諭2人の14人で編成していた。1班にいた2年の生徒は「2年生が前、1年生が後ろで隊列を組んでいました。吹雪で会話は通じる状況じゃなかった。周りは何も見えなかった」と振り返る。

 その直後の午前8時半ごろ、樹林帯の中腹あたりにいた4班の生徒は「雪崩が来るぞ」との叫び声を聞いた。

 樹林帯を抜けて尾根付近にいたとみられる1班を、茶臼岳の9合目付近で発生した雪崩が襲った。「枝分かれして横に広がる」(県警捜査関係者)という雪崩の本流は1班を、派生した雪崩が2班をのみこんだ。

 ほどなくして雪に埋まった1班の先頭にいた副委員長が掘り出された。救出された1班の2年生は「雪に埋もれたところまでは覚えていますが、その後の記憶はほとんどない」と話す。事故後、猪瀬教諭は「あそこ(事故現場付近)は尾根筋だから大丈夫と思った」と語った。

 この2年生によると、この日の朝、みんなで朝食のスクランブルエッグを作った。2年生は死亡した大金実さん(17)と一緒にテントで過ごしたといい、「『山岳部で登るのもあと3回くらいだね』って話していたんですが」と話した。

 午前9時ごろ、管理事務所近くで待機していた5班の教諭は、2班にいた教諭から被害を知らされたという。約15分後、5班の教諭は現地本部のある旅館へ駆け込んだ。教諭らは無線機や携帯電話を持っていたはずだが、なぜ連絡が遅れたのかは不明だ。

 猪瀬教諭はこのころ、旅館で精算するなどして無線を10分程度車に積んで連絡がつかない状態だったという。県警に110番が入ったのは9時20分ごろ。雪崩発生から約50分が経過していた。

 さらに約2時間半後の午前11時50分ごろ、那須山岳救助隊のメンバーが現場に到着した。那須地区消防本部などによると、犠牲者8人が発見されたのは半径10メートルほどの範囲で、深さ約2メートルから発見された人もいた。

 県立大田原高の剣道部と山岳部の顧問で、1班の最後尾にいて犠牲になった毛塚優甫教諭(29)の父親は、栃木市内で2日に営まれた通夜の席で「(本格的な)冬山経験ゼロの息子をなんで引率させたのか。なんで吹雪の中でラッセル訓練をやったのか」と怒りをあらわにしたという。

「大丈夫だろうと思った」…記者会見・一問一答

-登山を中止し、ラッセルの実施を判断したのはなぜか。

 私は(旅館にある)本部にいた。現場に確認したところ「茶臼岳を目指すのは無理だが、スキー場でラッセルはできる」という提案を受けた。雪がさほど降っておらず、風もほとんどない。新雪が30センチぐらい。歩行訓練には非常に向いていると判断した。

 -雪崩の危険性の認識は。

 前日、テレビなどを通じて雪崩が発生するかもしれないと認知した。雪崩が起きやすい地点を知っていたので大丈夫だろうと思った。当時は絶対安全と思ったが、こういう事態になり今となっては反省しないといけない。

 -なぜ雪崩が来ないと判断したのか。

 何年前か分からないが、そこで訓練したこともある。地形的なものや、雪の量は膝くらいだったと聞いている。雪崩が起きた場所は、危険ではないと思った。

 -ほかの教諭や生徒から危険という意見は一切なかったか。

 なかった。

 -ラッセル実施を判断したのは誰の責任か。

 私が委員長を任されているが、(現場にいた)教諭2人と相談して、話し合って決めた。

 -知識やキャリアへの慢心があったのでは。

 安心とか慣れ、経験則で判断したのは間違いない。

 -ラッセル訓練の必要はあったのか。

 生徒に雪にたくさん触れさせるため、講習会を開く。生徒に歩かせたいという思いがある。

 -現場から無線機で雪崩の連絡はあったか。

 荷物の運び出しや精算で、無線機を車に置き、本部に戻った時間帯がある。その時間に呼び掛けがあったか認識できない。不用意だった。片時も目を離せないような危険な場所に行っているという認識がなかった。

 -ビーコン(電波受発信器)を持たなかった理由は。

 雪崩の危険性が高い冬山登山では必須だが、高校生の春山講習ではそういう所に行かない。全国的にもビーコン所持の講習会は行われていない。

 -亡くなった生徒と親には。

 昨日の保護者会で、こういうことになって、いたたまれない、申し訳ないと言った。私ができることは、うそをつかずに誠実に答えることだ。

危険な斜面でなぜ 発信機あれば…救助隊員

なぜ、あんな危険な斜面で訓練を強行したのか--。高校生ら8人が死亡した栃木県那須町の雪崩事故で、現場で懸命の救助活動にあたった山岳救助のベテランから疑問の声が上がっている。訓練は人が通常立ち入らないようなスキー場のゲレンデ外で実施されており、天気や地形など雪崩が起きやすい条件が重なったとみられるという。

