最新Apple Watch Series 2は買うべき?新機能を徹底検証

最新Apple Watchは買うべき? 新機能を徹底検証

MakeUseOf:今はAppleにとって一番忙しい時期です。新しいiPhoneとiOS 10、macOS Sierraのリリースに加えて、Apple Watchもアップデートされたからです。

Apple Watchは、初代モデルの後継機ではなく、代わりにSeries 1とSeries 2が作られました。Series 1は初代モデルの高速化に焦点を当て、Series 2は「エクササイズのお供」を探している人にとって特に興味深い新機能がいくつか付加されています。

しかしAppleは、Apple Watchを「ほしい」デバイスから「必要な」デバイスへと変身させることができたのでしょうか?

時代を超越したデザイン

Appleがデザインを大きく変更しなかったことは、特に驚くべきことではないでしょう。Apple Watchはこれまでどおりベーシックで、過去に目にしてきたものと同じAppleのデザインが継承されています。角は丸く、前面には可能な限り大きな文字盤があり、入力オプションは必要最小限です。

Series 2は、文字盤の大きさが38mmと42mmの2種類があり、iPhone 7と同じ反応速度を持つ「3D Touch」テクノロジーが使われています。大きさと重さは若干変更され、初代モデルより厚みが1.1mm増しました。

38mmのSeries 2 Sportモデルは初代より3.2g重く、他のモデルもわずかに重くなっています。とはいえ、この点はそれほど取り上げるべきことではありません。Apple Watchは邪魔になるほど大きくはないからです。しかし、手首が細い人は38mmモデルを選んだほうが良いでしょう。

Apple Watchは以下のとおり、豊富なラインナップがそろっています:

・アルミニウム:シルバー、スペースグレイ、ゴールド、ローズゴールドの各アルミニウムケース
・Nike+:シルバーとスペースグレイのアルミニウムケースにカスタムスポーツバンド
・ステンレススチール:シルバーとスペースブラックのステンレススチールケース
・Edition :セラミックケースにクラウドスポーツバンド
・Hermes:シンプルトゥール、ダブルバックル・カフ(38mm)、ドゥブルトゥール(38mm)、シンプルトゥール ディプロイアントバックル(42mm)のレザーストラップ

この記事は、Series 2の「スペースグレイ」アルミニウムケースに「ブラックシリコン」スポーツバンドが付属したモデルをレビューの対象にしています。これはスポーティで、装備が最小限に抑えられた、やや実用性重視の控えめなモデルです。この種類はどんなファッションにも合いますが、流行に敏感な人は、バンドは別の物に変えたいと思うかもしれません。

初代モデルと同様に、Series 2もとても着用しやすくなっています。鋭くとがった角はありませんし、軽くて、つけていてもほとんど気になりません。ステンレススチールモデルは若干重いですが、アルミニウムモデルの柔らかめのIon-Xガラス(強化ガラス)に比べて、より丈夫なサファイアクリスタル・ディスプレイを備えています。

Series 1とSeries 2、どちらが良いの?

Appleは2016年9月に、初代の「Series 0」のラインを廃止しました。現在購入できるApple Watchは、大きく分けるとSeries 1とSeries 2の2種類です。Series 1は基本的に初代モデルのアップグレード版で、Series 2に用いられているものと同じ、デュアルコアプロセッサが組み込まれています。

Series 1は、GPSが内蔵されていないS1Pチップを使用しています。前モデルをほぼ踏襲していて、OLEDディスプレイ、IPX7防水、バッテリー寿命、フォームファクターすべて同じです。Series 1モデルはアルミニウムケースのみで、38mmは269ドル(2万7800円~)、42mmは299ドル(3万800円~)でそれぞれ購入可能です。

Series 2は、専用GPS機能を組み込んだS2チップを使用しています。また、耐水性能を深さ50メートルにまで高めています。ディスプレイはSeries 1よりも明るいのですが、全体的な性能とバッテリー寿命(18時間)は同じです。38mmモデルは369ドル(3万7800円~)、42mmモデルは399ドル(4万800円~)と、価格はSeries 1より高くなっています。

