公園などに展示している蒸気機関車(SL)の解体、撤去が全国で相次いでいる

老いゆくSL、悲しき終点 活用策なく各地で展示解体

公園などに展示している蒸気機関車(SL)の解体、撤去が全国で相次いでいる。1970年代のSLブームに乗って展示が始まったものの、野ざらしにされたり、老朽化して穴があいたり。補修のコストがかさんで、自治体のお荷物になっているためだ。

■ほったらかし

 車体はさびつき、表面はぼろぼろ。さいたま市中央区役所の敷地にある9600形のSL「39685」は、粘着テープで穴をふさいだ上に、黒く色を塗った跡もあった。

SLは1920年に製造され、貨物列車として全国を走った後、72年から展示されている。屋根はなく、10年前に塗装をやり直して以来、ほったらかしだ。

 昨年、枕木が朽ちるなど老朽化が進んで危険なことがわかった。修繕の見積もりをとると、クレーンでSLを持ち上げて枕木を交換し、車体を修理すると4800万円。解体なら1200万円。「5千万円近くかけてこの先も維持管理費が発生するのは、市民の理解を得られない」(区総務課)と、解体を決めた。部品の取り外しなどが今月11日に始まり、すべての解体作業は21日までに終わる予定だ。

 展示が始まった70年代、SLの営業終了(75年)を前にブームが起き、観光客誘致を狙った自治体がこぞって展示を始めた。区総務課の石山太一課長補佐は「当時、解体待ちの、埼玉と特段の縁のないSLを譲ってもらって展示を始めたようだ」と話す。

 福岡県行橋市も、74年から市民会館横で展示している、「デゴイチ」の愛称で呼ばれるSL「D51 10」を解体する方向だ。修理の費用は900万円程度だが、「活用の見込みがないので予算化できない」(市教委文化課)。見学者が少なく、「コストのわりに効果がない」という。今年4~7月に引き取り手を募集したが見つからず、再募集を10月下旬まで行う。

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