今回の雪崩で救助活動をした那須山岳救助隊のメンバーによると、雪崩が発生したとみられる場所は、第2ゲレンデ上方の標高1550メートル付近。生徒らはそこから約200メートル下がったスキー場外の林で訓練していたとみられる。ふもとで救助活動の指揮を執っていた同隊の大高登隊長(88)は「長年、山を見てきたが、あんな尾根の方まで人が入っていくなんて聞いたことがない。危険な斜面を選ばなくても安全に訓練ができたはず」と首をかしげる。

 雪崩の発生から約3時間半後、同隊メンバーが現場に駆けつけると、かつて見たことのない光景が広がっていた。寒さに震えて声も出せなくなっている生徒。別の生徒は顔以外が雪に埋まっていた。

 「うー」。救助開始から約20分が過ぎたとき、雪の中からかすかなうめき声が聞こえた。雪崩発生から4時間近くが経過する中、奇跡的に生存していた男子生徒の発見だった。雪を掘る途中に苦しそうな表情を見せると、「がんばれ、がんばれ」と励ました。助け出した後はブルーシートで体を包み「寝るな」と声をかけると、生徒はわずかに反応した。

 同隊が雪の中から救出した生徒のうち、生存者はこの1人だけ。死亡した8人は雪の中で位置情報を知らせる電波発信機(ビーコン)は身につけていなかった。救助隊の到着前に、仲間が助け出したケースもあり、渡部逸郎副隊長(69)は「ビーコンで位置の特定が素早くできれば、救えた命があるかもしれない」と指摘する。

 なぜ雪崩が起きたのか。メンバーによると、当時は雪が降っており、凍った雪の上に新雪が積もったことによる「表層雪崩」が起きやすい状態だった。現場の上方には切り立った岩があり、平らに雪が積もらないため雪が崩れやすい場所だった。渡部副隊長は「雪崩が起きやすい条件が重なっており、雪崩の知識があれば取らない行動だった」と話す。

 今回の雪崩では8人もの若者の命が失われたことへの衝撃も大きい。高根沢修二副隊長(67)は語る。「将来ある高校生ら8人もが命をなくしてしまい残念としか言いようがない。19歳から救助隊で活動しているが、このような惨事は初めてだ」

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栃木・雪崩事故で高校生ら8人犠牲に 原因は「表層雪崩」か

27日午前9時20分ごろ、栃木県那須町の那須温泉ファミリースキー場で、ゲレンデの上方で雪崩が発生し、数人が巻き込まれたと110番通報があった。警察などによると、スキー場で春山登山の講習会に参加していた県内の高校の山岳部生徒や教師が雪崩に巻き込まれたという。県立大田原高校の男子生徒7人と男性教諭1人の計8人の死亡が確認され、死因は圧死や外傷性窒息だった。

 今回発生した雪崩について、栃木県の教育委員会が同日午後4時ごろ会見を行った。

 那須温泉ファミリースキー場はもともと3月20日に営業を終了していたという。27日は、高校生たちの講習会のために開けていた。ゲレンデは第1から第3まで3つあり、第1と第3の上に上級コースに当たる第2ゲレンデがある。生徒たちはその第2ゲレンデのさらに上の方にある林の中を登って、春山の登山講習会を行っていた。

 県内の7つの高校から62人が参加しており、生徒が51名、引率の教員が11名だったというが、5つのグループに分かれ、概ね縦一列で移動していたということだ。そこで雪崩が起き、先頭を歩いていた大田原高校のグループの生徒たちが雪崩に巻き込まれたものとみられている。また彼らはスキーではなく、登山の格好をしていたという。もともとこの実技は午前7時から午前11時のものであったということから、まさに実技の最中に起こったものとみられている。

 今回の雪崩は、「表層雪崩」である可能性が高く、もともと積もっていた雪の上に新しい雪が積もり、その新雪の部分が雪崩になった。時速は100~200キロに及び、低気温で降雪が続く厳寒期に起こりやすいといわれる。

■福島県でも雪崩 安達太良山山頂付近で遭難通報

 さらに、栃木県に続いて福島県でも雪崩が起こった。安達太良山山頂付近で雪崩に巻き込まれた男性2人が遭難しているという通報を受け、警察や消防が救助に向かった。警察と消防によると、午後1時ごろ猪苗代町沼平付近で雪崩に巻き込まれ、下山できないと60代の男性から119番通報があった。通報した男性と一緒に雪崩に巻き込まれた70代の男性は意識がなく、心肺停止になっているという。

 雪崩には「表層雪崩」以外に、「全層雪崩」と呼ばれるものがある。斜面の固く重たい雪が地表面を流れるように滑り落ちるもので、時速は40~80キロ、気温が上昇する春先に起こるものであるということだ。

