都知事選、医療・待機児童…「公約抽象的」辛口評価も

医療・待機児童…「公約抽象的」辛口評価も 都知事選

待機児童をどう解消するのか、地域の病床は減らされるのか……。31日投開票の知事選で、様々な課題と向き合う現場の人たちが、候補者の説明を待っている。ただ、十分語られているとは言えないようだ。

 「アンケートはほぼ返ってきませんでした」。都内の医師5430人でつくる東京保険医協会の担当者はそう話す。

 協会は告示日の14日、野党4党などが推薦する鳥越俊太郎氏(76)、自公など推薦の増田寛也氏(64)、小池百合子氏(64)の3陣営にA4判2枚のアンケートを手渡しやファクスで依頼した。

 「後期高齢者医療保険料の引き下げへ、財政支援を強化するか」「地域の病床を減らさないよう計画策定を慎重に行うか」など、選択式で10問。お願いを繰り返しても回答は1陣営だけだった。25日付の機関紙には1陣営の回答しか載らないという。

 担当者はネットで3候補の公約を見るが、「医療分野の具体策がほとんどありません」と言う。2014年知事選でもアンケートをして、舛添要一氏と細川護熙氏から回答があった。「今回はどう選べばいいんでしょうか」

 鳥越、増田、小池3氏の子育て支援策の公約を比べたのは、NPO法人全国小規模保育協議会の駒崎弘樹理事長だ。自身のブログに19日に投稿。「保育士の処遇改善」「待機児童解消」「子どもの貧困」など5分野で記述の有無や政策を「○」「△」「×」で評価した。

 他候補が触れていない記述があれば評価しつつ、公約の多くを「具体策は見えません」「抽象的」などと批評した。駒崎氏は「各候補が『やります』と言えばそれで済む選挙になっている。有権者も政策を見ずに人柄や知名度で選ぶから、陣営に政策を磨く意欲がない」と話す。今回、辛口の評価を載せたことで、各陣営が具体的な政策を打ち出すことを期待する。

 国立市の社会福祉法人滝乃川学園は、立候補した21人のうち連絡先がわかった陣営に、関係者が来園して知的障害の入所者約30人に政策を語ってもらうよう依頼した。「障害者福祉は公約や街頭演説でほとんど語られない。ここで話してもらうしかないんです」と担当者は言う。

 二十数年、国政や地方選挙で同じ依頼をしており、1陣営5分でかみ砕いて政策を語ってもらってきた。先日の参院選では東京選挙区の9陣営が来園したが、今回は3陣営だけ。担当者は「突然の選挙で忙しいのだろうが、障害者福祉の課題もあると知ってほしい」と話す。

 インターネットユーザー協会(港区)は各候補にアンケートを実施中。ネットで青少年らがトラブルに巻き込まれる事例が増えたとして「都として携帯電話やネット接続の制限をするか」や、ゲーム規制の是非、漫画・アニメの表現規制の是非について聞いた。

 香月啓佑事務局長は「情報通信政策はなかなか知事選の争点になりにくい。都がどこまで規制をかけるべきか、候補者にも考えてほしい」と狙いを話す。26日以降、結果をウェブサイトで公開する。過去の知事選ではほとんどの候補者から回答があったが、今回は20日夕の時点で回答はゼロという。

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