タイのアンドロイド製「iPhone7」が完コピすぎ。注目のAirPodsも付属品に!?
ついにコピー製品はここまで進化したのか……。なんとiPhone7の“スーパーコピー”がタイで堂々と売られていた。筐体だけではなく、中身までほぼ“完コピ”。一見、ニセモノだと気づかないシロモノなのだ。
売っている場所は、バンコク最大のショッピングエリア、サイアム駅からほど近いマーブンクロンセンター、通称“MBK”。
ここはファッションから電化製品まであらゆる製品が売られている一大ショッピングエリアではあるが、そのほとんどが“いかがわしい”モノばかり。どこで作られたのかわからないコピー製品が当たり前のように売られ、購入側もそれを知った上で購入するため、コピー製品のデパートと言うのが正しいかもしれない。ただし、本物のiPhoneの中古品販売や修理などにも対応し、正規品が壊れた場合でも、こちらに持ち込む人も少なくない。過去にiPhoneの電池交換で訪れた際は、確か500~600バーツ(約1500~1800円)で済んだこともある。また、iPhoneの正規品を扱うタイの通信大手企業の支店がコピー専門店と隣接するなど、玉石混交するタイのカオスぶりを象徴する場所とも言えるだろう。
先日、たまたま古いiPhoneを引き取ってもらおうと足を運んだときに、そのショップを見つけた。ショーケースを覗くと、新品のiPhone 6 Plusとおぼしきものが6500バーツ。日本円にすれば、2万円前後といったところ。ありえない。カウンターに立っていたインド人の女性店員に「これってiPhone 6 Plus?」と聞くと、女性は「7 Plusよ」と自信満々に返答する。
タイでも発売されたばかりのiPhone 7 Plusがそんな価格で売られている? 女性は「これは韓国製のスーパーコピー。見た目は完全にiPhoneよ。だけど、ちょっと違うの」と説明し、Androidで作ったiPhoneのコピーだと説明をはじめた。わけがわからない。とりあえず触らせてもらうと、トップ画面から操作、カメラに至るまで完全にiPhone、そしてiOSそのもの。言語選択に日本語はなかったが、ここまで完全復元されているとは驚きを隠せない。女性スタッフは「AppleのIDは使えないし、パソコンにつなげてもiTunesは立ち上がらないわ」とのこと。女性は4000バーツまで値下げしてきたが、その日は丁重に断り、そのままMBKを後にした。
しかし、どうしても気になってしかたがないAndroid製のiPhone。一週間後に再びそのショップを訪れると、件の女性スタッフがいない。カウンターにいたインド人男性と女性に「先週来たらここにいた女性スタッフが、iPhone 7 plusを4000バーツで売ってくれるといったんだけどダメかな?」と懇願すると、女性は突然売り上げ台帳を見せてきて「これを見てよ! 全然、今週は売れてないの。値下げは無理ね」と言い、「それはそっちの都合だろ」と内心思い悩んでいると、ふと見たショーケースに先週は置いてなかったiPhone 7があり、4500バーツと書いてある。「これは4G対応の最新版。先週まであったものは3Gにしか対応していなかったんだぜ。破格だろ?」と男性スタッフが言い放ち、500バーツのディスカウント交渉もむなしく、額面通りの価格で購入した。
AndroidのiPhoneとは一体? 中身を開くと、なんと正規品には付属されていなかったAirPodsのコピーが入っているではないか! 片耳式で、見た目はお粗末だが、それっぽく再現されているあたりがどこか憎めない。実際にBluetoothを立ち上げて動作確認をすると、「S530」なる怪しい名前が表示され、つなげるとしっかりと音声が聞こえる。
続けてデフォルトのアプリを確認。カメラやメモ書き、計算機、時計、セッティングに至るまでも完全に再現されている。とりあえずSIMカードを入れてみるとつながらない。やはり不良品かと思ったが、再起動すれば電波が立ち、知人にSMSを送ると、問題なく送信が完了し、通話も問題なかった。
気になっていたAPP Storeを見ると、なんと堂々とiOS 10と出ている! 仕様はiOSそのもので、適当にクリックをすると、画面がAndroidのplaystore仕様に切り替わり、ダウンロードも普通に可能だ。また、フェイスブックはデフォルトでダウンロードされており、アイパスを入れれば何も問題はない。「Wallet」や「Find iPhone」といったiOS独自のアプリについては、一応立ち上がるのだが、何もクリックできなかった。わざわざ作る必要はあったのか?という疑問は尽きないが、“完コピ”のためなのかもしれない。続けざまにMacにつないだものの、iTunesは起動、認識されない。やはりあくまでもiOSに似せたAndroidなのだ。また、コピー製品ならではの不具合もあり、iPhone7独自の感圧式ホームボタンは、ボタンから少し離れたところを触っても認識されてしまい、iPhone7から導入された防水機能ももちろんついてなかった。
お粗末なiPhoneと言ってしまえばそこまでだが、コピー品としてはよくできているといえるのではないか。緊急時の1台として持っておくには悪くないかもしれない。驚くべきは、購入時に1年間の保証書も付き、インド人スタッフからは「濡れたり、大きな衝撃を受けたときは保証外だからな」と念押しされた。
韓国からタイに持ち込まれたものがインド人によって販売されているiPhone7。タイ政府はコピー製品の締め出しに躍起だが、まだまだ追いついていないというのが実情だった。