 現場には、26日午前10時32分ごろに大雪・雪崩・着雪注意報が出されていた。平年の積雪量は1センチであり、今シーズンで最も多い降雪量だったということで、3月下旬以降としては記録的な雪となった。「表層雪崩」は、まとまった雪が短時間に降ることで起こりやすくなり、今回の雪崩も急な積雪によって表層雪崩が発生したものと考えられる。 

雪崩で8人死亡 表層雪崩は時速100〜200kmの速さで滑り落ちてくる場合も

きのう午前9時20分ごろ、栃木県那須町の那須温泉ファミリースキー場で雪崩が発生、先週土曜日から2泊3日の日程で行われていた登山講習会に参加していた県内7校の高校生徒と教員が巻き込まれた。参加していたのは生徒51人、教員11人の合計62人で、8人が死亡、40人が重軽傷を負ったことが発表されている。

 荒れる天候の中、自衛隊・消防の救助活動は難航。那須地区消防本部の担当者は「やはり現場に近づけなかったというのが一番大きなこと。当然の雪崩ですので、二次災害の恐れもある。不用意には近づけない」と話した。

 雪崩の原因の一つとして考えられるのが積雪量の急増だ。周辺には大雪・雪崩・着雪注意報が出ており、那須町は3月下旬以降としては観測史上2番目となる34cmの積雪を記録していた。そこで「表層雪崩」が起こった可能性が高いとされている。古い雪が溶け、氷(ざらめ状)になり、その上に新しい雪が積もり、滑りやすい状態になったと推測されている。表層雪崩は時速100〜200kmの速さで滑り落ちてくる場合もあるという。

防災科学技術研究所の小杉健二氏は「報道されていることをまとめると、短時間にかなりまとまった雪が降ったことが原因ではないか」と推測。「標高差がかなりあるので、平野に近いところではかなり春めいてきているが、標高1000メートルを超えるところではまだ真冬に近い状況だったと思う。一般論として、標高差の違いによって、想像できないようなひどい状況になることもあり得る」と話した。

 また、「雪崩には全層雪崩と表層雪崩の2種類がある。全層雪崩の場合は斜面にクラック(ひっかき傷のような雪の裂け目)が入るなどの前兆がみられる場合もある。一方で表層雪崩は前兆がほとんどなく、急に起こるので危険性が高い」と説明した。

 那須温泉ファミリースキー場は20日に今シーズンの営業を終了していた。小杉氏は「現地調査をまだ行っていないため、詳細は不明としながらも、「そうした時期でも訓練をするのであれば、スキー場内での安全性も営業期間中と同じように確かめる必要がある」と話した。

雪崩事故の救助隊員「安全との判断あり得ない」

栃木県那須町のスキー場付近で高校生らが雪崩に巻き込まれて8人が死亡した事故で、救助に参加した山岳救助隊の男性が当時の状況について語りました。

 那須山岳救助隊・高山昭彦さん:「大体10メートルくらいの範囲に9名の方が埋没していた。深い人で1メートル50から2メートルくらいは雪の下に埋まっている状況。助かったお子さんの顔の周りには偶然、空間ができていて、呼吸ができて助かった。大量降雪があった直後、特にふぶいている最中は雪崩の危険があるのは常識で、安全と判断すること自体があり得ない」
 那須山岳救助隊の高山さんは先月27日、雪崩に巻き込まれた高校生らの救助活動に参加しました。高山さんによりますと、事故当日は新雪が降った直後で表層雪崩が起きやすく、危険な状態だったということです。警察は、引率した教師らの安全管理に問題がなかったか捜査を進めています。

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<那須雪崩>愛好家ら山離れ懸念「初心者増え、逆に危険」

栃木県那須町湯本のスキー場付近で県立大田原高山岳部の生徒7人と教諭の計8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、現場近くのスキー場に設置された献花台には連日多くの人々が訪れ、犠牲者の冥福を祈っている。時折小雪が舞う寒さとなった1日は、登山愛好家らの姿が目立った。愛好家の間では、登山を自粛する動きが広がることに、複雑な思いを抱えている人もいる。

 四季に合わせ、約40年も那須岳を登っているという、さくら市の自営業、平石実さん(66)は「毎回違う表情を見せてくれる那須の山は、何度登ってもあきない。危険なイメージがついてしまうのが残念」と話した。雪崩事故の現場については、「何で雪の中、あの急な斜面に行こうと思ったのか」と首をかしげていた。

 また、30年以上の登山歴があり、1日に那須岳に登る予定だったという鹿沼市の会社員、西村泰彦さん(53)は事故の影響で、雪山での活動が自粛される風潮を懸念。「冬山での正しい訓練の機会が無くなると、知識の少ない登山者が増えて危険だと思う」。事故の再発防止に向けては、「気候など状況によって雪崩のリスクは何倍にも大きくなる。もっと情報収集などに努めるべきだった」と話した。

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