外国人が気付いた「日本のドラマ」3つの特徴、若年層を中心に「テレビ離れ」

外国人が気付いた「日本のドラマ」3つの特徴

 突然ですが、ドラマ、見ていますか?  若年層を中心に「テレビ離れ」が叫ばれて久しいですが、それでも日本には高視聴率をたたき出したり、社会現象になったりするドラマが少なくありません。昨年10月から放送していた「逃げるは恥だが役に立つ」も話題になりましたよね。

 日本のドラマが大好きな私、実はギリシャ生まれのギリシャ育ちという、生粋のギリシャ人です。日本人男性と結婚して今は、アテネで通訳や翻訳家、ライターなどをしながら暮らしています。今ではこのように日本語で文章が書けるようになった私ですが、日本語を学ぶきっかけはある日本のドラマでした。

 親戚から勧められたそのドラマは、「花ざかりの君たちへ」。カラフルで派手な衣装を着たり、突然歌いだしたり、ギリシャ人から見ると、少し変わったドラマだったので、最初は「この国大丈夫?」と思いました。でも、本当にイケメンパラダイスですぐにハマりました。しばらくいろいろなドラマを見ていましたが、字幕だと細かいニュアンスまでつかむことができないこともあり、フラストレーションはたまるばかり。「日本語を勉強したほうが早い!」そう思い立って勉強を始め、いつの間にか日本語が話せるようになったのです。

■義母から最新ドラマの情報をゲット

 さて、アテネに住んでいる私が、どのようにして日本のドラマの情報を得たり、視聴したりしているのか気になると思います。私の場合は、圧倒的にフェイスブックなどのSNSで最新情報を得ることが多いですが、このほかにも「tokyohive」という日本の芸能ニュースサイトもよく見ています。英語サイトですが、ここには、毎週のドラマの視聴率や新曲の情報、芸能人の結婚・離婚などのニュースが詰まっています。また、2週間に1度、日本に住むダンナさんの両親とSkypeで話すので、そのときに義理の母からオススメを聞いています。

 アテネに住んでいるので、最新ドラマをリアルタイムで視聴することはできません。しかし、話題のドラマは日本に行ったときに、まとめてDVDで見るなどして楽しんでいます。これまでも、こうしてたくさんの日本のドラマを見てきました。

 なかでもお気に入りは「1ポンドの福音」。テンポ良く展開されるコメディは見ていて面白い。また、ジャニーズ、特に嵐の松本潤さんの大ファンなので、「花より男子」も楽しみました。ちなみに昨年、アテネの日本人会のビンゴ大会で雑誌購読券が当たったのですが、これを使って年間購読しているのは何を隠そう『Myojo』です。

 さて、そんな日本ドラマ大好きな、ギリシャ人の私から見た日本のドラマの特徴はいくつかあります。

日本のドラマに見られる3つの特徴

 1つ目は日本の街の風景です。特に印象的なのは、「橋」「土手」「公園」。主人公が落ち込んだときは、だいたいこの3つの場所に行って、たそがれていませんか?  こういうシーンの印象がとても強いので、初めて日本を訪れた際、埼玉の荒川の土手を見て、自分が日本にいることを実感したくらいです。

 2つ目は控えめな感情表現。ギリシャのドラマは、とにかく感情表現が豊かで、誰もが思っていることをハッキリ言います。しかも、大きな声で話すので、「誰が好き」とか「お父さんの余命はあとどれくらい」とか、そんな秘密はすぐにバレてしまいます。

■恋人を待つ日本人、さっさと別れるギリシャ人

 一方、日本のドラマは、自分の感情を表に出すまでにすごく時間がかかる印象です。相手のことが好きでもなかなか「好き」と言わない。転職や引っ越しなど、何か新しいことをしようとしてもなかなか踏ん切りがつかない。それを見るのが面白いし、共感もできますが、そのあたりはギリシャのドラマと異なります。たとえば、恋人が外国へ留学に行くと伝えるシーン。日本では男性が、「帰るまで待っていてくれ」と伝えると、女性が「わかった。あなたを待っている」と答えるイメージがあります。

 本当は行ってほしくないけど、相手のためを思って自分の気持ちは言わない……。相手のことを思いやる、相手の気持ちを考える。そんな日本人の国民性が出ていると思います。これに対して、ギリシャ人なら「行かないで」と言って相手を引き留めようとするか、「行ってもいいけど、行くなら別れる」と、さっさと別れます。

 3つ目はとにかくポジティブなストーリーです。何かうまくいかないことがあっても主人公は頑張ってその困難を乗り越え、ハッピーエンド!  落ち込んだときに見ると、とても元気をもらいます。同時に、頑張ることの大切さにも気が付かされます。

 ギリシャのドラマは、どちらかというとヒマを潰すものです。面白い、怖いといった具合に、単純に楽しむものとしての性格が強いように思います。その点、日本のドラマは、必ずテーマがあります。だから見ているほうも真剣になって物語に入り込むし、そのストーリーから得ることも多いのではないでしょうか。

日本のドラマにはアレが足りない!

 余談ですが、不思議だなと思うのは、日本人が一日中食べ物のことを考えているということです。四六時中という訳ではないと思いますが、たまに「今日は朝からラーメンの気分!」などというシーンを見ると、あまりにギリシャ人にはない行動なので驚きます。日本人には計画性があるということかもしれません。ギリシャ人だったら、行きたい店があったとしても、その店が混んでいれば隣の店に入ることも多いです。店の前に行列をつくるなんて考えられません。

 もうひとつ余談ですが、私が大好きな映画『男はつらいよ』にも日本人らしいシーンが出てきます。それは、博さんが手をケガしたときに、タコ社長がおすしを持って謝りにくる場面です。ギリシャ人の社長だったら「自分は悪くない。ケガをしたのは君の不注意だ」と言うところ、タコ社長は自分の責任を潔く認め、お詫びの品まで持ってくる。私は思わずこのシーンで涙してしまいました。でも、普通のギリシャ人には理解できないことだと思います。

■ギリシャ人をやきもきさせる「じれったさ」

 さて、こんな日本ドラマが大好きな私にも、1つだけ日本のドラマに不満があります。それは、スキンシップが少ないことです。ギリシャのドラマでは、最初のエピソードからキスシーンはありますし、平均すると1話で2回くらいキスシーンがあります。そういうシーンが出てくるとすぐにチャンネルを変える私の両親でさえ、日本のドラマを見ているときは「いつになったらキスするの!?」「キスはまだなの?」と不満げです。私もやっとキスシーンにたどり着いたときは「やったー!」と思わず飛び上がります。

 私の中のイメージでは、9話目でやっと手をつないで、10話目でキスして最終回というのが王道の展開で、「えっ?  これで終わり?」とツッコミたくなります。ギリシャ人からすると、キスシーンの多い「失恋ショコラティエ」くらいがちょうどいいかなと思いますが、それも日本ドラマの特徴。私のようなギリシャ人にとっては、日本人のもつ奥ゆかしさを学ぶよい教材となっているのです。

 ――と、ここまで私の「日本ドラマ愛」を存分に語りましたが、当然、ギリシャで私ほど日本のドラマや映画を見ている人はそういません。ただ、ギリシャでは、日本の古い番組をテレビで放送していることもあり、そこから日本の情報を得ている人も少なからずいます。ちなみに、ギリシャでは「風雲! たけし城」が繰り返し放送されており、ギリシャにはビートたけしさんがいまだにすごく若いと思っている人が結構いるのです……。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