使い勝手で選ぶならこのサイズ!日立のコンパクトロボットクリーナー『minimaru』

使い勝手で選ぶならこのサイズ!日立のコンパクトロボットクリーナー『minimaru』

日立アプライアンスが11月19日に発売するロボットクリーナー『minimaru(ミニマル)』(オープン価格:市場想定価格は税抜きで10万円前後)は本体幅25cm、高さ9.2cmととてもコンパクト。競合メーカーのロボットクリーナーでは本体幅30cm強サイズが多い中、「小さい」を最大の売りにしている。

 ロボットクリーナーに対するユーザーの調査を行なったところ、購入後の不満として「部屋の隅の掃除」、「イスの脚周りなど狭い場所の掃除」「壁際の掃除」といった、狭い場所に対する不満が多く挙げられた。

 さらに、テーブルセットのイス脚の間隔を調べると、本体幅が30cm以下の場合だと9割がカバーでき、低い場所では本体の高さを10cm以下にすることで8割がカバーできるという結果が出た。こうした調査をもとに小型化を念頭に製品開発を進めた。しかし、本体が小さくなると広いエリアの掃除ができないではという不安があるため、きびきび賢く動く走行制御技術を採用。集塵性能、お手入れにもこだわった。

◆小さくするための工夫~高密度実装技術

 小さいボディの中に吸込口、ファンモーター、リチウムイオン電池、サイドブラシ、ダストケースといったロボットクリーナーに必要な部品を凝縮した。走行車輪、サスペンションは本体の中心に左右対照に配置。サイドブラシは本体の隅へ、吸込口は小さいボディの中でできるだけかきとり幅を広くしたいと本体の後方に配置。動力源のリチウムイオン電池はサイドブラシの間のスペースに収納。吸引力となるファンモーターは本体の中心に置き、重心バランスを考慮した。ダストケースは吸込口の真上に来るようにして、小さい中でできるだけ体積を多く取るように配慮している。

 設計で一番苦労したのは走行車輪、サスペンションだったという。小さなモーターで大きな動力を出すには減速機構が必要で、車輪にギヤが組み込まれている。他社で多く採用されている、ギヤを横一列に並べた形だとユニットが長くなってしまうため、日立では車輪の中にギヤを配置するサイクロイドギヤ方式を採用。小型化しつつ高い減速比を得ることができ、車輪内部に収まる形なので小型化に大きく貢献できた。

 最初の試作品では車輪が全く回らないという問題が発生したが、複雑な形状の部品のため寸法など解析を繰り返しようやく回せるようになったという。

 サスペンションは、段差を乗り越えるために車輪が上下に動くようになっているが、他社が採用しているのは回転式。支点と車輪の中心部に距離を置いて上下に動けるようにするというもので前後長が長くなってしまう。日立は自動車でも採用されているストラット式構造のサスペンションを採用。縦方向に回動することができるので前後長を短くできた。

 小さいボディだと一回の通過で掃除できる幅が小さいという問題があるが、広いエリアをカバーするため、早い壁際走行や、素早い回転動作などでクリーナーが素早く動くようにしている。実際に走行デモを見たが、壁際を走るスピード、方向転換するスピードはかなり速かった。

 さらにロボットクリーナー専用に新開発した「ミニマルAI」を搭載し、状況に合わせて100以上の行動パターンから選択し、障害物を回避したり狭いすき間に入ったり自動で運転制御する。最初は壁際を走り、部屋の広さを判断して掃除する時間を決める。ランダムで動く中で、ジャイロセンサーから自分の位置を把握し、最初右側を掃除したと判断したら、後半は左側に行くという制御になっている。マッピング機能はないが、ランダム方式で何度か通過することにより丁寧に掃除を行う。

 コンパクトサイズだけあって、狭いところ、低いところにしっかり入り込めるのも大きな利点。直径が小さいので部屋の隅に寄りやすく、側面と前面のセンサーで壁を認識して、左右に振る首振り動作を行い、サイドブラシを使って隅のごみもしっかり取り除く。イスの脚を検知すると一周する足回り動作を行い、一周したあと次の脚を見つける走行に入る。

 集塵に関しては、吸引力の源となるモーターは自社開発の「小型ハイパワーファンモーターR」を採用。自社開発の強みを活かし、小型化と高効率化を両立させた。また、回転ブラシとかきとりブラシの「ダブルかきとりブラシ」で、フローリングやカーペットと床質の違いに合わせてしっかりと集塵する。排気は後ろ方向に向けて流すのでごみを吸込口に流しやすい構造となっている。

 お手入れのしやすさにもこだわり、充電台に帰還した時にファンモーターの力を使って強い気流をダストケースの中に送り込み、風の力でごみを圧縮する機能を採用。圧縮することでダストケースは小さくてもゴミは約2週間分ためられる。

 また、ゴミプレスと同時に回転ブラシを逆回転させてブラシについたごみをかきとりブラシ側につけ、正回転に戻してかきとりブラシについたごみをダストケースに搬送する「ブラシ自動おそうじ」を採用。ダストケース、フィルターは水洗いできる。

 サイドブラシは長いと絡まったり、癖がついたりするが、小型化によりブラシを長くしなくても隅に届くことが可能になったので比較的短いブラシになった。また、根元部分はゴム製のため癖がつきにくい構造となっている。サイドブラシは消耗品だが、フィルターの手入れ用ブラシの柄の部分を使ってサイドブラシが外せる仕組み。簡単にブラシの取り換えができる配慮を施している。

◆デモンストレーションでは集塵力の性能を実証

 じゅうたんの上にパンヤ、小麦粉、フローリングに重曹をまいた状態で『ミニマル』を走行させて吸引力を確かめるデモンストレーションが行なわれた。ロボット掃除機は搭載できるバッテリーの容量に限りがあるため、ある程度の運転時間を持たせるために通常の掃除時はフルパワーを出していないが、フルパワーではない状態でもきっちりと集塵しているのがわかる。

【AJの読み】後発組ならではの、ユーザーの声を反映させた「使える」ロボット掃除機

 ロボット掃除機はアイロボット社の『ルンバ』が7割弱のシェアを持ち、パナソニック、ダイソン、東芝、シャープと国内外の各社が参入している。日立は2003年に自律移動型の家庭用掃除ロボットの試作機を発表したが、技術発表をした時点から壁際、隅、狭いところにほこりがたまりやすいことから小型化を目標としていたものの製品化に至らず、今回、満を持しての発売となった。

 後発組ならではの利点を活かし、既存ユーザーのロボットクリーナーに対する不満を徹底的に調査。「これができたらもっと便利なのに」というユーザーの声を反映した結果、コンパクトなロボットクリーナーに行きついた。今回は本体の小型化が最大の目標だったため、カメラ非搭載だったり、スマホとの連動などの機能はないが、カバー率も高く使い勝手の良さでは評価できると思う。

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