高級車アウディのCMが「スピード=興奮」を連想させるとしてイギリスで放送中止に

高級車アウディのCMが「スピード=興奮」を連想させるとしてイギリスで放送中止に / 視聴者から「スピードの出し過ぎを助長している」と声が挙がったため

ドイツの自動車メーカーであるアウディは、オリンピックマークを連想させる、輪が4つ重なったロゴがトレードマークである。高級車として知られるアウディは、走行性能も評価が高く、品のあるデザインも好評を博しているだけに、そのCMも洗練されていて美しいと評判だ。

ところが、そんなアウディのコマーシャルが、イギリスで放送中止になってしまったというのである! パッと見ただけでは、一体どこに問題があるのか判断がつきかねるのだが、読者の皆様はお分かりになるだろうか!?

・アウディの美しいCMがイギリスで放送中止に!!
イギリスで放送中止となったというアウディのCMを見ると、まず問題の映像には、人間の瞳が画面いっぱいに映し出される。すると、アウディの激しいエンジン音が鳴り響き、運転席から見えている景色が瞳に移り、その情景がスピーディーに過ぎ去って行く。

しばらく同じシーンが続くと、今度はトンネルの中をスローモーションで走る、スポーツカータイプの「アウディR8」が登場! トンネルを抜けると、カメラがR8を前方から捉えた画に代わり、コマーシャルは、「More focus.Moe drive:もっとフォーカスして、もっとドライブしよう」とのキャッチフレーズで終了している。

・イギリスでは広告基準協議会がCMを検閲
一見しただけでは、1分程のコマーシャルには目に毒な物体が登場する訳でもなく、放送禁止用語が飛び出す訳でもないし、どこに問題があるのか分からない。

イギリスでは、広告基準協議会という団体がCMを検閲して、テレビで放送するかどうかを検討している。また、検閲には引っ掛からなかったが、放送後に視聴者から苦情が寄せられれば、放送を中止するかどうかなどの判断も下しているのだ。

そして、アウディR8のコマーシャルに、視聴者から「スピードの出し過ぎを助長している」とのクレームの声が挙がったために、放送中止が決定したというのだ。

・「スピード=興奮」を連想させる描写がマズかったらしい……
しかし、問題のCMには、瞳に映った景色はかなりの速さで過ぎ去っていくものの、スピードを出して走る車は1秒も映っていないのである。なんでも、明らかにスピードを上げているアウディのエンジン音と、スピードに興奮しているかのように広がる瞳孔が、‟スピード=興奮” を連想させるとしてマズかったらしいのだ。

広告基準協議会は、アウディを製造するフォルクスワーゲン・グループのイギリス支社に、「今後のCMでは、安全性を保障する説明なしに、車の馬力や加速、ハンドルさばきに関する情報は含まないこと、また、スピードによる興奮を表現するような描写をしないこと」と指示したそうだ。

アクション映画やビデオゲームを真似て、公道でカーレースに興じた若者が、事故を起こして死亡するケースが数多く報告されている。そんなこともあり、こういった団体が、積極的に事故の防止策を取る必要があるのかもしれない。

Audi R8 The Eye - Directors Cut

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