iPhoneが不調になったら「リセット」が有効だ
長く使い続けてきたiPhoneの調子が、イマイチおかしい――そんなときは、iPhoneをいったんまっさらな状態にリセットすることをオススメしたい。使い続けていくうちに、アプリや各種データがたまっていくと、原因を特定できない不調に見舞われることもあるからだ。
ただ、iPhoneにはさまざまなリセットがあり、必要なものまで消してしまうと、復元に手間がかかる。本来はネットワーク関連の設定を元に戻したいだけなのに、データまで全部消してしまうのは無駄が多いというわけだ。逆に、本来、選ぶべきリセットをしなければ、iPhoneは不調なままになってしまう。
そこで、今回は、いざというときのために覚えておきたい、iPhoneのリセットに関する裏技を紹介していきたい。
■1.ネットワークの調子が悪いとき
iPhoneがLTEにうまくつながらない、Wi-Fiはつながるものの十分な速度が出ない――こうしたトラブルは、モデムの不調に原因があることが多い。
かく言う筆者も、かつて同じiOSを搭載するiPadがLTEにうまくつながらなくなってしまった。Wi-Fiにある程度長い間つないでいて、それを切断すると、LTEの表示は出るが、実際には通信できないというトラブルだ。再現性があればいいが、起こるときと、そうでないときがあり、その都度、本体を再起動させていた。
このようなときは、iPhoneのネットワーク設定だけをリセットしてみることをオススメする。リセットの手順は、「設定」アプリから「一般」を開き、「リセット」の中にある「ネットワーク設定をリセット」をタップするだけ。パスコードを入れると、ネットワーク関連の設定だけが初期状態に戻る。
「リセット」の中には、「すべての設定をリセット」や「すべてのコンテンツと設定を消去」といった項目もあり、これらでも解決する可能性はあるが、無駄が多い。前者の場合、ネットワークと関係のない設定まですべて初期状態に戻り、後者だと、撮った写真や作成したデータなどもすべて消えてしまう。
ネットワーク以外の項目に不調がある際にはこちらを試してもいいが、あらかじめ必要なデータをバックアップしておかなければならない。トラブルがネットワーク関連に限定されている際は、まず「ネットワーク設定をリセット」から試してみたほうが、元の状態には戻しやすい。
先に挙げた筆者のLTEにつながらない不具合も、「ネットワーク設定をリセット」を行った後、きれいに解消して、それ以降、大きなトラブルは起こっていない。ただし、ネットワークのリセットを行うと、Wi-Fiのパスワードはすべて入力し直すことになる。
また、格安SIMでiPhoneを使っている場合は、構成プロファイルも再インストールしなければならず、最悪の場合、Wi-Fiのある自宅に戻るまでネットが使えなくなってしまうおそれもある。リセットを行うのは、自宅や会社などで、ある程度、再設定の時間が取れるときにしておきたい。
■2.動作がなんとなく遅いと思ったとき
iPhoneの動作がなんとなく遅いと思ったときに、まず試してみたいのがメモリのクリアだ。アプリを立ち上げているうちに一時的にメモリを使い切ってしまい、その結果として動作が緩慢になってしまうことがあるからだ。メモリのリセットは「設定」アプリなどに項目が存在しないため、普通に使っているだけだと、そういった操作をできること自体に気がつかないかもしれない。
とはいえ、操作自体は非常に簡単だ。まずiPhoneの電源ボタンを長押しして、「スライドで電源をオフ」の画面を出す。これは、iPhoneの電源を切る際に表示させる画面だ。通常なら、このまま電源を切ってしまうところだが、ここでホームボタンを長押しする。約4秒間、ホームボタンを押し続けると、ホーム画面に戻るはずだ。これで、メモリのクリアが完了する。
メモリをいったんリセットして、快適な動作が戻れば、本体そのものをリセットする必要はない。動作が遅いと感じたときの応急処置として、ぜひ覚えておきたい操作と言えるだろう。
それでも解決しないときは、先に挙げた「設定」の「一般」にある「リセット」から、「すべてのコンテンツと設定をリセット」を選び、iPhoneを完全に初期化してみることをオススメしたい。事前にiPhoneをiTunesに接続し、丸ごとバックアップしておけば、すぐに元の状態に戻すことができて便利だ。リセットした後に復元せずに使ってみて問題がなければ、インストールしていた何らかのアプリに原因がある可能性もある。手間はかかるが、まっさらな状態から、本当に必要なものだけを選んでインストールしたほうがいいだろう。
動作の遅さ以外にも、バッテリー消費が妙に速かったり、使っているうちにすぐ本体が熱くなってしまったりといったトラブルが起きたときにも、フルリセットは有効な方法だ。ハードウエアに原因がある可能性も捨てきれないが、自分でできる対策として、まずはフルリセットまでをやってみるようにしよう。
■3.その他のリセットについて
ほかにも、iPhoneには、機能ごとにリセットできる設定が用意されている。そのひとつが、「位置情報とプライバシーをリセット」だ。iPhoneは、アプリが位置情報やプライバシー情報を利用する際に、初回だけ、ユーザーに許可を求める仕様になっている。カメラを起動した際に、位置情報を使うかどうかを尋ねられたことを覚えている人もいるはずだ。後からこうした情報を取り消したいときは、「設定」の「プライバシー」を開くと、アプリごとに個別に取り消すことは可能だが、数が多いとその分、手間がかかる。このような場合は、「位置情報とプライバシーをリセット」を利用すれば、一括で初期状態に戻すことができる。
また、文字入力時の変換候補をリセットする際には、「キーボードの変換学習をリセット」が便利だ。iPhoneの文字入力は、携帯電話でおなじみの予測変換が搭載されており、過去の入力内容を学習して、よく使う単語が先に出る仕組みになっている。友達とくだけた言葉でチャットしすぎていると、それを学習してしまい、ビジネスメールを書く際の妨げになる。誤タップの結果、相手にとって失礼なメールになることも十分ありえるし、普段、どんな文字を打っているのかを推測されかねないリスクもある。このようなときに、「キーボードの変換学習をリセット」することで学習を初期化しておくようにしたい。
もうひとつのリセットは、ホーム画面のレイアウトを元に戻すというもの。インストールしたアプリが増え、フォルダなどに分けていると、どこにどのアプリを置いたのかを忘れてしまうことがある。このようなときは、「リセット」にある「ホーム画面のレイアウトをリセット」をタップすると、アイコンの並びを初期状態に戻すことが可能だ。
このように、iPhoneを使い込んで何か不具合が生じたり、カスタマイズしすぎてかえって不便になっていたりする際には、リセットが有効な手段となる。それぞれの役割の違いをきちんと把握し、使い分けるようにしたい。