では、どちらが良いでしょうか? それはスマートウォッチを何に使うかによります。

より高性能のApple Watch

誰の目にも「明らかな」Series 2の利点は、より明るいOLDEディスプレイです。理論上は、前モデルの450ニトに対して1000ニトと、2倍以上の明るさがあります。「ニト」という測定単位は輝度を測定するのに使われる単位で、1平方メートルあたり1カンデラに等しい明るさです。

初代Apple Watchも、明るい場所で字を読み取るのに困ることはありませんでしたが、Series 2の方がかなり明るいことは間違いありません。これは、AppleがOLEDディスプレイの世界へ進出する足掛かりとなる一歩です。このディスプレイなら、オーストラリアの真昼のまぶしい太陽の下でもサングラス越しに読めます。

また、これからは、Apple Watchをつけたまま泳ぎに行くこともできます。Series 2は50メートルの耐水性がありますから、プールの中でもバイタルサインや泳いだ距離を記録できるのです。初代モデルも十分な防水性がありましたが、耐水性は高いに越したことはありません。もう1つ注目すべき特徴は、Apple製の「ダイレクトファイアスピーカー」です。これは泳いだ後に、音による振動を利用してApple Watchから水を排出する機能です。

また、専用GPSチップの搭載により、携帯電話を持ち歩かなくてもワークアウトを記録することができるようになりました。これは、ワークアウトにはiPhoneのほうが頼りになるという理由で、前モデルのApple Watchを無駄だと思っていたランナーやサイクリストなどにとっては大きな前進です。Apple Watchに音楽を入れ、ブルートゥースヘッドフォンをかけ、内蔵GPSチップでランニングの記録をとりましょう。

Series 2には、他にもちょっとした付加機能があります。例えば、デジタルクラウンを時計回りに回すことで、画面の明るさを抑えたままスリープを徐々に解除することができます。この機能は、暗い部屋や映画館で、1000ニトの明るい光を発することなくこっそり時間を確認したい場合などに便利です。

Series 2には初代モデルと同じ、バイブレーション振動を生み出すエンジンが搭載されています。それ自体は新しくないのですが、手首に伝わる振動の強弱を選べるようになったことはセールスポイントです。これで通知を見逃す心配はありません。

残念ながら、バッテリー寿命は今でもApple Watchの最大の弱点です。まだしばらくは、どんなスマートウォッチについてもこの弱点を受け入れなくてはならないでしょう。デバイスが小さければ、バッテリーも小さくなります。小型のデバイスで多くのことをやろうとすればするほど、バッテリーは早く消耗してしまうのです。

頻繁に充電しなければならない腕時計なんて馬鹿げた話に聞こえますが、ほとんどの腕時計は、時間を教える以外にできることはあまりありません。旧式携帯電話からスマートフォンに至るまでを思い出してください。耐久性に優れていることで有名だった「Nokia 3310」は、1回の充電で1週間持ちましたが、iPhoneはそれよりはるかに多くのことができます。結果として電気を多く消費するわけです。

Apple Watchもそれと同じです。原文筆者はレビューのために使っているApple Watchで、通知をチェックしたり、近くのATMを探したり、ジムでの1時間強のワークアウトを記録したり、電話に出たりしており、ほぼ毎日充電しています。でもアクティビティ記録機能をそれほど使わなければ、2日持つかもしれません。それに省電力モードにしておけば、時間を確認するために時計を見る時しか起動しません。

最大の目玉はwatchOS 3

原文筆者は、初代Apple Watchの「Series 0」を初めて使った時、watchOSに感銘を受けました。今思えば、少し複雑なところがあり、もっと直観的に操作できたほうが良かったと言えますが。2015年5月以降、watchOSは2回にわたってかなり大がかりなアップデートを行ない、大きな変貌を遂げました。

