「クール・ジャパン」の代表格、「日本のトイレ」がさらに進化する!?
訪日外国人が増える中、「日本に来て驚いたこと」の代表格として扱われることが多いのが「日本のトイレ」である。
温水洗浄便座はもとより、異常に内装が豪華なトイレや公衆便所でも常に紙が常備され清潔に保たれていることはしばしば驚きの声とともに紹介される。
2020年の東京オリンピックを控えて、そんな「日本のトイレ」をさらに「進化」させるべく、行政やメーカーなどでもさまざまな施策を行っている。
◆トイレの使い方、標準ピクトグラムを策定
2017年1月17日に、昨今の訪日外国人観光客の急増を受け、“だれでも安心して使えるトイレ環境”を目指し、トイレ操作パネルにおけるピクトグラムの標準化を図ることを決定し、主要8項目における標準ピクトグラムを策定したのは日本レストルーム工業会。
日本衛生設備機器工業会と温水洗浄便座工業会が合併して2015年4月に発足した同工業会だが、予てから訪日外国人から温水洗浄便座などの使い方が「わかりにくい」との声が出ていたことを受けて、この決定を出したという。(参照:プレスリリース)
TOTOやLIXILなど水回りの住宅設備メーカー9社は、2017年以降の新製品から順次ピクトグラムの採用を行っていくとしている。
そのピクトグラムがこれ。
シンプルではあるが逆に微妙にわかりにくいような気もするが……。果たして効果はいかほどになるだろうか? 注目していきたいところだ。
◆進む「汚れにくいトイレ」の開発
昨今では、少ない水で効率よく汚物を流すトイレ洗浄についての研究開発も進んでいる。
TOTOのトイレ開発には「洗浄エンジン」という聞きなれない用語が使われている。「洗浄エンジン」とは、トイレの大便器を構成するボウル状の便鉢と排水管手前までのトラップを合わせた部分を指す同社の呼称で、汚物受け止めと水流による汚物の排出および便鉢の洗浄機能を有する、大便器の根幹部分を指すという。
この「洗浄エンジン」を世界共通規格とすることで、“商品実用化までのリードタイムを短縮できるほか、開発費の集中投資で開発工程の質を高められる”という。この先、少ない水で効率よく汚物を流すことができるようになる可能性があるのだ。(参照:住宅産業新聞社)
前出の日本レストルーム工業会でも、汚れがつきにくく、落としやすい便器の開発、および、掃除のしにくかった便器のフチ裏がない形状を開発を通じて、掃除のしやすく、少ない水で効率よく汚物を流すことを可能にするための各メーカーの施策が紹介されている。(参照:日本レストルーム工業会)
◆IoTトイレも登場!
現在流行りのIoT(Internet of Things : モノのインターネット)をトイレと関連づけたサービスも登場している。
昨年10月17日、伊藤忠テクノソリューションズは、トイレの空き状況を確認できる「IoTトイレ」を開発したと発表した。(参照:プレスリリース)
これは、PCやスマートデバイスからトイレの空き状況を確認できるクラウドサービスである。このサービスはイメージしやすい。新幹線に乗った時、自席から離れないでトイレの利用状況を各車両の出入り口にあるトイレマークの点灯で確認することがあるだろう。それと同じである。オフィスの自席からトイレまで歩いて行って、トイレが利用中であったために、また自席に戻るというのは、このサービスがあれば避けられるだろう。
伊藤忠テクノソリューションズの「IoTトイレ」は、業務改善や問題解決につながるツール作成の社内コンテストから生まれたという。一定の時間帯に個室トイレの利用が集中することがあり、トイレの空き状況が効率的にわかるサービスとして開発された。
IoTトイレは、発電パネルと無線が内蔵されているセンサーを使用して個室トイレのドアの開閉状態を判断する。“電源の確保や配線工事、サーバの設置などが不要なため、小規模なオフィスでも簡単に導入することができ、ビルオーナーや管理会社のオフィスサービスの拡充に貢献します。”(同上)としている。
筆者は、伊藤忠テクノソリューションズが「IoTトイレ」の実証実験を三井不動産とともに行ったところにノウハウの蓄積や強み、顧客への横展開での訴求ポイントがあると考えるが、ビジネスとしてお金になるかどうかは別として、技術的には、本ソリューションは他のサービスプロバイダーでも簡単に参入できるように思える。
他にも、株式会社ファンブライトの「トイレ利用状況の可視化」サービス(参照)、リクルートライフスタイルの「IoTを駆使してトイレの個室空き状況を検知してWEBで確認できるアプリを会社で運用してみました。」(参照)、レンジャーシステムズ株式会社の「トイレsearching」(参照)など、同様のサービスは多く登場している。
訪日外国人が驚きをもって体験する「日本のトイレ」。こうした施策がさらなる衝撃を与えるか、気になるところだ。