今ではwatchOSはよりシンプルになり、Appleの「すべてを1つのアプリに」というアプローチをより良く体現しています。以前は、頻繁に連絡を取る友だちリストを表示させる機能が電源ボタンに隠れていましたが、今は良く使う機能が「dock」に集約され、カスタマイズも可能になりました。お天気情報や乗換案内のようなサードパーティー製アプリも、統合して文字盤に表示できます。

新しいデュアルコアプロセッサのおかげもあって、処理速度はずっと速くなり、動作をやめてスリープ状態になっていたアプリの再起動もほんの数秒しかかかりません。初代Apple Watchは、アプリにアクセスする時に、ペアリングされたiPhoneにかなり頼っていましたが、2016年6月以降は、すべての新しいアプリはネイティブ動作になっています。

残念ながら、Siriを使う場合は今でもiPhoneが圏内になければなりませんが、iOS 10に加えられた改良点はすべてApple Watchにも引き継がれます。6s以降のiPhoneがなくても、ハンズフリーの「Hey Siri」機能を使うことが可能です。

watchOSは成熟し、Appleのエコシステムにより溶け込んだように感じます。アプリの選択肢は以前と比べて良くなっていますし、これまではApple Watchだけで使えた、手書きができるDigital Touchや、iMessageで「ハートビート」を送れる機能は、iOSとmacOS Sierra両方のMessagesにきちんと統合されています。

唯一の「問題」は、watchOS 3がApple Watchの全モデルで利用可能という点です。watchOS 3は、初代Apple Watchでも、価格が低めのSeries 1でも使えるので、耐水性や専用GPSが絶対に必要でない限り、高いお金を払って最上位機種を購入する必要はありません。

Apple Watchはまだ「必要不可欠な」アイテムではない

2015年4月にレビューのためのApple Watchを受け取った時、筆者はとても気に入りました。それにもかかわらず、レビューを書き終えた後にApple Watchを買いに行くことはありませんでした。今回の感触もその時と大きく異なるわけではありませんが、前回よりも「ほしい」という気持ちははるかに高まっています。最新モデルは、筆者が時計に期待することをもっと満たしているように思えるからです。

残念ながら、バッテリー寿命はまだ、たくさんの潜在的購入者を取り込むのに必要なレベルまでは達していませんし、数年以内にそのレベルまで達する可能性も低いでしょう。Series 1もSeries 2も、Appleのウェアラブルラインナップに必要とされる処理速度にそれなりに達していますが、その多くはwatchOSのおかげだと思われます。筆者が購入してもいいかなと思う気持ちに近づいたのは、いくつかの小さな改善点、つまり、成熟したOSや、改良されたサードパーティー製アプリのサポート、Appleのエコシステムへの統合の進化などが理由です。

このデバイスは、慣れるのにそれほど時間はかかりません。ジムでのエクササイズ中やサイクリング中に使うのにぴったりですし、通知を読んだり天候をチェックしたりするために携帯電話に手を伸ばさなくても良いのはとてもラクです。それでも、Apple Watchはまだ必要不可欠なデバイスではありません。筆者にはApple Watchが「必要」ではないのです。それはスマートウォッチというデバイス全体に言えることでしょう。けれども、時計がほしいと思っている人で、そのために数百ドルを払う気があるなら、スマートウォッチを購入してみるのも悪くはないかもしれません。

Apple Watch Series 2 Sportに対する本記事の結論:

Series 2は(ならびにSeries 1も)前バージョンより良くなっていますし、自信を持って「役に立つ」と言えます。iPhone利用者にとっては今でも最適のスマートウォッチですし、その状況がすぐに変わることはないでしょう。ただし、Series 1も選択肢として残しておいてください。50メートルの耐水性や専用GPSが必要でないなら、Series 2に100ドル余分に払ったところで、得るものはほとんどないからです。

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